本格機械式時計セイコー・スポーツマン17石

前回、手巻き式機械時計の習作としていじってみた香港製の「Original」という時計が
ラッキーか偶然か、うまく動き出してしまったので、この勢いに乗っていよいよ本物の機械式時計の
復活に挑戦してみようと不動品の時計をヤフオクで探したところ、よさげな材料を見つけました。
「紳士用腕時計いろいろ4点 中古ジャンク品」というタイトルで出品されていたコレ↓



↑ この中の「・手巻 SEIKO Sportsman」というのがお目当て。
これが作動品だとトンでもない価格まで跳ね上がり必至ですが、
不動品ということで人気薄とみて3000円上限でビッド。
案の定、揚げ足は鈍くて716円でゲットできました。



↑ 届いたものがコレ。風防には小キズと小さなヒビがありますが
ボディのクロムメッキはまだまだ結構キレイ!
出生を調べてみると1964年製造の日本製セイコー・スポーツマン17石という
当時、学生や若い勤労者向けに作られた普及版の時計ですね。
誕生から、丁度50年、もう半世紀前の時計ですね!
あなたももしかしたら、当時、この時計のオーナーだったのではないでしょうか?
あの頃の時計って、17石が標準型でミドルクラスになると21石か23石。
高級機になると27石とか33石なんてのもありましたね。
いまでも不思議なのは、なんで時計に使われている宝石の数って
必ず「奇数」なんでしょ??? 偶数個つかっている時計をいまだに見たことが無い!
どなたか、この答えをご存知の方がおられましたら、ぜひ、ご教授を・・・・



↑ この当時の時計って、1、2年おきの分解調整が当たり前だったせいか
風防ガラス・裏蓋とも簡単に外せる構造で、整備性は最高。

↑ 裏蓋を外すとさすがに50年間のオーナーの汗と垢が淵にびっしりとこびり付いてますが
機械部は至ってキレイ。フレームにもギアにも錆ひとつありませんでした。
テンプに付いている早遅調整レバーもドンピシャど真ん中でセットしてありますね!
この時計の現状態は、ゼンマイが巻き切ってあってこれ以上巻けない状態で
一切の動きが止まっています。
テンプをつついてもまったく反応しません。完全に死亡している感じ・・・
見た目ではパーツの破損・欠損はなさそうなので、死亡原因はこれまた前回の香港時計と同様に油脂の固着と推理。

↑ 古い油が固着して機械部が動かなくなるって、カメラのシャッターと
同じですね。このあたりは昔、カメラを少しいじっていた経験と道具が役立ちます。
で、例によってベンジン風呂に一昼夜ひたってもらうことにしましょう。
今回は各部がビクとも動かないほどの固着なので、いつものベンジンは止めて
呉工業の「ブレークリーン」をビンに貯めて漬込んでみました。
このブレークリーンの脱脂効果って半端じゃありません。
もし、これで溶けなきゃ、死亡の原因は油脂固着じゃないかもしれません。

↑ ブレークリーン漬けで正解。
ご覧のように、とりあえずテンプが渋いながら動き始めました。
あとは、キックでバイクのエンジンをかける要領で少し気長に回転部にナジミをつけていきましょう。
だんだんと廻り癖をテンプに思い出せるようにキックを続けています。
すると、次第に動くことを思い出すのか回転が長く続くようになります。
こうなったらシメたもので、あとは「根気」でキックを続けましょう。
そして何百回目かのキック、とうとう連続回転を開始し始めました!
この瞬間がたまらないですね、まるで一度死んだ人の心臓が甦ったようで・・・

↑ こうしてボディやガラスのクリーニングも済ませ、実際に腕に装着してみます。
今は文字盤のでっかいビッグフェース時計が流行の頂点にありますが、
このスポーツマンも50年前の時計としては薄型のビッグフェース!
いま、若い人が腕に着けていたとしてもアンチックウォッチとは見えないモダンさがあります。
さて、次は国産時計のもう一つの雄、シチズンの手巻き式アンチックを開けてみたいですね。


2013.5.26

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