獅子や狛犬以外の狛動物たち


全国の神社仏閣には、そこの場所だけに由縁した固有の動物と縁を持っていたり
することがよくあります。そのような所ではその主役の動物が「狛」となっていることが
多いので、このコーナーでは獅子や犬以外の動物を専門に集まって貰うことにいたしました。
ただ、稲荷神社におわします「おキツネさま」は固有のカテゴリーと
みなしますので、ここではそれも外させていただきます。
みなさまのご近所で、「うん?これは!?!」と思えるような
狛動物が境内で遊んでおりましたら
ぜひ、こちらまでお知らせ下されば有り難く発表させていただいますので
よろしくお願いいたします。

熊本県・千光山生善院(投稿者:hotanさま
生息地:熊本県球磨郡水上村岩野3542番地

 去る11月4日、鹿児島県鹿屋市のかのやばら園に行く途中、寄り道をして、熊本県球磨郡水上村の猫寺に行ってきました。くまがわ鉄道終点の湯前駅から歩いて十分のはずが道を間違えて歩いて充分になってしまいました。
 「千光山生善院(通称猫寺)」寛永2年に人吉藩主相良氏によって建立された生善院観音堂は国指定の重要文化財になっています。
 いわれは、謀叛の疑いをかけられて非業の死を遂げた息子の後を追って死んだ母親の供養のために相良氏が建立したのですが、母親とともに死んだ猫が相良氏のもとに化けて出たため、息子と母と猫の供養のために建立されたとの化け猫伝説があり、こちらの方が有
名になって、猫寺と呼ばれるようになったようです。狛猫の奉納は昭和2年と新しく、セメント製に塗装してあるようです。


 これは化けて出た時の姿を写した本堂軒下の彫刻。評価はしませんが猫好きにはたまりません。 (hotanさま・筆)


 ↑えらくグラマーな化け猫ですね!生前は相当にオトコ達を悩ませたのではないでしょうか・・・・・。
 →の阿ちゃんなど、あの表情からはやっぱりネコって化けるのかと思ってしまいます、良くできてるナァ〜!(管理人)

 


2010.9.1

さいたま市:調(つき)神社(投稿者:minareliさま)
生息地:埼玉県さいたま市浦和区岸町3

 神社としては珍しく鳥居がありません。「調」とは「租・庸・調」の「調」で、伊勢神宮へ納める貢(調)物(みつぎもの)の初穂を納めた倉庫群の中に造営されたため、邪魔になる鳥居がないということです。また、調(つき)の名が、月と同じ読みであるところから、月の動物と云われた兎が神の使いとして崇められ、中世の月待信仰(月のもつ神秘に畏敬をなし、月の出を待って祈る信仰)の広がりと結びつき、江戸時代には月読社とも呼ばれていたようです。それで、狛犬ではなく兎になっていて、神社のあちらこちらに兎が見られます。(minareliさま・談)

調神社狛ウサギの評価
●狛犬としての仕事ぶり度 (だって、兎なんだもの)
●狛犬としての個性度   だって、兎なんだもの)
●癒され指数       だって、兎なんだもの)
●思わず笑っちゃう度   だって、兎なんだもの)
●奉納日 風化で文字が読めませんでした。
●作者名 風化で文字が読めませんでした。
●撮影機材 Panasonic G1


 このコーナーの記念すべき第1回目にご登場頂きましたのが、吠えることすらしない優しい動物の「ウサギさん」になったとは何とも嬉しいかぎりです。それも夫婦で子取りとはなおさら目出度い!minarekiさま、ご投稿をありがとうございました。
 しかし、このウサギたちは台座の御影石こそ新しいものの本人達は相当に歳を重ねていそうですね。奉納年が風化で判読できないと言うのはとても残念ですがこの正面に記した「氏子中」という草書体のスタイルはどう浅く見ても明治以降と言うことはなさそうですが・・・・。

 このコーナーではその動物の新旧や出来不出来は関係無しに神域で暮らしている石動物に焦点を当てていきたいと思いますので、みなさま、今後とも目に止まったものと出会いましたら、ぜひ、ご投稿下さいませ。全国には人知れずひっそりと暮らしているヘンな動物たちがたくさん居そうです。
 このページが下へ下へと伸びていくことを願っています、どうぞよろしくお願いいたします。(管理人)


