Jean d'eveの電池交換を試みる

いつもヘンなモノや変わったモノを紹介されいる浜松の「お医者もできる手品師」のプー博士から
今度はなんとスイス製の独特な動きが特徴の「Jean d'eve (ジャンイヴ)という高級時計が飛んできた!


↑ 荷物に同封されたお手紙には
「現在停止中だが電池を交換すれば動くはず」むねが記されていた。
このところ、やけに時計に目が行って幾つかの安物古時計を
いじってみてはいるのだが、こんな高級時計は触ったことが無い。
さて、どうしようか・・・
今までに無知ゆえの暴挙が原因で死亡させてしまった数十台の
写真機の亡霊たちが天井の右隅からボクを見下ろしている。
「お前はバカか、いい加減に懲りろよっ!」というカメラお化けの大合唱・・・
写真機たちは自分で購入したジャンクものなのでグサッとやっても
ボクの後悔だけで済む話だけど、この時計はレッキとしたオーナーさまが
いらっしゃるので軽はずみな行動はできない。
そうそう、こういう時のためのインターネットじゃないの!
早速、「ジャンイヴ・電池交換」で検索、検索・・・
うぅ〜っ、さすがに高級時計、こんなのを自分で開けちゃおうなんて
勇気のある人は居ないようで、情報はからきしゼロだわ。
しかし、「ジャンイヴの調整や電池交換はぜひ当店へ」という
案内ページはいくつか出てきたがどれもみな関西以西方面の高級時計店だ。
こうなったら腹をくくって、また暴挙してみるしかないのか。
うわっ、緊張すんなぁ〜・・・



↑ この時計はいわゆる「こじり開け」タイプの裏蓋です。
このタイプは蓋の周囲を注意深く観察すると必ず「ここだよ」のほんの僅かな
こじり開ける隙間があります(そういう風に作ってある)。
しかし、このジャンイヴにはその隙間がどこにも無いっ!
唯一、リューズの真下にわずか2ミリほどの間隙がある(1)のだが
ここにコジリ(右にある刃の付いた道具)はリューズが邪魔をするので絶対入らない。
きっとこの時計はここを開けるための特殊工具があるんだね。

ということで、これの裏蓋開けは無理と諦めたんだけど
やっぱりこのヘンテコな時計の2本の針が実際に動いているところが
どうしても見てみたい。
そこで、結局やはり「暴挙」にでることにしてみました。
作戦は2の場所からイチかバチかでカッターナイフの薄刃を
徐々に差し込んでみようというもの。
もし、作業の途中でその薄刃が隙間にめり込んだまま割れたりしたら
一巻の終わりというハイリスクな作戦。



↑ 運良くというか幸いにもパックンという小気味いい音と共に刃も割れずに開いてくれました。
しかし、しかし、こんなことがあるのでしょうか!?
なんと、裏蓋と共に時計本体がごっそりと外れてしまったのです!
ぎゃっ、ギョッ、こんなことは初めてだわ????
こりゃ、もしかしてヤッチまったのか・・・な
あぁ〜と溜息して天井を仰ぐとアイツらがケラケラケラと笑っていやがる。
くっそ〜、カメラお化けめ!
さて、この状態からどうやって電池室までアクセスするものなのか。
裏蓋と本体部分はがっちりと固まったままです。
行くか・・・退くか・・・そこが問題だ。
ここで撤退して職人さんに委ねればこの時計は間違いなく息を吹き返します。
しかし、ど素人が深追いしたら・・・・

拡大鏡を片手に観察すること2晩。
裏蓋固着の原因はリューズのワッシャー部が錆びて裏蓋と癒着していることが分かりました。
錆をゆっくりゆっくり溶かしながら二晩かけて慎重に裏蓋開封に成功。↑
ここまで来れば90%作業は終了したようなものです。
あとは、この「315 RENATA」という電池を買ってくれいいだけ。
しかし、こんなタイプの電池は見たことないね、ちと心配だわ。

↑ 通常、時計用の電池ってダイソーで2個入りで105円で売ってますが
さすがにこのタイプの高級時計の電池はダイソーにはありませんでしたわ。
そこでヨドバシの電池売場に行ってみるとSR716SWという互換電池がありました。
さすがのヨドバシ、これでなんとかなりそうです。

↑ ハイ、ぴったり収まりましたよ!
さて、これで作動が始っているんでしょうか、電気時計は歯車とかが
動かないので裏返したこの状態で作動が確認できません。
ジグから外して5分ほど放置しましたらちゃんと赤針が五分ぶんだけ動いてました!
あぁ〜良かった、良かった、なんとかジャンイヴの電池交換は成功したようです。
いやぁ〜、久しぶりに汗かくほどの緊張しまくりましたわ。


2013.3.7

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