神奈川の狛犬たち

真鶴・貴船神社
生息地:神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴1117(map

 狛

貴船神社のハジメ犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 (とりあえず現在は失業中ということで)
●狛犬としての個性度   ★★★★(お顔が残っていれば満点かも・・・)
●癒され指数       ★★(ソンキョのカタチがいいですよね、大好き)
●思わず笑っちゃう度   (顔を返せ!泣きこそすれ、笑ってる場合じゃない)
●奉納日 不明
●作者名 
さらに不明
●撮影機材 ミノルタ・ハイマチック7


プリミティブな江戸尾立系なので少なくとも250歳以上であることは確実か

どういうワケだかふたりともお顔の正面がキレイに削られてしまっている
コレ、明らかに人為的


なんでこんなことをされなければならなかったのか
せめてその理由だけで和尚さんに聞きたかったのですが・・・・

モリモリとした肉付けなど妙にリアルですばらしい仕上げ方

尾の形の造形にこの石工さん独特の意匠を見せる
ある意味で、尾の処理の仕方はその石工さんの「サイン」として見ることもでできる

2011.11.6

鎌倉腰越・小動(こゆるぎ)神社

生息地:神奈川県鎌倉市腰越2丁目9-12

 小高いところにある拝殿の裏へ廻わると眼下にはもう正面に江ノ島を望む海が拡がっています。下の写真はその場所から撮ったもので右下には腰越漁港が隣接していますね。なので当然のこと、漁師さん達の信仰を一手に引き受けていたお宮さんであることは自明です。
 ワンコ達もいかにも漁師さん達に可愛がられていることが一目で分かります。こんな手ぬぐいのホッカぶりをよく漁師のおじさんがしていますものね。
 台座には「土橋漁船」と大きく彫られていますが、地元の造船屋さんが願主となって奉納されたものなのでしょう。造形的に大きな魅力があるワンコではないのですが、この手ぬぐいのホッカぶりがヤケに似合っちゃって笑えました。ここの場合は、犬自身よりもそれを可愛がっている氏子さん方に星
★★★★★です。

小動神社の狛犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 ★★★
●狛犬としての個性度   
★★★★★(手ぬぐいの被り物にね)
●癒され指数       
★★★
●思わず笑っちゃう度   
★★★★★
●誕生日 不明
●作者名 不明
●撮影機材 ミノルタα5(35-70mm, f4)

2010.11.6

駒形神社
生息地:神奈川県足柄下郡箱根町箱根芦川290

 2007年の秋頃、品川の承教寺(じょうきょうじ)というお寺の山門入口に居た犬の像を見て以来、狛犬と言うものに興味を持ち、あちこちの狛犬を探し歩くこと5年、とうとう今回のこの箱根・駒形神社で地図に掲載されている地元・神奈川の神社の狛犬には99%会ってきました。今回が私が持っている神社資料での最後の狛犬。残りの1%は地図に載っていない神社か寺院で暮らしている犬だけ。(基本的にお寺までは探索コースに入れていない)なので、もしかすると探索漏れは5%くらいかもしれませんが・・・・。

 さて、この最後になってしまった駒形神社に居たワンコはラストを飾るに相応しく、完璧なるハジメ君でした。
 小田原から旧東海道を使い箱根山を登り詰め、頂上の足の湖畔に辿り着き、湖を右に見ながら歩き続け、やがて湖面の景色が消え、三嶋に向け下りかけるあたりにこの神社は有ります。足の湖畔にある超メジャーな「箱根神社」とはガラリ対照的にこちらは真の村社で人気も殆ど無し。私が訪ねた時も1時間くらいの滞在中、境内で見掛けた人影は若いカップルの一組だけという寂しさ。
参道前の赤い鳥居をくぐってまっすぐに進むと正面の拝殿手前に中型の古犬一対が居ましたので、歓んで近づきますと台座には「嘉永元年九月」と記されています。1848年の誕生、160歳ほどなのでそれほどの大年寄りではありませんが、この比較的寒冷な場所が彼らの体全体に古色蒼然たる苔の衣装を着せてなかなか素敵な風情なのであります。

 この狛犬の周りを寄りつ離れつ眺めたり見上げたり、はたまたしゃがみこんで年号の彫りなど仔細に観察していたら、その姿を「怪しいヤツ」と思われたようで社務所の戸が開き、ご婦人が今度はコチラを観察しています。
「やぁ〜、お邪魔させていただいております。通りがかりのものですが、参拝のついでに狛犬を見せていただいておりました」と挨拶を・・・・
 すると、「それはそれはありがたいことです、どうぞコチラへ、いま、お茶でも入れますから・・・」と、部屋に上げていただいた。

