MINOLTA Uniomat III

MINOLTA Uniomat IIIの手入れを試みる

ロッコールTD高じて
 ミノルタ・ユニオマットが作る写真に惚れてしまいI型・II型、それぞれポンポンと手元に来てくれたのですが、最後のIII型になかなか巡り会えず「縁がないのか」と諦め半分でいましたら、とうとうやって来てくれました、III型が・・・・・。
 私はレンズの周りにセレン電池の受光板がぐるりと取り囲んでいる、いわゆるリングセレン式デザインの写真機がことさら好きなので、このユニオマットでもぜひリングセレンを装備したIII型が一番欲しいと望んでいたのです。
 で、実際に手にしてみるとトップカバー周りがなお一層スッキリしちゃってとてもスマートになりインテリジェンスを感じるほどのデザインに仕上げてありますよネェ〜(って惚れてしまえばアバタもえくぼなのでしょうが・・・・)。
 とはいえ、これとて誕生したのが1964年という相当に古いカメラですから、この個体もかなり草臥れていてファインダーを覗いたらまるで濃霧の中に居るようなほど真っ白。しかし、二重像はシッカリ分離していますし距離リングの回転とピッタリ同調して移動しますので見難さを我慢すれば実用オッケーのようです。
 今度は後ろ側から肝心のレンズを光に透かして見てみましょう。
 ワァァ〜〜、ワァァ〜〜これはちょっとガッカリ、前玉に大きな傷こそ無いもののカビの菌糸が這い回っている様子は見えませんがかなり汚れの白濁がひどいですよ、これくらい白いと輝度の強いところではボアボアしてきそうだなぁ・・・・。

 ということで、まずはそのまんま何処にも手を入れない状態で写してみたのがこの↓絵です。

 ご覧の通り、案の定な写り方ですね。これ、そんなに強い逆光でも何でもないんです、ビルの向こうは普通の穏やかな薄曇りの空。それなのにこれほどのフワァ〜〜フワァが出ちゃいますからちょっとこのままでは可哀想・・・。しかし、真ん中の「山梨中央銀行」という看板に合わせた距離計はどうやら合っているようです。では、このファインダーの曇りとレンズの白幕汚れ取りをしてみることにしましょうか。

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 まず最初は、ファインダーの曇り取りから。
 トップカバーを外すのは、たった3つのネジを弛めるだけですのでとってもカンタンです。
 1つ目は巻き戻しレバーの下に隠れている円盤プレート状のネジ、2つ目はフロント側「minolta 」のロゴの下にある子ネジ、そして3つ目が巻き上げレバーの後ろに隠れているネジ、たったこれだけを取り外せばトップカバーが外れます。

 ファインダー部の各レンズが露出しましたら、柔らかいコットンを使用した綿棒などで丁寧にゆっくり汚れを拭き取ります、このとき、斜めに置いてあるハーフミラーの面は極々弱く軽く拭き上げます。強くこすってしまうと折角残っている蒸着ミラーが消えて距離合わせが不能となってしまいますのでね。

 今度はレンズの汚れ取りに向かいます。この写真機は典型的な3群4枚構成ですので前側から取り掛かっていけば一番後ろの4枚目まで容易に行けますので、整備も簡単です。
 まずは定石通り、フィルターリングの奥にあるカニ目リングを外します。

 写真機を分解したりするとき、ベテランの方はよくグリーンマットの上でされているようですが、私は写真機をいじるときはご覧のように必ず、白いボロタオルの上で作業します。これだと小さな小さなネジを落としてもすぐに目立って見つかりますし、それにグリーンマットのように弾みませんから何処かに飛んでいってしまうようなこともないのですね。

 このリング状の光電池には2本のリード線が繋がっていますので、無理に引っ張って切ってしまわないように注意しながら作業をします。もし、電池のターミナル部で切れそうだったり腐食が侵攻しているような場合はリード線にかなりの余裕がありますので、思い切って新しい線を剥いて半田付けし直してしまった方が安心ですね。
 次に距離計リングを取り外しますが、この写真機は前群回転式で距離を合わせていますの、ここからが少し注意が必要です。やみくもにこの先の作業を進めちゃうと後でピントの距離出しをするときにエラいことになりますので、ひとつひとつ「覚え」を記録しながらやりましょう。
 まずは、距離リングを「∞位置」に固定します。作業は最後までこの位置をキープしたまま終わるようにしていきます。
 右絵、3個のネジを取れば距離リングが外れます。
 

