LUBITEL 166B

安かろう悪かろうって???

 えぇ〜、よく巷では「ロシアものに填ると大変だよ、結構奥が深いから・・・」などと耳にしているので、なるべく近寄らないようにと注意はしているのですが、どうもねぇ〜価格が問題なのであります。安いですよねぇ〜どれも。
 中には「レニングラード」など、上等なプライスカードを掲げたものもありますが、総じて手の出しやすい価格のものが多いですね。
 というわけで、またまた価格に釣られて新宿のとあるお店から仕入れちゃった「ルビテル166B」です。
 ソビエトカメラ唯一の二眼レフ、お馴染みの全身ベークライト、自動巻止め、内面反射防止対策など気の利いた機能や装備は一切無し!それ故か小型で軽量、複雑な機構もほとんどないのでトラブル知らずの例のカメラです。
「ブリラント」をそっくりコピーした「コムソモーレット」(青年共産主義者という意味らしいです)から始まったLOMOの二眼レフの歴史からするとこの「ルビテル166B」は5代目に当たるカメラでもあります。
 レンズはT-22で75mm, f4.5、ちと暗いですが厳しいところではISO400だってあることだし何とかなるでしょう。

 私が購入したものは1987年製ですので紛れもないソビエトカメラですね。(記憶に新しいですが91年にソビエトは消滅してしまいました)
 中古品だとは思うのですが、オリジナルの元箱に入っていて、あまり使われた形跡のないビニールケースや取説、レンズキャップなども付属しています。
 粗悪な革で出来たストラップに至っては束ねられてビニール袋に入ったままでした。勿論カメラ本体も傷一つないのです・・・?
 ただそれぞれが封入されていたビニール袋の封が破れていたので新品でないことは判りました。お店で買ったモノだし、異常に安いとは思いましたが、ジャンクとは明示していなかったのでこのまま使ってみました。

 アリャラッ!
 結果は全てのコマがボケボケでピントがどこにも来ていません。このカメラは皆様ご存じのように焦点合わせは目測ではなく、上下のレンズが歯車で噛み合った前玉回転の距離合わせ連動なんですね。
 一応ルーペを覗きながらシャッターを切っていたので、こんなはずでは・・・???

 うぅ〜ん、そういえば去年読んだ陸雄さんの「ソビエトカメラ党宣言」にこのカメラについて触れた一文がありましたね。
 再度読み返してみましょう。するとやはり「値段からすれば当然だがピントがどうやっても合わない」「わたしのルビテルだけでなく撮れた写真はみなピンボケばかりみたいらしい。私もこれで非常に悩んだが、一つの解決法として、絞りを思い切り深くして・・・」ホンマカイナァ〜。
 しかし、ちょっと待てよぉ〜、私はブローニー判を使うときは深度がかなり浅くなるので相当に絞るクセがあります。今回も殆どが11以上に絞って使っていました。更には近接ならまだしも無限のポジションに於いてもボケボケなんです。これではいくら安くても使い物になりませんね。
 こんな粗悪なカメラなのでしょうか、ちょっと納得がいかないので調べてみましょう。
 考えられるのはレンズのセットミスか上下レンズの合焦距離の位置ズレなどが考えられます。
 合焦面に磨りガラスを充ててルーペで覗いてみると、ファインダー像と撮影面の距離の相関関係が全く一致していません。
「やっぱりねェ〜」幾ら何でもヒドイですねコレは!
 作りのいい加減さは世界一のロシアカメラとは聞いていましたがこうゆうことだったんですかねェ。
 メーカー出荷時点で最終検査とか品質検査なんてロシアでは存在していないのでしょうか?もっともそんな過程が存在していたとしても工員さん達にしたって、給料が欠配されたり遅配されたら、自分のカメラじゃないし、いい加減な仕事になるのも判らないではありませんが・・・(85年にゴルビーが書記長に就任して一気に開放政策を遂行したため、経済が混乱しましたねぇ、このカメラは運悪く経済混乱の真っ只中に作られちゃいました)。
 このカメラを最初に買った不運な人は最初の1本目で「こりゃぁ駄目だ」とすぐに投げ出した気持ちが分かります。このことが原因で安く売っていたのかなぁ〜?まぁレンズリングに付いているギアの位置を調整することで簡単に訳無く直ってしまいましたが・・・。
 陸雄さんは解放付近ではボケボケで周辺も流れると書かれておられますが、ちゃんと調整すれば「恐るべしT-22!」。絞りを開けてもピント面のシャープさは損なわれず、立体感もますます上等になります。
 折角こんなにいい素材を持っているのにソビエト崩壊の混乱に巻き込まれ、みんなで寄ってたかって駄目にしてしまったこのカメラは可哀想です。
 買った人にレンズ調整(ピント調整ではない)を要求するなど、ソビエトでは普通のことだったのでしょうか、ごく一般的市民にはこんなこと出来ませんよ!

2003.6.25

 

LUBITEL 166Bの作例です。

以下の写真は、Kodak E100VSをラボで処理。
モノクロはAgfa APXをミクロファインで標準現像したものを
Canon D2400Uでフィルムを直接スキャニングした画像です。

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