ご近所散歩で出会えた犬たち・・・・・
 べつに遠っ走りなどしなくても、地元やご近所にあんがい隠れた名品が有る場合も多いものです。まずは足下から抜かりの無いようしっかり見ていきました。

大和・大黒天開運神社

生息地:
神奈川県大和市下鶴間2170

 鼻下に3対で刻まれたヒゲのせいでしょうか、この狛犬はなんとなくマンガチックに見えてしまいます。

 素材は真っ白な大理石風で、こんな石で作った狛犬も珍しい・・・。石目がぜんぜん見えないので、もしかしたら人造大理石(テラゾー)かもしれません。この素材はよく台湾製などのものに多く見るのでこの子たちももしかしたら海を渡ってきたのかも・・・。
阿吽の対になっていないのも、ますます中華系くさいですね、それに口中の浮き球も。

 

●狛犬としての仕事ぶり度 ★★(威圧感がないのよねぇ〜)
●狛犬としての個性度   ★★(ドラえもんっぽいかな)

●癒され指数       (子供たちは喜びそう・・・)
●思わず笑っちゃう度   ★★★★★(満点の自信、アリマス)
●奉納日 昭和56年10月2日
●作者名 ーーー
●撮影機材 パナソニックFZ20



屋根から落ちる緑青で球男くんの方が
汚れてしまっていて残念。

けっしてシャープなノミ使いではないのですが
そのことが返ってソフトで好印象になっているかも・・・。

2011.3.2

下溝八幡宮
生息地:神奈川県相模原市下溝1479番地

 参道の入り口付近に相当古い狛犬が一対、睨みを利かせています。石材への風化もかなり進んでいて吽クンの方は怪獣ゴジラのようになってます。

●狛犬としての仕事ぶり度 ★★
●狛犬としての個性度   ★★★
●癒され指数       ★★
●思わず笑っちゃう度   ★★★
●奉納日 ---
●石工名 ---
●撮影機材 EOS55(35-80mm)

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてもう一対は本殿の前にいます。これは阿も吽もなく同じお顔立ち。全体的にコンパクトでゴチンとした造りで個性的です。
 首に大きな鈴など付けられて、もうほとんど猫のよう・・・。左側の犬が踏んづけている子犬がひっくり返っていて、その表情が笑えます。たぶん、中国か台湾方面からの渡来犬ではないかと思います。

●狛犬としての仕事ぶり度 ★★
●狛犬としての個性度   ★★★
●癒され指数       ★★
●思わず笑っちゃう度   ★★★
●奉納日 ---
●石工名 ---

●撮影機材 EOS55(35-80mm)



町田天満宮
生息地:東京都町田市原町田1丁目21番地5号

 こちらは少し規模の大きい社で境内には計4対の狛犬と2頭の撫で牛が住んでいます。
 で、やはり一番いいのは一番お年寄りの1対。吽の方が親子なのですが、お顔が瓜二つでソックリ!

●狛犬としての仕事ぶり度 ★★★★★
 
(4対も居るので満点必至)
●狛犬としての個性度   ★★★
●癒され指数       ★★

●思わず笑っちゃう度   ★★
●奉納日 ---
●石工名 ---
●撮影機材 Pentax A3 (35-70mm)



古淵・鹿島神社
生息地:神奈川県相模原市古淵1−33

 どうです、この息子の顔をご覧下さい。この子、相当にヤンチャでしょ。ママも必死で押さえつけていますが言うこと聞かずに牙むき出して怒ってます。
 狛犬って石工さんの「キモチ」がストレートに現れる彫刻ですが、この作者、ちょうどご自分の子供に手を焼いていた時の仕事ではないかと想像しました。

●狛犬としての仕事ぶり度 ★★★★
●狛犬としての個性度   ★★
●癒され指数       ★★
●思わず笑っちゃう度   ★★★
●奉納日 ---
●石工名 ---
●撮影機材 Konica S-3



矢部・木曽箭幹(やがら)八幡宮
生息地:東京都町田市矢部町2666

 ここの犬たちはかなり古いもので風化も相当なレベルまで達しています。台座にも奉納年など彫ってあるのですが、判別できないほどに風化が進行していました。腕の削り方などを見ると、かなりの名人の作であることが分かりますが、あと10年保つかどうか・・・・。
 しかし、本殿右横に「対」にはなっていないのですが、犬の親子が戯れているブロンズがあります。これは全体のバランスや3匹の姿勢・表情など、彫刻作品として見られるほどの力作でした。