 距離リング外れてしまうと、下の絵のようになります。で、このときの飾りリング位置(∞)をメモしておきます。あとで組むときにこの位置にしっかり戻す必要があるためです。
 記録が終わったら、小さなマイナスネジ3個を回して飾りリングとりはずします。



 これでやっと前群の取り外しが可能になります。ここでもまたレンズ位置のキープが大切なので、この絵のように3方向に3色のマークを記してしまいます。ちょうどうまく3つのネジを受けるピボットがありますので、そこを「見当」として利用しましょう。このマークをするときに1色のペンでやってしまうとどれがどうだったかのか、あとで正確な位置に戻せませんので「必ず色の異なる」ペンを使います。
 順ネジ方向で最後まで廻すとポロッとはずれます。おぉ〜、やっぱり内側の凹レンズがひどく真っ白です。

 

 うぅ〜ん、いくら密閉空間とはいえ、さすがに40年の歳月をくぐり抜けてくると相当に曇るんですね。日本は盛春からの湿気と晩秋からの乾燥の繰り返し、それを40回以上繰り返しているんですから、写真機にとっては過酷な地域ですよね。

 さらについでです、この際だから後群もキレイにしちゃいましょ。
 この写真機はLVリングセットの最開が「6」です。f2.8のレンズを搭載してますから、そのときのシャッター速度は1/8秒になります。なので、それ以上のさらなる低輝度でも写真が撮れるようその先には「B」まで用意されているので、シャッターを全開にしてしておくことが出来るんです。
 右絵のようにLVリングをBにセットしておき、シャッターを押したままにしておくと、ご覧のように後群レンズの表面に触ることが出来ます。この状態で、手早くお掃除をしちゃいましょう。

 さぁ、これでガラス関係はレンズ・ファインダーともほぼ新品状態のピッカピカになりました。ファインダーなども正面から見るとゴールドのマジックミラーになってますが、接眼から覗くとややブルーがかった像でいい感じ、いい感じ・・・。

 そして、セレンメータも各輝度のポジションでじっくり計測してみましたが、なんとなんと、まったく劣化などしていなくて40年以上経過した今でも正確にLV値を見極めてくれています!
 今までに光電池式の写真機をずいぶん触ってきましたが、トップカバー左上に小さく電池がセットされている機種より、レンズ周りをぐるりと取り囲んでいるリング型光電池の方が圧倒的に長寿妙のような感じがします。なんといってもリング型の方が電池の面積が大きいですから、そんなことも影響しているのかもしれません。
 これはたまたま、私の場合の個体差によるものかもしれませんが、初代キャノネットから始まって、キャノネット・ジュニア、マミヤEEメリット、リコー35S、コニカEEマチック等々、すべてメータがいまだに生きて使えています。

 さぁ、これでアッチもコッチもみぃ〜んな気持ちよくキレイになりました。
 では、あのフワァ〜〜フワァが少しは改善できたのか試し撮りに出かけてみることにいたしましょう。

 最初のテストと条件を揃えるために同じフィルム(Lucky社製SHD100)を使って同じ現像液で同じ温度・時間で調整してみました。

 本当は同じ場所の絵の方がよいのでしょうけど、同じ光の条件が揃うわけではないので、上の方に空が出ている場面を選びました。

 こちらはかなり強い光が来ていますが、それほど盛大なフワァ〜〜フワァにはなりませんので、一応、今回の手入れ効果はあったのかなと思えるシーンです。

 ついでにカラーも試しましたので見て下さい。もうずいぶんと昔のこと、最初にこのユニオマットと出会ったときのことをまだ鮮烈に覚えています。とにかく、このTDというレンズはカラーでの色ノリが凄くいいんです。もし、お使いいただけるので有ればカラーネガでの撮影がお薦めです。

 せっかくB(バルブ)まで用意されているので、それを使って遊んでみましょう。これは1/2秒のつもり(勘)で切ってます。自分ではピッタシ静止のつもりでもこんなにブレちゃうもんなんですね。

 モノクロでもカラーでもほぼフツウに写るようになったので一安心です。これでまた、大のお気に入り1台仲間に加わって嬉しい日々です。
 もし、あなたのユニオマットが少しくたびれていたのなら、それほど複雑な機構じゃありませんのでぜひ、お手入れをしてあげてみて下さいね。

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