初めての女性用時計、セイコー・サルヴィア


セイコーの手巻き式女性用時計「SALVIA(1960年製)」がジャンク箱に転がっていました。
イタリックのアラビア数字でデザインされた文字盤はとても品良く美しい時計です。
これで男ものサイズだったら1も2もなく飛びつく時計ですが女物では・・・
しかし、やはりこの美しい文字盤にはこころ惹かれます。
こういう時には買わないで素通りすると帰ってから絶対に後悔するという
経験をもうゴマンと繰り返していますので、ここは女物という線は目を瞑って連れ帰りました。
もし、うまく動き出せば、アンチックが好きな女性に差し上げてもいいしね・・・



↑ 写真右は同時代のシチズン・ホーマー、男性用としては標準サイズのものです。
なので、このサルヴィアがいかに小型かお分かり頂けますでしょう。
左の金属ベルトはオリジナルのもの。前オーナーは相当に細身の人女性だったようで全周で15センチしかない。



↑ ジャンクの程度ですが竜頭のネジが巻き切ってあっての不動状態。
典型的な油切れによる停止状態ですね。
これは、揮発油一昼夜浸け洗浄とギア部の注油供給で90%は生き返ります。
運悪くゼンマイが切れている場合には、竜頭が空回りしますので
そのようなときは無理して突っ込まず撤退した方が賢明です。
1円玉との大きさ比較で、この時計のムーブメントの小ささがお分かり頂けるかと・・・
それでなくても小さなボディなのに、さらに機械部はチョコンと小さくまとめてある!
人間の叡智って、改めてスゴいものだと思います。
こんな小さなスペースに10数枚の歯車とゼンマイバネを仕込み
3つの針を正確に駆動させて時間を知る機械を作り上げてしまうんですから。
それも現在のようにエッチングによる精密加工が出来る以前の50年以上も昔の技術ですよ。



↑ さて、洗浄と注油を済ませて竜頭にチカラを入れてみますがやはり固まったまま動きません。
巻き切りは確かなようです。もし、サビ付きが原因で動かない場合はこの時点で動く気配を見せます。
今度はテンプを叩いてみます。はい、渋いながらも不安定ですが左右に動きます。
こうなったら、あとは根気の勝負、ゼンマイがある程度緩んでくる位置まで
テンプが止まったら叩く、止まったら叩くを何十回も繰り返してゼンマイを解いていきます。
こうして繰り返していくうちに止まる間隔がどんどん長くなってきて最後には
調子良く動き出すようになります。
この時計の場合には、100回以上は叩きましたが時間にして1時間強のお付き合いで動き出しました。
こうして、動き出したらあとはネジを巻かずにすべてのゼンマイ力を使い切るまで放置します。
で、止まったら10回転ほど竜頭を巻いてまた止まるまで放置。
これを三回ほど繰り返したら、最後はテンプ速度の微調整をして裏蓋を閉じます。

↑ ほぼ完全な洗浄とテンプ微調整が丁度いい位置でストライクしたようで
現在の日差は15秒マイナスくらいで動いてます。
手巻き式としては非常に正確!さすが腐ってもセイコーの時計です。
アップで見ても最初の印象通り文字盤の浮き出し数字のデザインがキレイ!
とても気に入ってしまったので、ベルトを男性用の長いものに付け替えて、いまボクが常用してます。


2013.9.3

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