ブロンズ像の方で評価
●狛犬としての仕事ぶり度 ★★
★★
●狛犬としての個性度   ★★

●癒され指数       ★★
●思わず笑っちゃう度   
●奉納日 ---
●石工名 ---
●撮影機材 Panasonic C-D2200ZM



相原・諏訪神社
生息地:東京都町田市相原町1743

 どうですか、この立派な狛犬は!こちらは石の台座ではなく何と豪華な「獅子山」造りになっていなす。おそらく、私のご近所狛犬としては最高傑作と思われます。この像にはちゃんと「獅子は千尋の谷にわが子を落し、這い上がってきたものだけを育てる」というテーマまで添えられているデラックスなもの。制作年もかなる古くて慶應四年ですと!なんと、もう140年もこの子犬たちは崖を昇り続けている。

●狛犬としての仕事ぶり度 ★★★★
●狛犬としての個性度   ★★
●癒され指数       ★★
●思わず笑っちゃう度   ★★★★
●奉納日 慶應4年7月
●石工名 藤兵衛
●撮影機材 Panasonic FZ30



番外編(座間神社)
神奈川県座間市座間1-3437

 この神社は立派な表参道を通ってどん詰まりの急峻な階段をかなり上がったところにヤシロがある本格神社ではありますが、その参道を見張っている肝心の狛犬は昭和製の標準的なもので、あまり見所はないのですが、境内の片隅にそっと置かれた素朴な道祖神に心なごみます。
 もうほとんどノミ跡も消えかけようとしているほど古い石像の前に、これまた可愛い「鉾」が寄り添っています。
 このように創建の古そうな神社には、狛犬以外でも癒しの物件がポコッポコッとあったりしますので、必ず境内を一周して発見漏れのないよう心掛けています。

2枚目は、私自身が氏子である亀ケ池八幡宮(神奈川県相模原市上溝1678)で出会った陰陽石。ここの狛犬はかなり古いものと新しいものの2対があるのですが、大きな特徴が無いので写真はパス。
 このようなものを見るにつけ、昔の日本人は「性」を秘するものではなく大らかにし、豊饒を心から願ったことが分かります。

 



上鶴間・長島神社
生息地:神奈川県相模原市上鶴間本町9-17-32

 阿も吽も、強烈なタラコ唇。しかし、彫り方の線や仕上げがスムースなので、若犬の印象が強くしますね。子犬が母親のしっぽでじゃれているのが微笑ましくて、とっても優しい印象。ほとんど「威嚇」の仕事にはなっていない感じ・・・。

●狛犬としての仕事ぶり度 ★★
●狛犬としての個性度   ★★★
●癒され指数       ★★★
●思わず笑っちゃう度   ★★★
●奉納日 昭和32年10月
●石工名 厚木・加藤國蔵
●撮影機材 Pentax A3 (35-70mm)



町田・金比羅神社
生息地:東京都町田市木曽町1439番

 これ、どこかで見たようなお顔・・・・、そうだ、何となく人魚マナティーに似ていませんか?下でお乳をおねだりしている赤ちゃんもとっても可愛い!
 こちらでは、この初代(?)ペアと最近新しく参入して仕事を始めたペアがご近所同士で仲良くやっています。
 よく、神社によっては新しいのが来ると、古い方を外してしまう場合もあるようですが、どんなに傷んできてもやっぱり終生、社殿の前に居て貰いたいですよね。

●狛犬としての仕事ぶり度 ★★★(新旧含めたら、もちろん満点評価になりますけど、この古い方は優しさが前に出過ぎていて・・・)
●狛犬としての個性度   ★★★
●癒され指数       ★★★
●思わず笑っちゃう度   ★★★
●奉納日 ーーー
●石工名 ーーー
●撮影機材 Pentax A3 (35-70mm)