この1対を「阿吽」にしていないところに
この作者の逡巡や思慮を感じますね。
きっと、そのあたりをどうするか
相当に悩まれたのではないでしょうか。
結果としては口閉で正解だと思います。
ウサギは鳴かないし、口開はやっぱり不自然ですもの。

2010.1.14

大牟田市:教楽来天満神社(投稿者:610さま)
生息地:福岡県大牟田市大字教楽来1114

 室町時代の狛犬が鎮座まします「教楽来天満神社」の急な石段を登ると二の鳥居の脇に狛犬さん1対と狛馬さんが1頭。手前のわんこも面白いのですがすぐ上の随身門の中には右大臣左大臣の衛門と室町の石造狛犬が待っているのであまりまじめに観察していません。腹を布で縛っているのはお祭りの襷とかではなく「櫟野石」を運搬したり村々の神社へ狛犬を運んだりの重労働の馬さんは腹に力が入って内蔵を傷めないように麻か木綿の布で腹を縛っていたようです。昔材木屋だったので山で腹を縛って材木を運搬しているのを見たような気がします。(610さま・談)

教楽来天満神社のお馬さんの評価
●狛犬としての仕事ぶり度 (この山郷から大牟田市の狛犬を止め処もなく造って運んだはずの馬さん)
●狛犬としての個性度   滅多に見かけないでしょ?)
●癒され指数       重たい石材を牽いてお疲れ様でした)
●思わず笑っちゃう度   アオよ、がんばったなぁ)
●奉納日 確か脇の大正11年の狛犬さんの直後ぐらいだった
●作者名 大物が目の前だったので・・・
●撮影機材 Pentax K-X


 このお馬像は可愛いですネェ、腹帯の描写も事情を知る人には落涙ものですね。お顔もおだやかな表情でとても癒されます。この子の奉納者はこのお馬の馬蹄さんだったのではでしょうかね、たぶん長年一緒に苦労を共にした相棒を失ったとき、その労を称えるためにこの像を寄進したのではないか、あるいはその関係者全員かな・・・・。いずれにしてもきっと心温まるような秘話がこの馬像の後には隠れていそうです。
 四肢が何かの事情で欠損してしまったのがとても悔しいですね。610さまが「
大正11年の狛犬さんの直後ぐらいとお書きですが台座の連アーチ型はかなり古いものに使われていますので、もしかしたら更に深い年代の奉納ではないかと推察出来るのではとも思ったりしました。(管理人)


2010.1.15

折角のこんな素晴らしい企画をご提示頂いたのに、
また今回も一人、予期せぬアクシデントで出遅れてしまった私・・・(涙)
「獅子や狛犬以外の狛動物たち」遅まきながら投稿させてくださいまし。
で、まず東京でパッと思い浮かぶのは、善国寺、毘沙門天の寅、
牛天神の丑、小野照崎神社の申かしらね・・・
やっぱ、動物は十二支が多いみたいね。
カメもあったけど、どっか行っちゃった。(汗)
善国寺の虎はHigemouseさんと重なってしまうので、
私の方は天現寺のでやろうかしら・・・。

牛天神:丑(投稿者:ebatomさま)
生息地:東京都文京区春日1-5-2

小野照崎神社:申
生息地:東京都台東区下谷2-13-14

  

天現寺:寅
生息地:東京都港区南麻布4-2-35

  

おさるさんに合掌されちゃうと、なんか複雑な気分になっちゃいますわ。
亀の狛犬(狛カメ?)って、どこかに居ましたよね。
たしか、ぼくも写真に撮ってきているはず
何冊も溜まってしまったネガファイルをガサガサして探してみましょ。(管理人)

2010.1.19

所沢市・多聞院(投稿者:度欲おじさん
生息地:埼玉県所沢市中富1501

 所沢多聞院に行ってきました。周りの風景とは似合わない立派な寺院でした。というのは、ここいらへんは江戸時代末期に開墾された新開地であり水田がなく乾いた畑と武蔵野の雑木林が交互に連続する地域で、それほど豊かとは思えません。しかし、江戸時代末期からサツマイモの栽培が盛んになり、「栗よりうまい十三里」といわれた川越イモの産地で、その時代に大儲けしたのでしょう。なお「十三里」は日本橋から川越までの距離で「九里+四里」をかけたものです。
 多聞院にはトラの形をした有名な神使以外にも入口と境内に小さいものがあります。まずは有名な虎をご紹介します。(度欲おじさん・筆)

