Mamiya U

かなり使い古された私のMamiya U、ゴミとの境界を彷徨っています。

 

藤原紀香さんより久本雅美さんが好き

 年齢を重ねとうとう焼きが回ってしまったようです。実に情けない失敗を繰り返しました。
 かなり前から捜していたカメラがやっと手に入ったもので、ざっと点検し喜び勇んで試し撮り。折良く同好の士のオフ会があり持参して早速撮影開始。巻き上げもスムース、シャッターも快調、そして被写体にも恵まれ現像を楽しみに帰途につきました。
 翌朝、少し早起きしていそいそと現像してみるとこれが何と素ヌケ状態! 1コマも写っていません。
「ギャ〜ッ、何じゃこれは・・・」と叫んでも後の祭り、折角のオフ会スナップがすべてパァーです。
 ちょうど現像が10本目を数えた辺りでそろそろ現像液を交換しなきゃなぁと思っていた所だったので、すっかり液の疲労が原因と思い込み、やはりこうゆうものはケチってはいけないなと反省しつつ仕方なく再度、近所を一周してまた1本撮り直し、今度は新品の液で慎重に処理。
 しかし、またしても真っ白しろのスッカラカン! ここまでやってやっとカメラを疑う始末、この脳天気のバカ親爺は救いようがありません。
 申すまでもなく、このカメラはシャッターが何と開いたまま固着していました。こんな事もあるんですねぇ、シャッター羽が開いたまんま固まっているのです。
 更に電子シャッターだったのでボタンを押すとカチャッ・カチャッとそれらしい音まで出してくれているのです。これにすっかり騙されてしまいました。
 いわゆる普通のカメラならいくら何でもシャッターが開きっぱなしなら裏蓋を開けた際に向こうが素通しで見えるわけですからどんな脳天気でも異常に気が付きますが、レンズ面をカバーで覆っているバリアータイプのカメラだと真っ暗ですから分かりません。

 というわけで、散々な目に遭わせてくれたイタズラ坊主が今回のテーマ「Mamiya U」です。
 前述のシャッター羽固着の原因は、ファインダーガラスの下に貼られたショック吸収用のモルトが経年で脂となって解けだし、羽に回っていたものでした。たぶん前の持ち主が久しぶりに持ち出し、一度レリーズしたところで脂に捕まって羽が開いたままになったのではないでしょうか。
 どうりでジャンク箱の中にあったわけです。
 脂が原因の固着と解ったので、これは何とかなるだろうと早速修理です。
 電子シャッターだし、機関部やレンズ部の部品も極めて少なくバラバラに分解するのも至って簡単。1個1個丁寧に洗浄して修理完了、電池を入れていろいろな輝度でシャッターを押すとちゃんと絞りが変化しています。
 よしよし、いいぞぉ〜・・・。
 メーターが正確に機能しているかは撮ってみないと分からないので、このまま使ってみることにしました。
 結果はご覧の通り、期待以上の写りをしてくれました。たとえ小さくてもセコールを謳ったレンズは伊達ではありませんでした。35ミリという焦点距離ですが周辺まで歪んだりダレたりせずにきっちり写っています。
 さて、このカメラのデザインですが、四角いボディシェルとレンズバリアーのお椀の形がどう見てもデザインの統一性を欠いていてオリンパスXAのような洗練されたデザインではありませんね。何だかバリアータイプのカメラが流行りそうなので社命を受けて急拵えしたような半端さが漂います。
 実はこの中途半端さが心に引っかかってXAよりも欲しかったカメラだったのです。
 何と云いますか完璧なものより何処か変だったり忌避されるようなものに心惹かれるひねくれた性格なんですね。変な理由付けですが、藤原紀香より久本雅美が好きといったようなニュアンスでしょうか。あっ、久本さんに失礼でしたね・・・。

 このカメラのプロフィールを簡単に紹介しましょう。発売年は1981年(オリンパスXAは79年です)、レンズはマミヤセコール35mm/f2.8で4群5枚構成。
 フラッシュを内蔵したため全体としてはXAにフラッシュユニットを装着したものより一回りコンパクトに仕上がっています。
 低輝度時シャッターが1/30秒以下になるとファインダー内に赤ランプと電子ブザーで警告してくれますがシャッターはロックすることはありません。ピント調節は最短で1mからの4点ゾーンフォーカス、ファインダー中にこの数値が出ればベストなのですがそのサービスは付いていません。 露出計はこの時代によく使われたCdsではなく一眼レフでも使われているシリコンフォトダイオードで測っているので応答はすこぶる早いです。その半面、レリーズ時に瞬間計測をしてしまうために露出を前もって固定出来る、いわゆるAEロックができません。
 そのせいかどうか、大きく操作しやすいフィルム感度設定レバーがちょうど左手中指の位置に如何にもこれを使ってねといわんばかりにセットされています。
 レンズバリアーの開閉は上面のスライドバーで行いますがこれが電源スイッチも兼ねていて、さらにファインダーにも遮蔽板がかかる仕組みになっています。これはとても良いアイデアでバリアーの閉じ忘れがありません。

 今回の作例ですが、「gosgo」は全周光での最短撮影距離です。プログラムEEなので数値は解りませんが当日の光量ではf.8くらいだと思います。セコールらしい空気感は出ているでしょうか。
「都会の狭間」は中間距離です。目測目盛りが3mまででその先は∞マークになってしまいます。このときの距離は約5m、これは迷いますね。無限にセットするには近すぎるような気もするし、ましてこの日はドン曇りで被写体も黒っぽい、となると絞りも結構開いてしまうでしょうから被写界深度にも頼れない、仕方なくカンで3mと無限の中程にセット。やはりうまくありません、少しずれていますね。このような場面ではやはり距離計があると心強いですね。
「トイレの手洗い」は人工光での最短撮影距離、鉢の底辺りで1mです。ここはとある飲み屋のトイレの手洗い場ですが20Wの蛍光灯1本のみの光量です。カメラの方では「こんな光量じゃムリムリ、フラッシュをセットしてくれぇ〜」と赤ランプピカピカ、ブザーがピーピーと騒いでいますがここはテストなので一切無視します。最長で1/8秒まで切れるのでしっかりホールドしていれば何とか絵にしてくれます。
「人力タクシー」は無限にセット、ここでコンパクトカメラの弱点がモロに出てしまいました。遠景の解像は全く良くありません。
「原宿もデフレ」は色味のテストです。総じていえることですがこのレンズは彩度が高く出るようなのでカラーで使う方が面白いかもしれません。

上の作例は、KONICA センチュリア400をLPL PRO現像キットで処理。Nikon Coolscan VIでネガフィルムを直接スキャニングした画像です。

 2003.1.30

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