2009.4.25

長津田・王子神社
生息地:神奈川県横浜市緑区長津田7-5-34

 ここの狛犬は「阿吽」がハッキリしていません、2頭とも阿のような・・・・それでいて2頭とも顔がそっくり。おまけに子供の顔までママ・パパにそっくりということで、ここまでは少し遠いのですが取り上げることにしました。注目点は子供達と言うことで癒され指数がやや高得点。ふつうパパは大抵まりで遊んでいるんですが、ここのはふたりの子持ちという珍しいタイプ。

●狛犬としての仕事ぶり度 ★★(子守をしつつも仕事は果たしているようなので)
●狛犬としての個性度   ★★
●癒され指数       ★★★
●思わず笑っちゃう度   (子供の顔が親と瓜二つ!)
●奉納日 嘉永六年(1854)結構、古いものでした。
●石工名 ーーー
●撮影機材 ミノルタX-7(35-105)


2009.4.27

小山田・秋葉神社
生息地:東京都町田市下小山田町2559番

 町田の下小山田というところはかなり丘陵部の奥まったところで、市街地からは相当に離れています。その丘陵の奥深い場所でひっそりと小さなヤシロを護っているのが、このワンコたち。ところどころ風化による割れも進行してきていますが、オリジナルのノミの冴えはいまだ充分に鑑賞に耐えます。
 ここのみどころは親子獅子の子供の表情です。しっかり母を見つめて頼る姿は人の母子となんら変わるところがありません。
 それともう一つは表情豊かな毛並みの表現で、スマートな細身に絡み付くロングコートの毛扱いは素晴らしく、特に後ろから見た頭部のロングヘアーは阿さん・吽クンともゾクッとするようなエロティシズムさえ漂います。

●狛犬としての仕事ぶり度 ★★(子育て7、お仕事3くらいの割合と見ました)
●狛犬としての個性度   ★★★★(他と比べたら胴体の表現が細身で格別、後ろから見たときの色っぽさといったら、もう言葉を失うほど!)
●癒され指数       ★★★(なんだかわからないけど、やたらと人間臭さが表出していて気に入ってます)
●思わず笑っちゃう度   (エロっぽくってぞくぞくするのみ、笑いは出ません、ボクの場合)
●奉納日 弘化三年四月(1846)江戸の後期ですね、でもザッと160年は経過していました。
●石工名 亀次郎(江戸時代の職人さんですので名字は無く名前のみ刻まれていました。この亀次郎さん作品、ボクは相当に気に入ってしまいましたので、他のブッ犬も注意深く探していきたいと思っています)
●撮影機材 カラー:パナソニックFZ30

      モノクロ:ライカM4(小西六50/3.5)

 


2009.6.16

町田三輪町・熊野神社
生息地:東京都町田市三輪町1925

 ここのおヤシロの入り口には83歳になる立派な子取り・玉取りのペアが住んでいて、これはこれで出来・風格共に充分で鑑賞のし甲斐のあるものでした。
 ここは完全な村社でそれほど規模の大きい神社ではないし、そこそこ古い立派な狛犬も居るので神殿に心ばかりのお礼を投げ入れて帰ろうとした振り返りざま、社殿の左脇に何やら石の欠片のようなものが・・・・。
 近寄って、よぉーく見ると何と前任者かと思われる相当に傷んだ狛犬がポツンと放置されているではありませんかっ。台座からの身長はおよそ50センチほど、実にこぢんまりと可愛いワンコですが、その居姿は堂々としてかなり風化はしているものの充分な品格すら漂わせています。しかし、周りを見ても前に大黒様(?)のような像を従えて居るのみで相方の「阿」クンが見あたりません。もしかしたら対側にあるんじゃないかしらと、反対側に回ると居ました、居ました、それもたった一人で寂しそうに・・・・。おぉ〜、キミは何年ここに放置されていたんだい、長いこと可哀相に・・・・。お顔の約半分は風化で溶けかかっていますが、姿全体の印象としてはとてもバランスのいい出来の狛犬です。台座には微かに彫り込んだ文字も残っていて慎重に彫り跡を探ると字が浮かび上がってきました、「天保十四年ーーーー」とまではハッキリ読みとれます。そうだったのか天保の生まれかぁ〜・・・・天保といえば水野忠邦と言う人が庶民をガンガン虐めていた時代ですよねぇ、この狛犬もそんな庶民達が生活の平安を願って奉納したものかもしれませんねぇ。

