Welta Perle (1939)

 今回も前回のセミレオタックス同様、私の大好きな蛇腹のセミ判カメラです。
 1939年製(昭和14年)ドイツで作られた、ウェルタの「Perle」です。
 この「Perle」というカメラは1934年(昭和9年)から39年まで製造されたカメラで、ここで取り上げたものは、最後期に造られたものです。
 初期のモデルは直結シャッターでボディ側にレリーズボタンはありません。また、ファインダー横のシューも装備されていませんでした。
 このシューは閃光器用のもではなく、単独距離計用に装備されたものと思われます。
 レンズやシャッターのスペックを見ると当時の普及クラスのカメラと思われます。セミ判としては大柄で一見すると66判かと見間違えるほどです。ちなみに、故佐貫亦男先生が著した「ドイツカメラの本」によると、当時の先生の月給は120円、この「Perle」が上はテッサー付で240円から下は83円の安物まであったと、お書きになっています。
 単純に現在の価値に換算してみると、50万円位 のものでしょうか。当時はカメラが高価なものだったんですね。
 さらに、ツァイスのスーパーシックスに至っては600円となっていますから、現在では120万円くらいに相当します。こうなるともう特権階級御用達カメラということになるでしょう。
 私の所へ来たこのカメラは、残念ながらテッサーではなく3枚玉の75mm, f4.5「ワルタール」付、いわゆる安物のほうですね。
 ご覧のようにサビサビ・コチコチ・ボロボロのジャンクでしたが、ベローズだけは不思議とピカピカ、たぶんオリジナルではなく、途中で修理交換されたものでしょう。
 ボディのサビを落とし磨きあげ可動部に注油、シャッター周りもバラして洗浄と注油、レンズの汚れとカビ取りだけで、とりあえず復活。

 で、作りに関してですが、どこといって感動できるような部分はないのですが、一度動くようになると実にスムース、リングは引っかかりもなく、シャッター速度も正確、おまけにセルフタイマーまで元気に作動しています。
 この様なところにドイツ工業の高い工作精度の片鱗を感じることが出来ますね。
 さて、肝心の試写ですが、距離合わせ目盛りがフィート表示なので、やや面倒でしたが右のような写真が撮れました。
 当時のトリプレットの雰囲気いっぱいのおとなしいレトロな描写 です。イメージサークルに多少余裕があるみたいで、周辺もしっかりしていました。 KodakT-Max100フィルムをD-76現像剤で処理しました。

2002.12.3

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