多聞院の虎:度欲さまご自身の評価
●狛犬としての仕事ぶり度 ★★★★(口先を膨らまして威嚇しています)
●狛犬としての個性度   ★★★★★ (トラ型でした)
●癒され指数       ★★★(身代わり寅の人形はかわいい)
●思わず笑っちゃう度   ★★★(怖い顔にしてはちょっさとトンチンカンな受け答えでした)
●奉納日 慶応三年九月(1867年)
●高さ約75cm(台座含み)
●作者名 不明
●撮影機材 Panasonic GF1

+++彼らへのインタビュー+++
 この阿ワンコ(?)から話を聞いてきました。
度:「あなたはトラのような形をしていますが、『狛犬』じゃなかったんですか?」と尋ねると、こう返事がありました。
彼:「わしはトラである。トラの霊が宿っているのじゃ」
度:「え〜っ。何年前に生きていたトラの霊ですか?」
彼:「二、三千年前じゃ」
度:「え!桁数を間違えていませんか?日本にトラがいたのは数万から十数万年前のことでしょ。それ以降はトラは日本列島には住んでおらず、狼が食物連鎖の頂点にいたと学校で習いましたが」
彼:「うっ。トラと申したが本当は大型のヤマネコだったのだ。おヌシにわかりやすくトラと申しただけじゃ」
度:「ホントですかあ?野生のものは耳が丸いのですが、お耳の形が三角にとがっていますからホントは普通の猫じゃないんですか。それに、野生にしては耳が小さい」
彼:「これは、これは、まいったな。彫り師が動物にはあまり詳しくなかったからこういうデザインになってしまったのじゃよ」

吽のワンコからは何の話も聞かれませんでした。(度欲)


 うぅ〜ん、なんと羨ましいことよ!このように石像に宿っているタマシイと会話が出来たらどんなに素晴らしいことか・・・・。
 ボクも行く先々、出会う狛犬達にいろいろ聞いてみたいことがいつも山ほどあるんですよねぇ。(管理人)


このトラについて、こんな記事がありました。
「花の寺多聞院 柳沢吉保によって、祈願寺として建てられ多聞院。
武田信玄の守り本尊だった毘沙門様がご本尊です。
毘沙門様の化身の虎にちなんで、牡丹の満開のとき5月1日には
寅祭りが行われます」ということでした。

2010.2.22

天王寺区・大江神社(投稿者:SCRさま
生息地:大阪府大阪市天王寺区夕陽丘町5-40

 日本橋電気街から事務所にもどる道すがら、偶然の出逢いでございました。上町台地へ上って行く101段の階段があるのですが、そこを頑張って上がるとこちらの狛虎が鎮座する大江神社へと行き着きます。ちなみに、お隣は「愛染さん」で親しまれる愛染堂です。

 なぜ虎なのか?という疑問に正確な答えがどこ探しても見あたりませんがこの狛虎の奥に毘沙門天を祀るお堂があって信貴山の虎の様に虎は毘沙門天を護るとされているために虎なんだと解釈しています。
 古い方は300年くらい経ってると現場に説明書きがありました。虎ということで、阪神ファンが吽像を2003年(タイガース優勝年)に奉納しタイガースファンの間では有名な神社だそうです。 (SCRさま・筆)



大江神社の虎:SCRさまご自身の感想
●狛犬としての仕事ぶり度 ★★★★(古い方は300年一人でよく耐えましたということで)
●狛犬としての個性度   ★★★★(ほかにはあんまり見ない独自性から)
●癒され指数        (タイガースファンは癒されるのかも・・)
●思わず笑っちゃう度   ★★★(愛くるしいデザインで愛嬌たっぷりということで)
●奉納日 新しいほうは2003年・古い方は推定300年前と書かれていました。
●作者名 どちらにも記載無し
●撮影機材 RICOH GR-D2


 うぅ〜ん、頭が下がります。よくぞこんな異常な酷暑の中、101段もの階段を駆け上がり珍虎をGETしてくださいました。古来よりのが「阿さん」で一人で300年も頑張ってきた。それを見た虎ファンが「吽くん」を寄贈するなんて、良い話だなぁ〜〜。(管理人)


2010.9.1

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