 

社殿両脇に置かれた古い方の狛犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 0(もう、完全に現役引退してます、しかし、折角ならこんなに左右離さずに近くで一緒にしてあげないさい、可哀相に・・・・)
●狛犬としての個性度   ★★★★(まず「小さい」という点でとっても個性的!独断だけど)
●癒され指数       ★★★(この寂寞感というかポツン感は堪りません、涙すら出ましたもん!)
●思わず笑っちゃう度   (無理・無理・無理、とっても出来ません笑うなんて・・・)
●奉納日 天保十四年(1843年)かれこれ160年以上は経過していました。
●石工名 ーーー
●撮影機材 キヤノン・キッス3(25-80標準ズーム)

 


(1)

(2)

(3)

(4)

2009.8.3

町田南大谷・天神社
生息地:東京都町田市南大谷450

 そんなに大袈裟ではない町の外れにあるこぢんまりとしたお社の前にそのワンコたちは居ました。体躯の高さは70センチほどで、どちらかといえば小振りな方です。しかし、一目見たときの存在感はその小さな身体を倍以上に見せてしまうほどの印象を持って迫ってきました。
 なにより全体のバランスが素晴らしい!そして座ったカタチに独特の品格を備えています。座り方と前足の置き方から、江戸のものと確信を持ちました。

 

天神社の狛犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 ★★★
●狛犬としての個性度   ★★★(まず「小さい」という点でとっても個性的!独断だけど)
●癒され指数       ★★★(ウットリするようなカタチの
美しさはやはり見ていて癒されます)
●思わず笑っちゃう度   (この採点簿に「品格」の
コーナーがあれば間違いなく5点にしましたけど・・・)
●奉納日 文化十四年(1817年)
●石工名 ーーー
●撮影機材 キヤノン・キッス3(25-80標準ズーム)

 



文化十四年奉納ということは
やっぱり誕生から200年近くになる老犬でしたね。

200年を経過しているわりには破損・風化が少なくて
ノミ跡もしっかり残っていてとってもきれいな狛犬達です

どうです、この後ろ姿!
この作者が360度、スキのない作品を作ろうとしたことが容易に解りますね。

2009.8.22

座間・山王神社

生息地:
神奈川県座間市栗原中央5-30-15

 自分の家のご近所のお宮さんへは、ほとんど全てを踏破したと思っていたのですが、それでも地図や名簿から漏れていたりする小さな神社も幾つか有ったりして、完全に網羅するのはなかなか大変な作業です。
 まぁ、しかし、そういう地図からも漏れてしまうような小さな社を発見した時の期待感というのは、これまた格別なものがありますけどね。

 で、今回見つけた神社もボクの使っている地図では載っていなくて、偶然近くを通りかかった時に「あれっ、あそこの唐突にこんもりと有る森はお宮さん臭いな?」と近寄ってみたら見つけたというスタイルで、最近はこの「森」がヒントになって神社を見つけるケースがとっても多くなってきました。お社を取り囲んでいる「森」って、相当な樹齢の木々が多いので独特な高さを維持しているのでかなり遠くからでも目立つんですね。


 さて、今回のこの「山王神社」は下の写真でもお分かりのように、いかにも村社の趣きで小振りな神社でした。参道もコンクリートが入口から10m程打ってあるだけ、拝殿の左右に石灯籠はあるものの、ワンコの姿はナシ!
 普通はこの体裁では、「収穫無し」ということで、拝殿手前で一礼しつつ引き上げるのですが、最近は一応、境内をグルリと一周だけはするようにしています。
 それというのも、FBCさまがレポートしてくださった「海老名・正八幡宮」という神社では、ボクも初期の頃に探索しているのにも拘らず、あのワンコにはまるで気付かずに素通りしてしてしまった大失敗をしてしまったからなのです。なので、今では必ずご近所の奥さんに怪しまれつつも、その視線を無視して社の裏側までくまなくワンコを探して歩いています。
 で、今回はその努力がマンマ実って、拝殿裏に隠されていたワンコたちを見つけ出すことが出来ました。
 どんな理由で裏に引っ込められたのか、新参者が奉納されている訳でもないのにヒドい仕打ちに会ってます。みれば小振りではありますが、なかなかのできの良さです。お顔の端正さから想像すると明治はないかな、たぶん「大正犬」のような感じがしますけど、お誕生日も製造者の銘も不明なのが悔しいですね。
 少し引いてみましたが、このワンコたちの左横には大型犬のゲージらしきものも・・・・。この神社には生きたワンコも居るのかしら?
 このようにして古い犬たちが裏側や外れに打ち捨てられていることって結構有りますから、みなさまも探索の際は敷地内を一応はグルリと廻ってみて下さいね。