 嘉永元年のワンコについてその歴史などお尋ねしたら、実に丁寧にご説明くださり、このお宮が実は400年近い歴史が有ること、そしてもっと古い狛犬が他に居ることを教えてくれ、案内までしてくださった。
 それは「犬塚神社」と立て札が表示してある小さな小さなヤシロの左隅でひっそりと暮らしていた犬だ。


「もう、何回もの地震で転がってこんなふうになっちゃったんで片付けようかと何度も思ったんですけど、ココを何百年も護ってくれているんで、なかなか簡単にはねぇ〜・・・」と。
 遠目に見るとまさにもう岩石の塊のように風化してしまってはいるが確かに狛犬だっ、それも間違いなくハジメ犬。
 ここが元和年間(1614年)の創建と言うことをこの犬がまさに証明しているかのような存在でした。その他、このご婦人からは町の歴史や旧東海道のことなど多岐に渡り1時間以上もいろいろお話をしてくださり、多いに勉強をさせて頂きました。通りすがりの怪しいヤツにここまでご親切に扱って頂き、感謝感激です、どうもありがとうございました。

駒形神社のハジメ犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 ★★★★★(なんたって400年も仕事一筋でやってきたんだから)
●狛犬としての個性度   ★★(多いに融けてしまって個性が判別出来ない)
●癒され指数       ★★★(個人的に大好き)
●思わず笑っちゃう度   ーーー(無理!)
●奉納日 不明
●作者名 
さらに不明
●撮影機材 Canon SX130is


拝殿前の現役夫婦犬(嘉永元年九月誕生)

お顔の表情など全く判らないほどに風化している
犬塚神社を護っているハジメ君たち

一対が一つの台座の上に乗っているが、
片割れはもうまったく石の塊にしか見えない
ウラ側を覗くと、かろうじて犬の「後ろ足」
らしき彫刻が残っていた


唐犬ってどんなワンコでしょうね?
中国から来た犬だとすればチャウチャウ?シャーペイ?
ペキニーズ?パグ?・・・
どれもオオカミに勝てそうな感じがしないけど
ちなみにシーズーは中国語で「獅子」って書くらしい
まさに狛犬の原型がシーズーなのではないかと
近ごろでは思っています

2011.10.16

茅ヶ崎・常顕寺
生息地:神奈川県茅ヶ崎市萩園1441(map

 狛犬探訪の際、普段はほとんど寺院はカットして歩いています、理由は犬が居る確立が低いこと。しかし、百に一つ、いいのに当ることもあるので、一応、山門の前では参道を覗くくらいのことは欠かしません。
 今回の「
茅ヶ崎・常顕寺」も通りがかりに、ほとんど何の期待せずに入口からぬぅ〜ッと中を覗いて発見したブッ犬です。丁度、伽藍と参道の大掛かりな工事中で、伽藍はほぼ完成していて参道の造成をしていたため、この犬たちは石碑かなにかが立っていたであろう石台の上に向かい合わせで仮置きされていました。
 前足の突っ張り加減から遠目に見ても古犬であることは一発で分かりましたので、すぐさま飛んで行って仔細な観察を。ワンコ単体では何の記録も無いためにウジ素性が分かりません。元々載せられていたであろう台座を探したのですが、周りにそのような形跡のものはまったく無くて、誕生日や作者の手掛かりがナシ。お寺の関係者らしき人にせめて由縁でも聞きたかったのですが、居住棟もどこか分からず(まだ建っていない?)、今日にところは仕方なく観察と撮影だけ。
 その昔、「神仏混淆*」という政策がとられた際の名残が今に残っている古い寺院では稀にトンでもなく上質の犬を発見することがあるので、やはり寺院を無視することは出来ませんね。

*:日本固有の神の信仰と外来の仏教信仰とを融合・調和するために唱えられた教説。奈良時代、神社に付属して神宮寺が建てられ、平安時代以降、本地垂迹説(ほんじすいじゃくせつ)やその逆の反本地垂迹説などが起こり、明治政府の神仏分離政策まで人々の間に広く浸透した。

常顕寺のハジメ犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 (とりあえず現在は失業中ということで)
●狛犬としての個性度   ★★★★(お顔が残っていれば満点かも・・・)
●癒され指数       ★★(ソンキョのカタチがいいですよね、大好き)
●思わず笑っちゃう度   (顔を返せ!泣きこそすれ、笑ってる場合じゃない)
●奉納日 不明
●作者名 
さらに不明
●撮影機材 ミノルタ・ハイマチック7


