Minolta Uniomat

TDという銘玉

 「ミノルタ・ユニオマット」は1960年にTDロッコール45mm,1:2.8(3群4枚テッサータイプ)レンズを搭載し写真初級者向けに開発したカメラでした。
 このカメラはもう何年も前にジャンクを買って、1回も使わずそのまま仕舞い込んでしまったカメラです。
 何故長い間仕舞い込んでしまったのか・・・このカメラと初めて対面したとき、最初に目に付いたのが鏡胴のLV設定リングです。
 金属地と黒の等間隔のシマシマが凄く研ぎ澄まされた感じでいいなぁと思いました。
 更にセレン光電池の窓が細長で小さく、正面のファインダー窓には黄金色のミラー蒸着が施されていて実に精悍な印象です。
 全体としては決して小型ではないのですが、それぞれを構成するパーツがコンパクトで上手にまとめられたデザインで、測距窓の下の「minolta」のロゴに至っては位置も大きさも最高!

 そんなカメラですが落ち着いてよく見ると、このカメラは露出をLV(ライトバリュー)のみで設定する方式です。
 おまけにメーターが死んでいて露出計が使えず困ってしまいました。通常の(絞りとシャッター速度の組合せ)露出設定ならカンで何とかなりますがLV値までは頭に入っておらず、これには参ってしまいました。
 そんな訳で長いこと棚の隅に置きっぱなしになってしまいました。
 しかし、昔は手が出せなかったカメラの修理も最近はJFCの皆様のおかげで、少しはいじれるようになってきたので、また引っぱり出してきました。
 カメラをバラしてみるとセレンのマイナス側のターミナルが真っ黒に腐食していてリード線も剥がれてしまっています。メーターが動かなかった原因はこれですね。
 セレン電池を取り出して表面と電極を綺麗に磨き上げ、リード線も新しい物に交換しました。それぞれの部品は生きていたようで光に反応してメーターの針が動き出しました。
 メーターさえ動けばほかは良さそうなので使えそうです。今ではこのくらいのことは出来るようになりましたが数年前までは手も足も出ませんでした。
 そもそもこのユニオマットにしてもお洒落なカメラで、軍艦部を固定しているネジが表面上全く見えない設計になっていて、この隠しネジを推測して見つけることすら出来ませんでした。




 実際に使ってみた印象ですが、先ず巻き上げのストロークが異常に大きいですね、240度位は回ってしまいます。
 そのためでしょうかギアレシオが大きいので、タッチは軽くスムースでとても良いのですが、この大きな巻き上げ角は70年代の「ハイマチック7」辺りまで引きずっていきます。
 同じ頃のカメラでもヤシカなどはタッチや角度がとても洗練されていて使い易いですが・・・。
 このカメラ最大の美点?かもしれませんがピント合わせがとてもし易いです。といってもファインダーの見えではなく、距離計リングの方です。この年代の国産カメラの多くは、ヘリコイドギアで直進移動させるためピントリングが鏡胴の一番手前にある物が多く、それもリングを掴んで回すのではなくリングから飛び出したレバーやボッチで回すため操作感(ホールド)が今ひとつ良くありません。
 このカメラは前群回転式なのでピントリングが鏡胴先端にあり一眼レフのようにリングを手で掴んで回すことが出来ます。よく前群や前玉を回転させて合焦させる方式は直進式に比べて画像が劣るなんて云われますが実際どの程度なものでしょう。私のような素人には全く判別がつきません。
 露出に関してはLV8(1/30秒)以下になると目盛りの数字が赤色に変わり手ブレを警告します。
 さらに最低光量でLV6(1/8秒)までは切れますがそれ以下の光量では自動的にシャッターロックをかけ撮影を止められてしまいます。
 このカメラは各LV値の絞りと速度がセットで決められてしまうので、それぞれの値を任意で選ぶことが出来ません。 スナップのような使い方をする限りは、かえって便利なのですが、じっくり構えて絵造りをという方には制約が多くて向きません。
 ミノルタ・ロッコールレンズは、クラスごとに記号(レンズリングに必ず表示されています)で分別されていて、5群6枚の大口径ダブルガウスタイプ高級レンズには「PF」(V2/Himatic 7,11/ALなど)、4群5枚の中級タイプには「QF」(Himatic E,9/Minoltina-Sなど)、3群4枚テッサー型の普及タイプには「TD」(A5/AL-F/Himatic F,Cなど)という具合です。
 本機は普及版のTDレンズですが、さてどんな写りをしてくれたでしょうか、ミノルタが40年以上前に作った初級者用普及型カメラ「ユニオマット」の作例をご覧ください。


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このカメラについての整備記事はこちらから

2008.8.26

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