KONICA Pearl II

忍者と刀

  忍者と刀・・・こう書いて時代小説や映画を連想した方は、実に”いい人”なのですが、頭の中で「Ninjya」と「KATANA」というふうな文字がポワァ〜ンと浮かんできてしまった人は年齢に関係なく”フリョ〜”です。
 そうです、もうお判りですね、「Ninjya」と「KATANA」といえばほぼ20年ほど前、フリョ〜の間で一世風靡したオートバイの名前ですね。

 片やスズキの意欲作、ハンス・ムートがデザインした「KATANA」、迎え討つは重量級の名門カワサキの「Ninjya」。両者一歩も引かず血みどろの戦いが勃発したのであります。この戦いに二輪界の両巨頭、ホンダとヤマハは手も足も出せず、だただた傍観するのみでありました。して、どちらが勝者になったのかといえば、共にがっぷり四つのまま優劣つかずで引き分けの様相。

 お互い、個性の塊のようなオートバイでそれぞれに美点があるのですが、私個人としては「Ninjya」の方に軍配を挙げたかったですね。
 それはナナハンという当時として最重量級のオートバイとしては革命的に操縦が易しかったからでした。大型のオートバイは、そのパワーもさることながら車体重量も半端じゃないので、乗り手がねじ伏せるような技量を必要とする物なのですが、この「Ninjya」というオートバイは、彼の方が操縦者より遥かにクレバーで乗り手はある程度、彼の能力に任せておけるのです。このコーナーはこう曲がりたいなとイメージすると、その次にはイメージしたとおりにトレースしてくれました。うぅ〜ん、こういう操縦感覚って今までになかったですね、まるで、クォーターバイクに跨っているような感じでした。

 それに引き替え、「KATANA」のほうは、デザインだけを見ると非常に先進的で未来を指向していたのですが、乗り味はナナハン本道そのもの!その上、エンジンのトルクが低回転から暴力的でグワワワァ〜ンと恐ろしいほどでした。SF映画にそのまま出しても違和感のない未来的スタイルなのですが、乗り味はまるで蒸気機関車のようにグイグイグイと押し出すような力強いゴツさがあり、そのギャップに違和感を感じましたね。
 よく「オートバイを運転して・・・」という言い方をしますが、オートバイという乗り物は「運転」するのではなく「操縦」するのもなのでありますよ。なので、常に操作技術を磨いている努力が必要なのです。そのあたりを勘違いして甘く見ていると大怪我をしますので、くれぐれも気を付けてくださいよ。


 さて、どんな世界や業界でも上の例のごとくライバルがいるということはお互いの向上にこの上なく良い影響があるものですが、今度は多少の勘違いをしても大怪我などしない「平和」な方の機械をご紹介しましょうね。それがこの「コニカ・パール」というカメラです。

 わたしは、とにかくこのスプリングカメラという形式が好きなんですね。理由は一にも二にも大きなフォーマットにも関わらず、小さく畳めてペッタンコになり、どこにでも仕舞って歩けるからなのです。
 スプリングカメラとの出会いは、もう、何十年も昔ですが、66判のイコンタが最初でしたかね。当時は35ミリ一眼レフの最も華やかりし頃で、こんな古臭い形式のカメラを持ち歩くのは気が引けるような雰囲気が充満していたので、人気の多いところでは出しませんでしたが、山に行ったりしたときはその圧倒的な解像力を密かに楽しんでいました。以来、このようなカメラを見つけるたびにコツコツ集めていたりしていたわけですが、製造年や製造国によって、かなり違った写り方をしますので飽きが来ないんですね。

 このコニカ・パールは昭和27年頃のカメラですから、スプリングカメラとしてはほぼ終盤で理想的な完成度を有しています。一番の大きな特長はユッタリとしたヘリコイドと連動する精密な距離計を装備していることでしょうね。これによって、絞りを開けた深度の浅い絵でも、ピント崩れを生じさせないで魅力的な写真にすることが出来ます。
 このカメラのライバルということになると、やはり同じく感材メーカーでもある富士写真工業の「フジカ・シックス」という以外にないでしょうね。年代的にはフジカ・シックスの方が後輩になるのですが、コニカ・パールの高性能を睨んで開発されたことに疑う余地はありません。
 まぁ、片やセミ判、もう一方はスクェア判とフォーマットに違いはあるのですが、史上最強のスプリングカメラであることには間違いなく、両機とも素晴らしいパフォーマンスを示してくれています。

 さて、私のところにある多くのスプリングカメラは目測機であり、またスプリングカメラとはそれが当然のごとくなのでありますが、このパールのように素晴らしい精度の距離計を与えられると、こうも尖鋭度の高い写真になるものかと感心してしまいますね。今回はその辺りを気にしつつご覧頂ければと思います。
 今回、使用させていただいたこのコニカ・パールは「Puppy's Island」をご愛読いただいている大分の「Feさま」からお借りしたものです。Feさま、素晴らしいカメラをご提供いただいたご厚意に感謝いたします、ありがとうございました。   

2005.8.3


コニカ・パールでの作例です

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いかがでしたでしょう、コニカ・パール。
絞ってコントラストをキリッと締めさせるのもいいのですが、
何と言っても開けたときの流麗さたるや・・・・!

では、また次回に

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