プリミティブな江戸尾立系なので少なくとも250歳以上であることは確実か

どういうワケだかふたりともお顔の正面がキレイに削られてしまっている
コレ、明らかに人為的


なんでこんなことをされなければならなかったのか
せめてその理由だけで和尚さんに聞きたかったのですが・・・・

モリモリとした肉付けなど妙にリアルですばらしい仕上げ方
尾の形の造形にこの石工さん独特の意匠を見せる
ある意味で、尾の処理の仕方はその石工さんの「サイン」として見ることもでできる

2011.11.6


湯河原・素鵞(すが)神社
生息地:神奈川県足柄下郡湯河原町吉浜1047

神奈川でも最も南の端っこが湯河原というところ。この先はもう熱海に入って静岡県になります。
私の暮らしている街からバイクでガンガン飛ばしていっても悠に2時間は掛かるほどの距離です。
近隣の社寺からワンコ探しの旅を続けてきましたが、我が地元・神奈川は
もうそのほとんどを歩き回り、残すは県境に散らばっている20社くらいになってきました。
ということで、その県境の南端へ行ってみようと出掛けてきました。

ここは海岸線の国道(東海道)に面した小さな村社です。
こぢんまりとした拝殿の前には、チト場違いかと思えるほど素晴らしく出来の良い立派な
両子取りの狛犬が坐っています。
子に添えようとしている腕が浮いているポーズがこの石工職人のただ者ではない
技術を証明しています。また、顔の表情も独特!特に鼻のカタチは
ここでしか見たことがない素晴らしい意匠です。


 
台座には文政四年十二月と刻まれていましたので1821年生まれのワンコと分かります。
今年で190歳になる老犬ですが保存状態が完璧でほぼ誕生時と同じ姿で暮らしています。

さて、さらに奥へと進むと入口の看板の最期に書かれてあった「山ノ神社」という
小さな小さな石造りのヤシロが眼に飛び込んできました。
「うん、何だろうあの前に座っているチビたちは・・・?」
遠目にはカエルの対像かと思えたのですが、前にしゃがみ込んでよぉ〜く見ると、
なんとなんと、コレ、こま犬じゃぁありませんか!?


うわぁ〜、素晴らしい! きゃぁ〜〜、可愛い!! もう、言葉が出てこない!!!


軽く300歳くらいのワンコでしょうか。
口後の象徴化した巻き毛のデザインはまるで弥生式土器のごとき素晴らしさ。
また、阿さんの口開けはともかく、吽くんの歯の食いしばり方は尋常じゃないですね!
ご覧通り、身長30センチほどの小品なのですが、全身で阿吽を表現したこの迫力には
実際の大きさを越えた気迫の存在感があります。
この当時、この村の石工さんには「狛犬」というものの
形態に関する「情報」がどのように伝わっていたものなのか・・・・。
たぶん、何一つの資料もない中、すべてが暗中模索でギリギリの想像と空想を絞り出して
刻み込んだ渾身の作であったことは間違いないことでしょう。



背中にはおよそ20ほどの文字が刻まれていますが
かなり溶けだしていて判読が難しい状態です。
ただ左の吽くんの方にはぎりぎり「寛文元年」と
読めそうな文字が浮かび上がっていましたので
そうだとすると1661年ということになりますから
今年で丁度350歳ということになりますね。


日の短い冬場の日帰り行としては大磯・小田原と進んでギリギリの行程で
最後に辿り着いたヤシロでしたがこんなステキな犬たちに出会えて、幸せな一日でした。

素我神社の350歳狛犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 ★★★(よくぞ350年も・・・・)
●狛犬としての個性度   ★★★★(これ以上の個性は他に無いでしょ)
●癒され指数       ★★★★★(このヤシロに居た小一時間ほど、私は200%シアワセでした)
●思わず笑っちゃう度   ★★(カエルっちゃカエルのようでもありますが)
●誕生日 寛文元年(?)
●作者名 不明
●撮影機材 ペンタックスZ50P

2011.2.19

金山神社
生息地:神奈川県川崎市川崎区大師駅前2-13-16(若宮八幡宮内)

 なにやらオオヤケに晒してはまずいンじゃないかと思えるような危ないものが、境内のアチコチからニョキニョキ屹立しているンですよ、この「金山神社」というところは・・・・。
 でもって、肝心の狛犬はというと、社殿の端っこの軒下にほっぽりっぱなし状態でご覧の有り様!
 モノとしてはかなり歴史を積んでいるし、お姿だってどうしてどうしてなかなかのモノなんですけどね。
 しかし、この屹立物の魔除け効果にはどんな獅子犬も敵わないのか、「きゃんきゃんきゃんっ!」と負け声上げて引き下がっちゃったのであります。

