Canon FD58mm 1:1.2

キヤノンFL58mm・1:1.2レンズの絞り羽が固着している

 

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絞り羽に油が回ってしまい途中で止まって動かなくなってしまっているジャンクのキヤノン大口径レンズが転がってきましたので調整を試みてみます。

大抵のキヤノンFL・FDレンズは絞りまでは前からのアタックで到達できましたので、これも前から行くことにしましょう。
レンズを観察すると最前端のネームプレートリングにはカニ目穴はなく、しかし、フィルターネジに沿って付いているようなので、ここはまず円形のゴムブロックを用意して回してみることに・・・・。
このとき、プレートリングよりレンズの前玉の方が出っ張っていますので、写真のようなゴムブロックを使います。(テーブル座用としてどこのホームセンターでも売っています)3段あるレリーフリングのうち、中心部のレリーフをナイフでカットすれば、レンズ面に無接触で回すことが出来ます。

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プレートリングが外れると右写真のようにハッキリと分かりやすいカニ目の付いたリングが露出するのですが、これが外周と内周と2個あります。
内周にあるリングは前玉を固定しているものです。今回の作業ではこれを外す必要は有りません(赤矢印の方)。

緑色のカニ目リングを外して下さい、ネジ方向はこれまでのもの、すべて純ネジ方向です。

このカニ目ネジを外すとご覧の通り、レンズの前群と中群が一つにまとまってゴロンと外れてきます。
これで、一気に絞り羽のところにまで到達できます、簡単でしたね。

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羽はご覧のような状態で、かなり固い油で固まっています。たぶん、ヘリコイドグリスが経年で溶けて絞り羽にまで回ってきてしまったのでしょうね。
この状態で溶剤を用いて丁寧に拭き取ってしまうやり方でまずは作業を進めます。それでダメだと、反対側から探っていって絞りのブロックを取り外さないとと相当面倒なことになります。かといって、このままベンジンのお風呂に浸けてしまうようなアラワザはさらにヘリコイドグリスを全パーツに塗りつけるようなことになってしまいますので逆効果、ご注意下さいね。

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何度か繰り返し繰り返し油を拭き取っていきます。羽もだんだん綺麗になっていきますが、問題は動きなので、スムースに羽が開閉するようになるまで根気よく拭き取りを繰り返します。
機構部にまだ溶剤が残っているうちはスムースに動いても乾燥してしまうとまた渋くなったりしますので、ここは時間を掛けてしっかり検証しながら作業を進めます。

この乾燥までの待ち時間はけっこう暇ですのでこの際、ついでに前群中群の清掃もやっておくといいですね。
」の項で赤矢印のリングを外すと、前玉が外れてそれ以降のレンズをばらすことができます。ただ、光に透かしてみてまったくクリアーで有れば無理に開ける必要はありませんから。

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こうして油除去清掃が一応終了しましたら、この状態でカメラに取り付けてみて、絞り羽がセットした数値の位置まで絞られてシャッターが切れるか、何度もテストをしてみて下さい。
それでオッケーなら、外したレンズブロックを再度取り付けていきます。

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さて、この1964年製のオールドレンズ、一応実用の範囲にまで動くようになりましたが、どんな絵を作ってくれるのか、試写が楽しみなってきました、結果はもうしばらくお待ち下さいね。

2008.8.25

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