Contessa netel Piccolette

茫々たる解像に唖然
コンテッサ・ネッテル ピコレット

 

事の始まり

調整が狂っているのか

機械そのものが腐ってしまっているのか

茫々たる解像に唖然となる


もう何年も前、パーレットから始まったベスト判カメラの始祖達に興味を持ち、その姿から想像が出来ないほどの解像に驚き、元祖ヴェストコダックまで手を染めたのですが、チマタのウワサでは「その手はピコレットが最高よ!」と・・・・
しかし、その後、ピコレットとは縁が無くいつの間にかそのことすら忘れていたのですが、先般、中古屋さんで出会い頭に遭遇してしまい、気が付いたら小さなレジ袋に無造作に入れられたピコレットを手にして歩いてました。入手できたのは、オリジナルの1920年型コンテッサ製のもの、アイレス絞りが全面にダイレクトに付いている単玉タイプのほうです。


上の3枚はとりあえず、絵が出るかの試写で、フィルムも間に合わせの135をカットして入れたもの。
さて、コレには特別な作法でもあるのか、チマタのウワサとはあまりにも違う結果で、これから当分はこのピコちゃん相手にのたうち回ることになりそう・・・・・
フィルムは、135タイプのネガカラーをおよそ70センチほどでカットし、この写真のように裏紙に巻き付けて使ってみました。

ピンぼけの理由

ピントが合わない原因は何なのか、それを探るのにはまずカメラ本体裏側に付いている丸いプレートを外してフィルム位置に摺りガラスを挟んでフォーカスを調べることが必要なのですが、このカメラはサビ着いている上にまたその上から補修用のエナメルぶっ掛けられたようで、頑として回らない!
さて、どうしよう・・・・マイナスドライバーで少しコジって隙間つくってからCRCでも染み込ますか
でも、ここまで旧い写真機ともなると文化財っぽい感じもしてくるし、傷をつけるのはどうにも忍びないですよ。

しかし、このまま手を拱いていてもなんら前進しませんので仕方がない、変形断裂死亡というリスクを覚悟でチカラ技以外に方法がなく、万力とパイプレンチというおよそ写真機の整備には登場しないであろう道具を持ち出して癒着解消を試みました。


CRCよりも浸透力が強そうな潤滑材のWD-40をスプレーして待つこと1昼夜、ウレタンスポンジで両脇を保護しながら万力でくわえ、パイプレンチでそろりそろりとチカラを加えます。
その結果、まんま潤滑剤が一晩かけて浸透したようで、ゾリゾリといやな音を発しつつも分離に成功。
しかし、ご覧通り円形のプレートはデコボコになってしまいました。

深手を負ってしまいましたが、こうなればしめたモノ
早速、摺りガラスならぬ摺りプラ板をフィルム面に挿入してフォーカスを検証します。
なぜ、摺りプラ板かというと、ボディとフレーム枠の隙間はフィルムと裏紙の厚さ分のみしかないために1mm厚のガラス板が入らないためなのです。

この結果、とっても面白いことが分かりました
普通の蛇腹写真機はカチッと伸ばしたレンズを固定できるポイントがあってそこでレンズを固定して撮影しますが、この写真機ではそれが2段階になっていて、最初の抵抗が目一杯かかる位置があるのですが、そこで無限遠が出ていたのです。(1の位置)しかし、その抵抗がかかる位置にクリック感などはまったくなく、ただ何となく固くなってその位置で一旦止まるみたいな・・・・このあたりの曖昧さはぜんぜんドイツ製品らしくないいい加減さです。
そして、さらに引っぱり伸ばすと、そこでカチッとクリックがあってしっかり止まるのですが(2の位置)、その位置ではなんとマクロ領域(?)まで寄ったところでピントが来るように出来ていました。
つまり、最初に試写した絵はまさに「マクロ」のピント位置で無限遠の絵を撮っていたことになるのです。
いやぁ〜、こんな大昔の写真機で被写体まで最短20センチまで寄った絵が撮れるなんて、これはもうビックリです!

2度目の試写

またまた最初と同じように135フィルムを巻き付けて、一応、この辺が遠景でピントが来そうな所かなと、蛇腹を引っぱり出して撮ってみました。

朝8時頃のどん曇で、輝度が低い上に低感度フィルムを入れちゃったもんですから、絞りは開放まで開いてます、といっても開放でf.11なのですが
大体いいようなので、この感じで使うことにしてみましょう


↑これが最長に蛇腹を伸ばしたときのマクロな絵
この時で自転車のレフレクターからフィルムの位置までは約20センチほどでしょうか

これで50センチくらい、絞り羽は相変わらず目一杯開いていますが、この位置でもまだピントが来てますね。
案外、いい意味でピント位置がアイマイようです。

もし、皆様の中でこの写真機が手に入って、写してみたらボケボケのドロドロになってしまったとしても、それはその写真機が「正常」に働いている証拠ですからね、けっしてダメの烙印を押して捨ててしまったり、お飾りとしてインテリア小物などにしないで下さいね。

2008.9.3

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