金山神社の狛犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 (こんな隅っこで、それもソッポ向いているようじゃ、とてもとても仕事になってませんもの)
●狛犬としての個性度   ★★★
●癒され指数       
●思わず笑っちゃう度   ★★★(ニタリ笑いですけど・・・)
●奉納日 何だかアッチばかりが気になってメモしてくるの忘れちゃいました。
●作者名 
何だかコッチばかりが気になってメモしてくるの忘れちゃいました。
●撮影機材 Pentax A3 (35-70/f.4)

2009.4.10

身代り不動尊大明王院
生息地:神奈川県川崎市高津区下作延4丁目26-1

 ここのワンコはどうしたわけだか二人揃って寄り添っちゃっています、それも中途半端な場所で・・・・。よほど仲の良い夫婦なんでしょうね、ママは一人っ子をシッカリ抱いて、パパは定番のボール遊び。
 こちら、ぺったんこなパパの顔がイカしてます。巻き毛の彫り方も立体感がみごと。台座を見ると「石匠 慶雲」と彫ってありますが、私の家の近所を含めてこの内藤慶雲と言う人の作品はやたらとたくさん発見できます。明治時代の石工さんらしいですが、そのどれもが一級品です。

大明王院の狛犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 ★★(とにかく狛犬として出来がすごいが、イチャイチャしているので1点マイナス)
●狛犬としての個性度   ★★★
●癒され指数       (顔が怖いからまったく癒されませんが、寄り添っているという他にない点を良しとして1点だけあげる)
●思わず笑っちゃう度   ★★(いくら睨みをきかせてもマイホームパパじゃ笑っちゃう)
●奉納日 ーーー
●作者名 内藤慶雲
●撮影機材 Panasonic C-D2200ZM (Tmax400)


2009.4.29

武蔵中原・大戸神社
生息地:神奈川県川崎市中原区下小田中1-2

 ここまでに随分多くの狛犬を見せていただきました。その多くは
 ひとりジッと佇んでいるのや
 こどもをあやしている微笑ましいのやら
 はたまた球で遊んでいるのやら
 と、有る程度の「定型」があることが分かってきました。しかし、この間、出会ったこのブッ犬は、なんとも物騒なのであります。ご覧の通り、タマは玉でも「球」じゃくて大砲の「弾」で遊んでいるの!?こんなの初めて・・・・これには弾げた!
 阿吽とも砲弾を抱えていてその砲弾には「日露戦捷紀念」と刻まれています。そして台座に刻まれた願主(奉納者)さんは、この村からあの戦争に出兵して無事に戻られた12,3名の方のお名前が・・・・。日清・日露と立て続けに外国と戦争して勝ったことがよほど嬉しかったに違いない。こうして日本はどんどん突け上がって行っちゃうんですねぇ。しかし、戦後の占領軍はよくこれを見逃してくれたなと・・・横須賀あたりの石造ブツには、けっこう気に入らない部分を削り取ったりしたものがありますので。

大戸神社の狛犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 ★★(なんと言っても火薬が一杯詰まった大砲の砲弾持って脅しをかけているんですから・・・・)
●狛犬としての個性度   ★★★(これ以上の「個性」を探すのはとっても難しい!)

●癒され指数       0(!)
●思わず笑っちゃう度   (コレがスゴイのは、ご丁寧に砲弾の裾に金属のワッカがはまっているです。コレ、どうやって巻き付けたの?考えると眠れなくなっちゃう!?!)
●奉納日 明治四十年十月
●作者名 松原延大
●撮影機材 ミノルタ・α5(35-105mm)、Lucky SHD100




 

2009.6.13

川崎・稲毛神社
生息地:神奈川県川崎市川崎区宮本町7-7

 右の1枚目の絵にある看板、字が小さくてゴメンナサイですが良く読んで下さいね。「上半身についてお願い事のある方は右の狛犬を、下半身についてお願い事のある方は左の狛犬を撫でてからご参拝下さい」ですと!
 こう言われてしまってはボクの場合、脳みそ萎縮して物忘れが激しいし心臓だってアチコチ問題だらけ、そりゃぁ〜当然「ミギ」のワンコにおすがりしようと思ったのですが、4枚目の絵にある屹立ぶりを見て思い直し「ヒダリ」側のワンコを撫でてしまいました

 あぁ〜〜、この煩悩、一体いつになったら治まるのやら・・・。
 ちなみに、こちらのお社のスグ横はあの「川崎・ホリノウチ泡国地帯」です。

稲毛神社の狛犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 ★★(なんたってブロンズ製ですから、黒光りもしちゃっているし!)
●狛犬としての個性度   ★★★(劇画的とも思えるほどの迫力だし、オオカミのようでもあるしね)

