コムソモーレット

ああぁ〜・どうすりゃいいの、このワタシ

 団塊の世代(1946年から1950年辺りに出生した人々)・・・どなたが最初に使った表現でしょうか、現象を実に良く言い表した言葉であります。
 この現象は我が国のみならず世界的に当てはまるのは致し方のないことで、勝った側も負けた側も必死で戦争を生き延びてこられた人々にとって、心ならずも戦争の犠牲になり失われた多くの命を取り戻すかのように、あちでもこちらでも出産に次ぐ出産、一種の振り子現象だったのかも知れません。
 他国の事情についてはよく分かりませんが、日本に於いては小学校入学と同時に団体で物事に対処することを強制されましたね。(当事者である私が言っていることですから間違い有りません)
 そりゃぁそうでしょ、子供達がウジャウジャいるのですから一人一人が言っていることなどいちいち先生が聞いていられる訳がありません。こうなってはもうみんなまとめてオイッチニ・オイッチニでやる他はなかったのです。
 中学生ともなると悪ふざけがつい度を過ぎることもありましたね。八百屋の小せがれがイスの足をストーブで燃やしちゃったり、大工の息子の悪ガキが便所掃除を嫌って女の子を泣かしたり・・・ほとんどの悪戯は担任教師に露見しちゃいますがその場合でも必ず無関係の者を巻き込んだ「連帯責任」という罰を受けさせられましたネ。
「何で、このクソガキのために俺達がトイレットペーパー抱えて校庭10周も走らなければならないんだぁ〜」と13歳にして世の無常・理不尽ということを教え込まれたわけです。
 皆さん、想像が出来るでしょうか?1学年12学級、1学級に約60人、朝礼など校庭に3,000人以上の出来損ないが列んでいるのですから壮観だったはずです、わたしもズゥ〜ッとその一粒だったので俯瞰して見たことはないのですが。何処の公立学校も教室が足りずに理科室や図工室、果ては図書室まで潰して手当する始末。それでもまだ足りずに校庭の隅にプレハブ小屋がずらりと立ち並んだものでした。
 何たって昔の規格の教室に60人の生徒を押し込めるのですからそりゃぁもうギュウギュウです。 前列は教壇の真ん前、後列は後の壁にへばりついていました。
 災難だったのは背の低い最前列の子供達、立って授業をする先生を一日中見上げているのですから幾ら子供とはいえ、さぞ首の筋肉が疲労したことでありましょう。そのお陰かどうか未だに団塊世代は団体行動が実に上手です。
 週末ともなると大きな公園や植物園でAF一眼に白レンズの集団が講師らしき人に従って整然と写真撮っているでしょ、アレが団塊世代の人々です。

 さて、団塊世代と全く時を同じくして西の大国ソビエトで誕生したのが今回の主役「KoMcoMoleu」(1946年から1950)です。
「KoMcoMoleu」???「コムコモレウ」何ですかこれ?・・・ロシア語で「コムソモーレット」と読むらしいです。以前ルビテルの項で少し触れた例の「青年共産主義者」というヤツがこれです。
 この写真機の意匠構造がフォクトレンダー・ブリラントに瓜二つということに関しては、いろいろと取り上げられていますので、もうここでは触れないでおきます。
 それより何よりビックリしたのがこのT-21というレンズを通して定着される絵について。凄いですねぇ、ソビエト共産党中央集権万歳・日の丸お化け・センター命!ってな感じ。徹底して中央の解像だけしか顧みられていない!
「ねぇ〜、そこの端っこにいるアンタぁ〜、あなたも少しは写って見るぅ〜」なんて甘い言葉は一切無し!
「端っこなんか知らねぇよ、写りたかったら真ん中にオイデ」ってなもんです。
 上下左右の端はまだしも対角線上の四隅と来たらイメージサークル外です。
 凄い割り切り方ですねぇ、これがソビエトの人々の感性なのでしょうか、曖昧民族・日本人には到底出来ない芸当であります。

 ブリラントのパチモン???左端が御本家、順にオリビア(フランス)・コムソモーレット(ソビエト)・インカ(チェコスロバキア)
こうゆうプリミティブなヤツは大好きなのですが、コムソビッチだけは手に負えません。

 しかし周りをここまで犠牲にした分、真ん中に関しては物凄い切れ味!
 ここまで極分化されると「参りました、何も申し上げることはございません、あなた様の言うとおりにさせて頂きます。」と頭を下げざるを得ませんね。
 何処を撮っても何を撮ってもトンネルの奥から外を覗いているような絵になっちゃうんですが、このクセを利用する良いアイデアが私の硬くなってしまった脳ミソからは湧き出てきません、いっそのことお花畑にご婦人でも誘ってポートレイト三昧とでもいきましょうかと思っても今ではそのお相手すら調達できない!
 あぁ〜っ、もうどうすりゃイイの、このカメラぁ〜〜〜。

 今回、使わさせて頂いたこの写真機は、またまた「たかさき先生」からお借りした物で私の物ではありません。
 先生はこの写真機が大層お気に入りの様子。
 カメラアイ、撮影術、センスと三拍子が揃わないととてもお相手が出来ない写真機だと悟りました。
 先生、私のような力量無しには荷が重すぎです・・・「これくらいの玉で音を上げているんだったら、写真なんか止めちまえ!」・・・えっ、なにかおっしゃいました???

2003.11.10

 

コムソモーレットの作例です。

以下の写真は、アグファAPX100をエヌエヌシー社のND-76で標準現像処理。
キヤノン D2400Uでネガフィルムを直接スキャニングした画像です。

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