RICOHFLEX DIA L


DIA L

それじゃー、1枚撮ってみっか
 しばらく、AEやAFカメラでの撮影が続くと、せっかく培ってきた露出のカンやフォーカスのカンが体からどんどん抜けていくような気がして、切羽詰まった状態で電気に頼らないカメラに戻ってくる。そうして何とか精神の平衡を保つようにしている昨今である。
 これはそうした精神衛生を正常に保つために置いてあるカメラで、今日はいい写真を撮るぞと力んだ時に持ち出すことは決してない。
 あくまで時間がゆったり流れ、被写 体の方もちゃんと止まってくれ、光も決してピーカンではなく、さりとてどんよりとした曇でもない最高の条件になったら「それじゃー、1枚撮ってみっか」てな具合のときに、使うカメラ。
 従って、結果はともあれ、操作を楽しむもので、これを使った日は、とてもいい気持ちになれる。
 本来なら御本家ローライフレックスで楽しみたいものだが、私ごときには、それに見合う腕もセンスも金力もないことを十分承知しているので、これで満足している。 といったらこのカメラに失礼だが、いつもヨレヨレのジーンズと色の褪せたジャンパーという撮影スタイルでは、ローライは似合わない、首にシルクのスカーフを巻き、ツィードのジャケットでも羽織れるような暮らし向きになったときに購入を考えよう。
 まあ一生無理なことも分かっているけど・・・。

 リコーの二眼レフとしては最後期のこのカメラ、正式名称は「RICOHFLEX DIA L」という。
 それにしても、35mmカメラのフレームに慣れきった目には、正方形の絵作りがとても楽しい。
 上から覗くピントグラスは、もうそこにブローニーの原寸大ポジを見ているのと変わらないので、シャッターを押す前に満足してしまうことがよくある。
 こういう楽しさは、二眼レフ以外のカメラでは決して味わうことが出来ない贅沢な楽しみ。それもそのはず、撮影用以外に構図用に全く同じレンズがダブルで付いているなんて、なんて贅沢なカメラなんだろう。

 このカメラのボディは、フルダイキャストでしっかりして剛性も高いが、その分ずっしりとして重い。
 携行を考えたらブリキボディの正真RICOHFLEXのほうが軽くて絶対によい。
 本機にはセレン電池式の露出計が内蔵されているがライトバリュー値を読みとって手動で移行させる方式で、直接シャッターと絞りにリンクしているわけではない。
 製造後45年も経ているのでこの露出計は、あてにせず、いつも勘で露出を決めている。
 さすがにリバーサルを装填したときは、セコニックの単体露出計を持ち出すこともあるが、ISO100のネガフィルムを使う限りでは、1EV程度のズレは充分ラチチュードの範囲内で勘で撮ってもちゃんと写真なる。
 レンズボードの外に左右対角線上に付いているレバーがフォーカスレバーでこのヤジロベイレバーを上下に動かすとレンズボードが前後に移動し、ピント調整が出る。
 二眼レフのフォーカス装置は色々な方式があるがネックベルトで首から下げ、手持ちで使う場合、このヤジロベイ式は理に適っていてとても使いやすい。
 このカメラは、カビや曇りは無いのだが撮影レンズ側に相当深い拭きキズが何十本も付いており、そのせいと思われるがビシっとしたシャープな写真は撮れない。皆さんもレンズの手入れにはくれぐれも気を付けていただきたい。間違っても布等でゴシゴシなんて絶対してはいけません。


Ricohflex DIA Lの主な仕様
発売年度 1958年
レンズ RIKENON 80mm f3.5 3群4枚構成
シャッター SEIKO MXL B・1秒から1/500秒
大きさ・重さ 幅77・高さ207・奥行き101mm  1010g
発売時の価格 18,000円(ケース付き)
主な特徴

LV表示セレンメーターを装備、ライトバリューシャッターを搭載。

 

ネームプレートをはね上げると、露出計を作動させるためのセレン光電池の受光部がある。
下に見える矢印を伴った丸いノブは、セルフタイマースイッチ。

左上が巻き上げノブ、右下は露出計のメーター部。指針は動いているが測定値が怪しいので大抵カンで露出を決めている。

絞り羽根は5枚、ぼんやりと柔らかいボケを造ってくれる。

距離計の表示は、フィート目盛りのみ。昭和30年代、カメラはドルを稼ぐ最も強力な尖兵で、取りあえず国内ユーザーのことは無視していたのだろうか。

このカメラで撮って見ました。

モノクロ時代のカメラのせいか、色の再現はかなり渋め、リコーのレンズにしては、コントラストも
低めで眠たい絵になります。 やはりレンズのキズの影響しているのでしょうか。 このようなレンズなので、
女性のバストショットや古い町並みなどを、被写 体に選ぶと雰囲気のある写真にしてくれるかもしれませんね。

ややコントラストの強い風景を撮ってみましたが、アンダー部は完全に潰れてしまいます。
f11まで絞っているのですが、もう少し解像してもらいたいなぁ。

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