●癒され指数       0(女子の場合だと癒される人もいるかも・・・アレ、見て)
●思わず笑っちゃう度   (まぁ、嫉妬の苦笑いが・・・)
●奉納日 平成3年2月17日
●作者名 藪内佐斗司
●撮影機材 ミノルタ・α5(35-105mm)、Lucky SHD100


 平成3年製ということは、この「狛犬のキモチ」で採り上げるブッ犬としては最も若いものになるでしょうね、こちらでは古いものばかりではなく、新しいものでも「それなりの価値」があるものであれば、どんどん掲載していきたいと思いますので、みなさまよろしくお願いいたします。
 しかし、それにしても川崎という所は下にあります「金山神社」共々、おいしいブッ犬の多いところでございます。



こちら、天を担当しているワンコで上半身悪い人用


こちら、地を担当しているワンコで下半身悪い人用
アナタの場合はどっちですか?


立派に屹立したイチモツの先っぽがヤケに光り輝いている
相当な人数の善男善女にネンガラ撫でられているんだろう
それでは小さくなる暇も無かろうに・・・・

2009.7.9

青葉区荏田・剣神社
生息地:神奈川県横浜市都筑区荏田東4丁目11−3

 1枚目の写真はこの「剣神社」の入口で、いま私が写真を撮っているのはもう道路に面した位置からです。この道路というのがいわゆる昔の「鎌倉街道」で道路としての歴史は800年くらいあるわけですので、この神社の歴史も相当に古いのではないかと踏んだのです。
 ご覧のように参道の入口に、もう堂々とした子取り玉取の夫婦が番をしていて、これですら取材対象としても成り立つほど「いいもの」なのですが、一応せっかくですので拝殿前まで行ってみましょうね。
 結構急でやや長い階段を息を切らしながら上がって行くと徐々に拝殿が見えてきます。そして登り詰めて行くと「うぅぅ〜っ、残念!拝殿前には狛犬が居ない」。とにかくココまで登ってきたのですから、鈴を振ってお参りだけはして帰ろうと振り返った瞬間、眼に飛び込んできた光景が2枚目の写真。
 なんだか階段の影に石の塊のようなものが・・・・?「あれっ、もしかしてコマイヌ?!」
 で、すすすっと走るようにして近寄ってみると「おぉぉ〜、なんと痛わしい!」
 ほとんど石に戻りかけていますが、紛れもなくコマイヌです。うわぁ〜、よくこんな姿になるまで可愛がられているものです。大抵はここまで崩壊が進んでしまうと神社裏に捨てられたり、悪くすると廃棄されてしまったりするのですが、ここのワンコはこの姿になってもなお、立派にお仕事を。
 これは宮司さんを始め氏子衆の総意でこの古い狛犬を大切にしているのでしょうね、いやぁ〜、ちょっと感動してしまいました。

 

剣神社の狛犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 ★★(この姿になってまでも、まだ頑張る、あぁ〜なんと健気な)
●狛犬としての個性度   ★★★(これを個性といってどうか、しかし、この姿、脳裏にベッタリ着いて離れません)

●癒され指数       (ボク個人はこのようなものだと癒されます)
●思わず笑っちゃう度   0(無理無理、とても笑えない!)
●奉納日 文久二年八月(1862年)
●作者名 残念ながら石工名は何処にも見あたりませんでした
●撮影機材 Panasonic FZ-30



入口には結構良いワンコが座っています
昭和23年10月7日奉納・石工:大木石材店と刻まれています


帰ろうと振り向いたときに見えたのがこの光景
右側の方は石の塊のようで、この位置からでは何だかよく分かりません


この崩壊の仕方は風化でしょうか
それとも震災によるものか、このあたりでも震災の揺れは相当なものだったらしい
文久二年の文字が読みとれますから、台座と犬が同期のものなら
およそ150歳のワンコということになりますね


