Fuji Twing TW-3


このTW-3は非常に小型なのですが、90年前のVPKも小さいですね、
127タイプのフィルムがこの小型化を実現させました。

小さく小さく小さくな〜れ 小さくなって便利にな〜れ

 約100年前に写真機がフランスで発明されて以来、この便利な道具を小さくしようとする試みは、まるで人類の課題のごとく、各国で延々と続けられて来ました。
 最初の革新的発明は何と言っても「ベストポケットコダック・VPK」、約90年前に誕生したカメラですが、看板に偽り無し!本当にチョッキのポケットに納まっちゃうほどの小ささでした。
 これより少し前の1909年に同じくイーストマンコダックが作った「No.1Aフォールディングポケットコダック」というカメラがあるのですが、これはどこがポケットじゃいと言いたくなるほどの大きさで、昔使ったアルミの弁当箱ほど大きさでした。
 No.1Aというフィルム(116タイプ・65mm×110mm)を使用しているので、ここがネックになって小さく出来なかったんですね。
 VPKはこのフィルムを小さくすることから設計を始めました。ここで専用設計をして誕生したのが127タイプ、俗に言うベスト判ですね。画面サイズは40mm×65mm、これだけの面積があるにもかかわらず、ライカ判のパトローネよりも遙かに細くコンパクトなフィルムです。
 今このVPKを手にとってしげしげと眺めても、その合理的設計の卓越さは人類の宝と感じさせる雰囲気がありますネ。

 現在、市場に於いて主流を占めてしまったデジタルカメラについてもしかりですね。
 1995年、世界最初の民生用コンパクトデジタルカメラ「カシオQV-10」が誕生してから僅か8年、(この間の発展は凄い物があるので、僅か8年前とは思えないですね)今秋発売のパナソニック「D-Snap」はQV-10の10分の一ほどの小ささを達成してしまいました。
 現代の科学技術を持ってすれば、カメラ付き携帯電話機のごとくダウンサイジングなど幾らでも可能なんですね。ただ実用性との兼ね合いで、このくらいが良いだろうと言うことにしてあるのではないかと考えます。

 銀塩カメラについてもフィルム世代最終段階で出現したAPSフィルムのお陰でずいぶんと小型になりましたが、今回ご紹介するカメラは、1985年の「フジカ・ツィングTW-3」。
 オリンパスペンに始まったハーフサイズカメラのブームは、小型化されたボディの利便さにもあったのですが、まだまだ貧しかった国情を背景に、フィルムを倍のコマ数にして使うという倹約目的が大きく時代にフィットしたことは言うまでもありません。
 このTW-3もハーフサイズフォーマットを採用しているのですが、目的はフィルムの倹約ではなくただただボディの小型化を突き詰めた結果の事だと思われます。時代はバブルの入り口でしたからね。
 何より驚くのはこの平べったい小さなボディに、広角・望遠のレンズを仕込み(ファインダーも見事に連動して切り替わります)、フィルムはDX感度検知装置・自動装填・電動の自動巻き上げ、更に露出に連動するフラッシュまで搭載しています。焦点切り替えはさすがに手動のゾーンフォーカスなのですが、良く作ったもんですねぇ〜、このサイズで。
 面白いのは絞りで、f.8からf.16の範囲で変化するのですが、シャッターを電子式(1/30から1/500秒)にして光量に合わせて速度を変化させます。
 したがって、最も露出の明るいf.8・1/30秒以下の測定値になるとシャッターをロックさせて、質の悪い写真を撮らせなくしてしまいます。ISO100なんかを装填しようものならちょっとした日陰でもロックの連続・・・こりゃぁ不便極まりない仕掛けですね。
 この豆粒のようなレンズはそれほど良い解像をする訳でなく、あくまでメモ代わりといったところでしょうか。特にアンダー側での省略が激しく、私はあまり好みではないのですが、まぁどこに入れても置いても邪魔になることがないのでバイクの狭い物入れに押し込んで便利につかわさせて貰ってはいますが。


 今回はカラーの作例で「AIKO ライトパンカラー Super V100」12枚撮りを使ってみました。
 ライトパン・・・懐かしい響きですねぇ、子供の頃に世話になったボルタ版カメラのフィルム箱には必ずライトパンって書いてありました。このカラーフィルムも1本100円、安いのが魅力ですがどんな売りをしてくれたのでしょう。
 何たってハーフカメラ、24枚撮りを入れちゃうと48カット。
 このカメラ、そうは使う機会がないので48カットはさすがにキツいです。このフィルムなら24カットでお終いですから便利ですね。色出しや粒子の参考になるかもしれません、その辺も参考してご覧ください。


 

フジカ・ツィングTW-3・・・お仲間のコンテンツをご紹介します。
詳しい仕組みや、素晴らしい作品群を合わせてご覧ください。
610さんのレポート
http://www8.plala.or.jp/mutohide/photo.htm

 

Fiji Twing TW-3の作例です。

以下の写真、モノクロはPrestoをD-76で標準現像処理。
カラーはAIKO ライトパンカラー・スーパーV100を使用
Nikon Coolscan IVでネガフィルムを直接スキャニングした画像です。

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