東下で暮らしている狛犬達・・・23区外編

三鷹市

牟礼神社
生息地:東京都三鷹市牟礼2丁目6ー12

 日本の狛犬文化というのは600年くらい前に大陸から伝わって、当初はいわゆる「神殿狛犬」として、社殿の奥、一段高いところに居たものだ。これが段々庶民に近づき、社の参道まで降りて来るようになるまでにはそれからまた200年くらいの時間を要した。
 屋根のある社殿に居たときは、木製に彩色を施したり陶製の焼物だったりしたものだが、拝殿前や参道に出されてしまっては、木材や陶製では耐久性に乏しく、ここから自然と狛犬=石像という歴史が産まれてきた。
 それからというもの、この約400年間に全国各地の石工職人さんは互いに腕を研き、石材を吟味し、そして道具を工夫発展させ、みごとな芸術作品へと昇華させてきた。

 これまで、近隣県の社に出向き多くの犬達を見てきたが、今になって振り返ってみると、この昇華の絶頂期は関東に於いては大正の終わり頃から昭和の10年くらいまでだったような感じがしてならない。
 以降は戦時体制に入ってしまい、終戦までは奉納件数がガクッと落ちてしまったし、敗戦後も腕のいい職人さんが消えてしまったのか、ほとんど上等なものに会ったためしがないし、昭和も後半頃からはいわゆる中国製の大氾濫で、新規奉納犬はどこでもみな「同じスタイル・同じ顔」になってしまった。

 さて、くだんの牟礼神社であるが、こちらの参道手前にはいわゆる狛犬絶頂期を代表するような昭和八年犬がドスンと座っていた。
 生活中の姿を一瞬止めたような実在感、2頭の子犬の姿勢と位置、台座と像とのバランス、手球の限りなく正円に見えるノミ使いの冴え等々、まさに絶頂期を代表する傑作狛犬だ!
 我が家からここへ来るまでは、結構な距離だがこれほどのワンコに出逢えれば、そんな道程のことなど一瞬で忘れてしまえる。拝殿に正対し、この出会いのお礼を述べて辞そうとしたのだが、社の左右にも末社が二つあり、どうせならそちらにもお礼をと、まずは右側のミニ社へ・・・
 で、よたよた近づいて驚いた。おぉぉぉ〜〜、なんて可愛いんだっ、キミたちは!!!
 ここで本日のお宝犬と出逢う。遠目に見たら、まさに犬ではなくて小さな「痩せガエル」と見紛う姿。一応、台座にはちょこんと乗って入るが、大きさはなんとボクの手のひらに乗せられるほどに小さい!
 が、しかし、顔の表情や後ろ髪、尾っぽなどの彫りは大型犬となんの遜色も無く実に精緻を極めている。
 今までにも小型犬はそこそこ見てきたが、これほど小さい本石像のおチビとは初めて対面した。あまりにも小さくて台座には残念ながら生年月日や親の名前は刻まれていなかったが、相当な技術とセンスの持ち主には間違いない。
 あぁ〜、きょうはここまで来て良かった。君たちに遭えてとってもウレシイよ。もう、お腹いっぱい、胸いっぱい、実にいい日になったよ、きょうは・・・・。

牟礼神社、右側末社の小型犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 ★(小さいが堂々のお仕事ぶり)
●狛犬としての個性度   ★★★★★(小ささの妙)
●癒され指数       ★★★★★(何度も頭を撫でてしまった)
●思わず笑っちゃう度   ★★★(カエルみたいだしね)
●奉納日 
ーーー
●作者名 
ーーー
●撮影機材 コニカS3(ボクのS3はまだメーターが活きていて、といっても1段ほどズレるが、これらは指針を頼りにして撮っている)




日本の狛犬芸術が頂点に達したのが
この時代の犬達だ。


後ろから見ても、まるで黄金比率ともいえるような
完璧なまでの3段台座と犬とのバランス


名工 武蔵野町 境 小林留蔵師

遠目から見たら、痩せガエルかと・・・・

永きのお勤めで大分痛んではいるが
その都度、手当てされている様子
ちゃんと可愛がられているんだね
それにしても可愛い子たちだ!
何度も頭を撫でつつ、あぁ〜、別れがたい・・・・

2012.3.12

あきる野市

三島神社
生息地:東京都あきる野市戸倉414 (map)

 「map」をクリックして地図を表示し、つぎに「航空写真」にして引いてくると分かるようにもう奥多摩山域が目の前に迫るほどの結構険しい場所にある神社です。


 それほど急傾斜ではないものの参道の階段は延々と上へと続き、気温の高い季節に行くと息があがってきます。そろそろ休憩したいなと思う頃、上を見上げると案外大きな鳥居が見えて来ます。
 「おぉ〜、やっと来たか」と眼をこらすとその鳥居の両脇にいぬのようで犬ではないような、石ころのようで石ころではないような「むむっ!」の物体が眼に飛び込んできました。
 こうなると今までの疲労は何処へやら・・・・
 一気に駆け上ってその物体へと一目散。(右写真→)


三島神社、鳥居脇の狛犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 ★(もう隠居してもらってもいいんじゃないの)
●狛犬としての個性度   ★★★★(個性のカタマリ)
●癒され指数       ★★★★★(オタマジャクシの方を見ていたら泪が出て来た)
●思わず笑っちゃう度   ★★★(左の子に吊られて微笑んでしまった)
●奉納日 
ーーー
●作者名 
ーーー
●撮影機材 ミノルタ・α7700(35-70mm/f4)



鳥居の左側に居たハジメくん!
乗っているのは台座だったんだろうか
もうただ岩塊にしか見えない


こちらは右側に居た子
もう犬だか怪獣だかおたまじゃくしだか判らない
しかし、後ろ足らしき「跡」が僅かに残っていた
この風化具合、400歳モノだろうか・・・・


この子たちが現在は拝殿前で頑張っているが
こちらだって200歳近くは行ってそうだ

2011.10.24

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