ここまで崩壊が進むと、観察者は相当な「想像力」を
使って鑑賞することになりますね

2009.8.30

磯子区杉田・八幡神社
生息地:神奈川県横浜市磯子区杉田5-2

 この八幡さまは住宅街の中に混じっていて、周りには鎮守の森や木立などぜんぜん無くて、いかにも都市の中のお宮さんなのです。参道の入口に立って約100m先にあるこぢんまりとした拝殿を眺めると、周りはコンクリートでキレイに整備されていますし、お社自体も結構新しくて、ぼくら狛犬探しをやっている者には、その第一印象は「わっ、外れ!」なのであります。 このような場合は境内の横っちょや裏側に古いブッ犬がうち捨てられている場合がありますので、第一印象で外れと思っても諦めずにそういうもの目当てで探索します。で、参道を進みながら50m、30mと近づくにつれ、拝殿の前に犬が居ることが見えてきますが、どうも様子がヘンです、明らかにフツウのワンコでありません。
 「うん?なんだこりゃ・・・!?」と訝しがりながら徐々に接近すると「おぉ〜〜、これは!?」と、思わず飛び上がりそうになりました。うわぁ〜〜、この座り方、お顔のカタチ、毛並みの彫り方・・・・すべてに古代犬の要素を持っています。久しぶりに遭遇した古いワンコですっかり舞い上がってしまいました。2頭とも仔細に観察し、台座などもよく吟味しましたが、この犬の場合はすべての情報が彼らの背中に付いていました。300年以上経つ古い狛犬では、年号・由縁などが大抵の場合、躯の一部に刻まれていることが多く、この犬たちの場合もすべての文字は背中にありました。
 この写真からは見難いのですが、奉納年月は「元禄五年正月吉日」といまだにしっかり読める文字で刻まれていました。元禄五年は将軍・綱吉の頃、1692年ですから、ほぼ320年前に誕生した犬と言うことになりますね。
 今までに私が直接探索したもので、はっきり誕生年が分かっている狛犬の中ではコレが最古のものになりました。まったく予備知識もなく地図のみを頼りに捜した神社ですが、思わぬ「特急品」と出会えて今日はラッキーな1日になりました。

八幡神社の狛犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 ★★(320年という歳月の重みは計りしれません)
●狛犬としての個性度   ★★(今となって絶滅危惧種にしたいほど数が減ってしまった個性溢れる古代犬です)

●癒され指数       (ゆうに1時間近くこのワンコと対話させていただきました、ホントに至福の時間です)
●思わず笑っちゃう度   0(お顔などユーモラスなんだけど、たっぱりとても笑えない・・・・)
●奉納日 元禄五年正月吉日(1692年)
●作者名 石工名は何処にも見あたりませんでした(300年以上のムカシ犬にはほとんど石工さんの「銘」が彫ってあるものって無いですね。
●撮影機材 ブロニカS-2(ラッキーSHDフィルム)


 古い狛犬と出会ったときに、明治・大正時代のものだと古さの程度がピンと来ますが、それ以前の「年号」だと実にあやふやになってしまうんです、ボクの場合は・・・・。
 そこで、西暦と和号を並べたこんな小さなカードをパスケースの中に入れて持ち歩いています。これを見れば西暦から引き算でどれくらいの古さか一目で分かりますので便利なんです。




近代になってくると狛犬の「由縁」などは台座に彫られることが
ほとんどですが、300年以上昔の古代犬では
その躯の一部に刻まれる場合が多くありますね。

2009.9.10

川崎麻生・九郎明神社
生息地:神奈川県川崎市麻生区古沢 172

 もう午後の2時近くになって仕事のけりがついたので、あまり遠くは行けないけど近場なら3,4軒のお社を回れるかしらとお隣の川崎市の地図を片手に小田急線沿いに上がっていきました。
 区域名で言うと川崎市麻生区の界隈、このあたりはどっぷり古くはないけどそれでも150歳前後のわりと綺麗な風化していないものが多くあります。しかし、ギョッとするようなインパクトのあるワンコではなく比較的おとなしめでお利口そうな犬で、記録価値は充分ですが、このページに紹介して相応しいとは思えないようなものばかり・・・。
 やはり予想通り4軒回って時計は4時半をすこし過ぎたところ。やや物足りない・・・・しかし、10月のこの時期はこのくらいになると太陽と競争するようにどんどん陽が落ちちゃう。
 帰りがけの駄賃にもう1軒見て、それで今日は諦めましょうと向かった先は古沢地区にある「九郎明神社」というおよそ小さな村社です。

 小田急の線路沿いからは、西に向かってかなりの丘陵を登っていきます。やがて人家もまばらになるほど登ったそれこそ道幅が2mもないような畑道をそれたところにこの神社ありました。
 参道だか農道だか分からないような曖昧な道を数十メートル登り詰めるとささやかな拝殿に突き当たります。門とか鳥居のたぐいは何も無し、いきなりの拝殿が表れたので「あぁ〜、ここまで登って残念、スカかっ!」と一人ごちたそのとき、ヤシロの左側に小さな石のブロックが2つ見えます。しかし、もう陽はいつの間にかとっぷり暮れてしまってあたりは相当に暗い。慌てて近寄ると居ました。居ました、スゴイのが。
うわっ、うわっ、こりゃいいわ、こりゃスゴイ、犬そのまんまだわ!
 