 

●狛犬としての仕事ぶり度 (こんなところに置かれたんじゃお仕事しようにもネェ〜・・・・)
●狛犬としての個性度   ★★(お顔をよ〜く見るとややマンガチックにも見えてきます、いっても80歳くらいでしょうかね)

●癒され指数       (このところ、個人的に小振りワンコに惹かれていますので・・・・)
●思わず笑っちゃう度   ★★(この距離だと向かい合って、夢中でおしゃべりに興じているようにも見えて微笑ましかったです)
●奉納日 ーーー
●作者名 ーーー
●撮影機材 キヤノンFTb(50mm
/f1.8, Tmax400)


この位置まで来て裏に何やら置いてあるのを発見

居ました、居ました!
しかし、なんでそんなに破損もしていなのに
裏に隠したんだろっ?


けっして大作ではありませんが
とってもバランスのいい姿勢の阿吽像でした。

2009.10.30

座間・日枝大神

生息地:
神奈川県座間市四谷479番地

 この世の中には古くからの芸術表現として「彫刻」とか「彫塑」というものがありますが、こちらが興味の対象としている狛犬達もそれらと同じ「立体表現」であることは変わりがありません。
 しかし、芸術としてのブロンズ作品など、いわゆる彫塑は材料となるものをどんどん「加え付けて(+)」形造るのに対し、狛犬などは天然の岩石の塊から「削り出して(ー)」形にしていくというまったく逆の作業をしていくことになります。
 ここに彫塑作品と狛犬との根本的な違いがありますね。ブロンズ像などは制作過程で何度でも納得が行くまで「盛り直し・削り直し」が赦されますが、岩石をコチコチ削いでいく狛犬ではたった一度のやり直しも利きません。
 で、結果としての作品を見比べると、ロダンさんでも朝倉文夫さんでも高村光太郎さんでもいわゆる芸術作品としての彫塑は万全のバランスを備えることになります。一方、狛犬の方はというと、すべてが一発勝負・一期一会の世界から生まれ出てきますから、中にはバランスを崩していたりディテールに矛盾を抱えていたりするものも出てきます。
 わたしが狛犬に惹かれる要因の一つがまさにこの部分で、一度の失敗も赦されない作業工程を経て産まれてきたその作品が持つ「際だった緊張感」に触れられる快感を味わえるからなのです。

 

●狛犬としての仕事ぶり度 ★★(まだ乳飲み子を愛子ながらのお仕事、まっことご苦労様です)
●狛犬としての個性度   ★★(耳の張り出しを小さくしたことによって、かなり擬人化されて親しみやすい印象が出ています)

●癒され指数       (文句無しに満点でしょ)
●思わず笑っちゃう度   ★★(吽パパに押さえつけられている子の恰好は誰が見ても微笑ましい・・・・)
●奉納日 明治三年二月
●作者名 末仙ーー(あとの2文字が判読不能)
●撮影機材 パナソニックFZ20


惜しいかな下顎が落ちちゃっています。
しかし、このママの表情は実に優しい・・・・!
長く垂らした後ろ髪や尾にも若妻の美しさが。

パパの右腕や坊主の後ろ足の抜き削りなど
まったく手抜きを感じないパーフェクトな仕上がり!
小さめにした台座からのはみ出し方も見事で相対バランスも
文句無しの作業ぶりです。

粘土や石膏で積層していく彫塑作品よりも
名も知らぬ石工さん達が何年も掛けてコチコチ彫り上げた
狛犬達の方が芸術度はぜんぜん高いと思って居ます、ボクは・・・・。

2011.2.10

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