MINOLTA Uniomat

MINOLTA Uniomatの手入れを試みる

3群4枚というレンズ構成が好き
 好きな理由
  1. 何と言っても軽くてコンパクト
  2. 焦点距離を広角側に欲張らなければ、ほとんど歪まない
  3. スッキリとした先鋭度
  4. 大崩れしない色バランス
  5. そこそこの階調表現 などなど・・・・
 戦前戦後を通じて、どの国産メーカもツァイスのテッサーを手本にいいレンズがたくさん生まれましたが、しかし、各社でまったく同じ様なものが出来るわけはなく、それぞれで少しずつですが色合いが違っているのはみなさまご承知の通りです。
 
例えば、キヤノンではやや線の太い感じでどっしりと落ち着いた絵が出来ます。またリコーでは、逆に中間のトーンが大まかで軽快な感じで写りますし、コニカなどはC35に代表されるようにとても滑らかなトーンを出してくれたりと、千差万別なんですね。それでもって、中でもボクが好きなのは「ミノルタTD」という35ミリカメラ用のレンズ、多分、ミノルタA型に付けられたのが最初ではないかと思うのですがね、とにかくいいんですネ、TDは・・・。その後、A2、A3とA型シリーズに登載され、後年はハイマチックFまで続いたロングライフレンズです。
 ボクが最初に出会ったミノルタの3群4枚レンズは「ユニオマット」というカメラで、初めて仕上がったプリントを見たときは、その発色とシャープさに釘付けになりけっこう興奮しましたね。このカメラはセレンメータの示す針の位置にEV値リングと連動した指針を重ねる方式なんですが、今となってはボクのも含めてほとんどの固体のセレンがヘタってしまって正確な測光が出来ないんですね。でも、ある程度慣れた人ならEVリングでの露出の決定ができますので、メータが死んでいても問題なく使えるカメラなんですよ。このユニオマットはレンズリングにただ「ROKKOR」と記されているだけで果たしてTDと呼んで良いものなのか疑問もあるのですが、他のカメラと違って前玉回転で焦点合わせをするので、異端のレンズなのかもしれません。

 さて、このたび思わぬ所からセレンがしっかり生きているとても程度のよいユニオマットを頂くことが出来たので、今まで使い倒してきた古いセレンの死んだ初代機の修理を試みようとレストアの真似事を始めちゃいました。
このカメラは分解も調整もとっても簡単なので、ぜひ、ボクのような初心者の方のレストア入門編として最適な素材だと思います。

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 まず最初は、死んでしまったセレン電池の交換から始めました。現在では、同じ規格のセレン電池が入手できませんので、100円ショップで売っている電卓のソーラーセルを利用することといたしましょう。この写真に写っている電卓はダイソーの100円電卓ですが、ソーラーセルを取り去っても単3電池で使える2ウェイ電源方式なので、セルを取っても電池を入れれば電卓として使い続けられる親切設計のモノです。また、このモデルはセルの大きさが丁度良く、無加工でピッタリおさまるので、その点でもお薦めですよ。
 このセルはヤワなノリで簡単にケースに接着されているだけですので、上から親指でゆっくり押すと簡単に外れてくれます。外れたところで、2本のリード線を切り離します。

 トップカバーは、フロントの小ネジ(指で回せる)、巻き戻しノブ下の円盤ネジ、そして巻き上げレバー裏の隠しネジ、以上3本を外せば簡単にはずれます。外れたら、セレンパネルを慎重に抜き出して、先ほど電卓から取ったソーラーセルと交換します。

 ソーラーセルのセットアップが完了しましたら、今度は先ほどと逆の手順で、組み上げていきます。そして、受光窓を光に当ててみると、おぉ〜いい塩梅に反応して針がビンビン動き出しました。
 今度は、単体露出計など使って光の反応レベルを適正値になるよう調整します。多くの場合、ソーラーセルの起電力の方が上なので、適正値を針が示す受光面積にまでセルの表面をパーマセルテープや黒いビニールテープなどで徐々に遮光して調整をしていきます。これでメータは生き返りましたね、どうです簡単でしょ。

 折角、メータが回復したので、今度はカビが広がってしまった後玉のクリーニングをやっちゃいましょう。このカメラは無理をすれば裏蓋側から出来ないこともないと思うのですが、ボクの持っている道具とスキルでは、到底無理なので正攻法で進めました。それは、レンズユニットごとごっそり外してしまうやり方です。この方が工数は遙かに多くなるのですが、完璧に洗浄することが出来ます。
 まずは、皮を剥がしてシャッタープレートを外すと矢印で示した場所に4本の大ネジでレンズユニットが固定されています。それを外せば全体がごっそり抜けますので、あとは易々と後玉にアクセスできますよ。



こんな感じですね、ユニット側で飛び出している金属棒は距離計をおっぺすロッド、下の歯車はシャッターチャージギヤです。実にシンプルで簡単!

 どうせ、ここまでやったんならと、今度は調子に乗って、前玉裏と中玉までクリーニングと・・・・。
 距離リングを固定している2本のネジを外すと、リングが写真のように取れます。あとは前玉のネジを最期まで弛めれば抜けちゃいますのでお掃除をします。

 このカメラは前玉を回転させて距離を合わせるタイプなので、このような作業をすると、距離計とレンズの焦点距離が合致するよう、調整をしなけれなりませんので、フィルムガイドレールの上に磨りガラスを置いて、ルーペで慎重に無限遠を探って固定します。

 距離調整が終わったら、表に回って今度は距離リングをセットします。まずは無限マークの位置でリングがカチッと止まる位置でセットしてビスで止めます。今度は90度ほど回して最短位置で止めてビスで固定します。これで、0.9m位置と無限遠位置で距離リングがピタッと止まるようになります。

 貼り皮もかなり乾燥して痛んでいるので、この際、新しい皮に張り替えちゃいましょうね。このためには、古い方の皮はすぐに捨てずに型紙用として取っておいた方がいいですよ、ボクはうっかり捨ててしまって、ここまでのカタチのするのに結構な時間がかかっちゃいました。(実は2回切り直しています・涙)

 さぁ、これで内も外もキレイになりました。

 どうですか、簡単な作業だったでしょ。
 このカメラはどういう訳だかチマタでは不人気で、中古屋さんでも二束三文!しかし、耳タコでしょうがホントにキレイに良く写るカメラなんです。世の中の捨てられてしまって見向きもされない可哀想なユニオマットが1台でも多く、この記事をご覧くださったみなさまに救出されるよう切に願って、こんな拙いレストア文をしたためた次第なのです。
 最後まで、ご覧くださりありがとうございました。

本機の紹介と試写はこちら

2007.4.28

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