 しかし、しかし、もう撮影に耐えられるほどの輝度はすでに無く、仕方なくフラッシュを光らせて1枚撮るも、どうにも納得がいくはずもなく、これは潔く出直しを決めて本日は撤収ということに。これほどのブッ犬ですから再撮は当然ですものね。
 ということで、その週の休日に朝一番で駆けつけました。

九郎明神社の狛犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 (ご覧の通り、お社の横っちょに繋がれちゃっているし、風貌もまったく「威嚇」なんてしてないし・・・)
●狛犬としての個性度   ★★(狛犬じゃなくてイヌですもん、完全に!)

●癒され指数       (これは堪らないです、一分凝視しているだけで、自然と涙が落ちるほど・・・)
●思わず笑っちゃう度   0(無理です、笑うのは)
●奉納日 明治十年九月
●作者名 ーーー
●撮影機材 ミノルタ・アルファ5(35-105mm)



フラッシュ使うも不納得の結果は見え見えなので、再度出直しに決定

こんな感じのおよそ期待の出来ないお社だったのですが
居たんですよ、ここに彼らが・・・
分かりますか、この上の写真の左側に二つの小さなブロックが有りますでしょ
その上に乗っているんです、このワンコたち


この絵が撮りたくて再撮に来ました
小さい作品だけど、毛並みの段々など細部にまで拘っているんです
阿さんの方の台座には「天下泰平」、吽さんには「三鼓成矩」という四字熟語が


震災のせいか、阿さんは胴体が真っ二つに割れて修理されていますが
その修理が乱暴過ぎます(涙)


吽さん方は比較的、健康そう・・・
身長は双方50センチほどの小ささですが
その存在感たるや、ものすごく強烈です
久しぶりに愛すべき犬たちと出会えました
家からだと小一時間ほどで来られる近さなので
また、逢いたくなったらすぐ来るからね・・・・

2009.10.30

川崎麻生厚木・日吉神社
生息地:神奈川県厚木市下萩野1114

 神奈川は厚木市のかなりはずれにある神社で右の写真のとおり、とても素朴でひっそりとしたお社にそのワンコ達は暮らしていました。
 ここの犬たちがちょっと他とは変わっていて、阿さんの方は子どもとじゃれているのではなく牡丹の花束に手を置いているんですね。このようなものは三浦半島の先っぽあたりでは幾つか見られるのですが、これほど内陸に入った地域で見つけたのは初めてのことです。
 ではなぜ、子取りにせずに牡丹の花をあしらったのか・・・・、牡丹の原産は中国で、風水のいわれでは「富貴の花」らしい。つまり富=お金、貴=地位とともに縁起がいいものの代表なのでこれを狛犬に持たせたのではないか、そう推理してみました。もし、正確な起源をご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひご教授をお願いいたしますね。
 それにしても、ここのワンコたちのお顔はなんとも円満でついついこちらも笑顔になってしまいました。

日吉神社の狛犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 (あまり訪れる人もなく、地域密着型の小さな神社で80年以上も頑張っているンですから誉めてあげなくっちゃ)
●狛犬としての個性度   ★★★★(やっぱり牡丹の花束が新鮮なので)

●癒され指数       (なんたってお顔がイイです!ホントに癒されましたもん)
●思わず笑っちゃう度   (大笑いをするようなものではありませんが、心の底から笑顔が出ちゃいます、こういうの好きだナァ〜)
●奉納日 大正十四年十二月
●作者名 七沢・前場弥七
●撮影機材 キヤノンAV-1(50mmf1.8)




村の鎮守様的な雰囲気が漂う境内にそのワンコたちは大人しく座っていました


この阿さんが手にしているのは遠目に見たとき
当然子供だと思ったのですが、近づいてみたら
牡丹の花だった!


吽くんは型どおりに玉で遊んでいます
いまのパチンコ好きなおと〜さんと一緒ですね
右側の耳が欠けてしまっているのが
なんとも残念ですがお顔の面白さは、いまだに健在です

2010.1.8

伊勢原・高部屋神社
生息地:神奈川県伊勢原市下糟屋2202

 おそらく当相模の國のお社としては最古の存在ではないかと思われる神社がこの伊勢原にある「高部屋神社」です。古い記録を辿ると創建が紀元前655年頃といわれていますので、鎌倉にある由緒正しき諸社寺よりよほど古いことになります。現在の拝殿も茅葺き仕立てで質素な造りではありますが、すごく趣のある佇まいを有しています。各柱や木彫刻、正面扉などは正保四年(1647年)に再建された当時のものを今でもそのまま使用しています。
 さて、肝心の狛犬はというと、鳥居を潜った真正面には右写真のようなかなり大型の立派な子取り夫婦が出迎えてくれます。普通ならこれだけで完全な取材対象になってしまうほどのクォリティーを持っている犬なのですが、実はこの拝殿の裏側に「本殿」があって、そこには、「行按・行白」という二人の僧侶が寄進した享保犬が長い年月、ジィ〜ッとして座って居たのです。
 これがなんと、今年で283歳を数える大年寄りのワンコなのでありますが、実に保存状態が良く、現在でもそのノミ跡がはっきり確認できるほどの瑞々しさを保っておりました。毛並み表現の浅い彫り方、頭には「宝珠*1」を乗せ、座り方は正蹲踞(そんきょ)という古代犬の特長をすべて持っている素晴らしい犬たちです。
 これを見てしまうと、さすがに正面の子取りたちは可哀相ですが霞んでしまいました。

