efke KB 25というフィルム

 かなりローカルな話題で申し訳ありませんが、先日、ボクがビックリした新聞記事を目にしましたので、ちょっとご紹介しましょう。
 それは、本の売れ行きを紹介した「ブックランキング・ベスト10」というよくある小さなコラム記事で、そこに「ジャンクカメラの分解と組み立てに挑戦!」という本がなんと、なんとベスト4にランクインされていたのです。実売部数こそ示されていませんが、4位というのはこの種の書籍としては凄いと思いませんか?
 この本は、主にジャンクカメラや安い中古カメラ・中古レンズを対象に、普通の工具を利用した分解と組み立ての方法や心得を具体的な機種を挙げて解説したもので、話題の小説や単行本に混じって、なんでこんなニッチな本が売れているのでしょうか、実に不思議です。

 古いカメラで写真を撮って楽しんだり、ましてや分解や修理をすることなんて極々少数の人の趣味だと思っていたのですが、これはどうもボクが勝手に思っていることで、実は相当な人数の人々が古いカメラに興味を持っていることがこのことで判ります。メーカーもユーザーもデジタルカメラ一辺倒の世の中だと思っていたのは実は正しくない認識だったのですね。
 しかし、この本を買うような写真やカメラの好きな人々は、当然、デジタルカメラも所有していると見る方が自然で、そんな人々がなぜ、銀塩に立ち戻ってくるのか、その動機は非常に興味のあることですね。


 たとえば、平成生まれの人達は写真なんてレンズ付きフィルムか携帯電話で撮るもので、カメラを所有するという感覚はサラサラ無いのでありましょう。そして、どちらも「自分で思うような絵」など必要とはせず、ただボタンを押すことで得られる絵で十分な納得と満足を得ているのでありましょう。しかし、カメラを自在に操作することで、光をコントロールして絵を造っていく面白さを知っている我々の世代は現在の状況に満足をしていないことの現れなのでしょうか。
 この記事は、局地的な新聞なので全国の平均値とはいいがたいのですが、もしかするとこの本は、トータルで10万部以上の売り上げをしているかもしれませね。この現象を業界の方々、とくに銀塩カメラのラインを捨ててしまったメーカーの関係者はどう見るのでしょうかね。技術といのは連続性・継続性のうえに成り立っていますから、一度切ってしまうとなかなか繋がっていきません。まして、昨今の所業は「売れない銀塩」に携わってきた人材をリストラすることを目的としているようなので、再生は無理でしょうね。
 そんなかで、先般、日本光学が古いカメラのレプリカを「技術の継承」を目的に再び作ったことは、広い視野に立った企業の姿勢を感じてしまいます。

 と、まぁ、いろいろな現象が日々起こっているさなかですが、商業的な数字で見ると銀塩関係の衰退は相変わらずで、感材関係の心配も依然として残っています。なので、今回も前回と同様に外国のモノクロフィルムをご紹介しましょう。
 タイトル写真でご覧頂いている「efke KB 25」というフィルムがそれです。efkeのフィルムはベスト判が国内で入手できますので、もうお馴染みのクロアチアのフィルムですね。さて、このKB 25というフィルムはその名称通りISO感度が25という低感度のフィルムで、実際の用途は広告に使う商品撮影に適していると思われます。その一番の理由は、微細な粒子を使用したことによるハイコントラストと滑らかな画像が得られることにあります。このフィルムをカメラに入れてスナップをして歩くのはシャッター速度がやたらと遅くなりますので、やや無謀と言えるのかもしれません。しかし、その使いにくさと交換に普段とは違う写真が撮れたりすることもあるでしょう。
 このフィルムは現在は国内の小売店で入手できませんが、「ネオパンF」が消えてしまった現在、なんとか買えるようになるといいのですが・・・。

 今回は、フィルムの粒状性をご覧頂きたいために、大きな画像を用意しました。落とし込みにお時間がかかると思いますが少し我慢してくださいませ。サムネイルをクリックしてくださいね。


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いかがでしたでしょうか、今回の作例はタイトル写真にある通り、
すべてペンタックスSPFに タクマー50/1.4で撮ったものです。
その昔、フジフィルムから出ていた「ネオパンF」の特性に
とても近いフィルムという感じもします。アンダー部での省略はFより強烈ですね。

2005.11.28

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