高部屋神社の狛犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 (300年近い年月をほぼ完成時のまま、維持していることにビックリします)
●狛犬としての個性度   ★★★★(当地では古代犬が極端に少ないので、これは貴重です)
●癒され指数       (丸みを帯びた胴から脚に掛けての優しいラインがいいと思います)
●思わず笑っちゃう度   (頭のてっぺんの宝珠がやや可愛い・・・)
●奉納日 享保十二年五月
●作者名 ーーー
●撮影機材 ミノルタ・α5(35-105mm・富士SS)

*1宝珠:自分の思いのままに様々な願いをかなえる万能の球、梵語では「チンターマァニ」とかい言います。日本武道館のてっぺんに載っているあのタマネギがソレ。


 

 



5,600年前の大昔は総社だったらしいのですが、現在は村社のような感じで
訪れる参拝者も見あたらずひっそりと静まり返っています。
ここに見える子取りの狛犬で満足して帰ってしまうと
享保犬には逢うことが出来ませんよ。
必ず境内を裏側まで含め一周して、埋もれたワンコが居ないかを
確認していきます。

これが拝殿の裏側にある本殿です
ほらほら、いいのが居ましたよ


タテガミの浅い彫り方、頭にはツノと宝珠、
背中に貼り付いたシッポ、そして蹲踞の姿勢と
正統古代犬の特長をぜんぶ持っている!


阿・吽もしっかり分かります


今でも283歳とは思えない瑞々しさで座っています
きっと拝殿裏という人目に付かない場所で生活していた
ために、子供の遊び相手となることもなく
今日まで元気で暮らしてこられたものと思われます


こちらは真正面に居る親子4人のワンコ達です
明治初期のものですが、出来は素晴らしい!
しかし、砂岩系の柔らかい石を使っているために
たかだか140歳ほどですが、裏の享保犬に比べると
もうボロボロですね
やっぱり狛犬には堅くて作業が困難でしょうが
凝灰岩系の石を使って欲しいものです

2010.1.30

生麦・水(すい)神社
生息地:神奈川県横浜市鶴見区生麦4丁目31−4

 戦前の駅舎がまだそのままの形で使われているJR鶴見線・国道(こくどう)駅の近く、駅の隣を流れる鶴見川が海へ出る寸前の河口に長年漁師さん達が大切に守ってきた小さなお宮さんがあります。それがこの「水神社」です、拝殿前には毛並みを豪華にも金で塗色されたとってもオリジナリティに溢れたワンコが座っていました。
 全体のバランスを崩してしまうほどお顔を大きく表現しているのですが、非常に特徴を持った顔相で、漁師町の狛犬という先入観からか、どうもこの犬の顔が魚っぽく見えて仕方ありません。誕生日は昭和2年ということで、まだ80歳を過ぎたばかりの若犬なのですが、狛犬円熟期の最後に出てきた傑作ではないかと、私は高く評価している大好きな犬たちです。

水神社の狛犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 (小さな拝殿の大きさに合わせるように作られた小振りな犬たちですが、ちょうど参拝者と眼の高さが同じくらいで自然と親近感が湧いてくるいい犬たちです)
●狛犬としての個性度   ★★★★(側面か見ると一目瞭然ですがこんな顔とスタイルの犬は他に見た試しがありません!)
●癒され指数       (何となくスズキ目の魚に似ているようで、魚好きの私は堪らなく好きです、コレ)
●思わず笑っちゃう度   (一応、歯など剥き出してはいるのですが、どうにも威嚇と言うよりは笑いを誘ってしまいます)
●奉納日 昭和二年三月
●作者名 石寅
●撮影機材 Canon EOS10D (35-70mm)

*基本的に狛犬写真は色味を排除することで、その形態や刻痕だけに集中してご覧頂けるようにモノクロ写真で提示しておりますが、今回だけはいつも邪魔な要素となってしまう「色」もこの犬たちには大切な要素と感じましたので、あえてカラーにて掲載いたしました。


米軍の機銃掃射の弾痕がいまだに残りつつも現用されている
JR鶴見線・国道駅駅舎

古犬ばかりが高価値ではありません。
若犬にだって、いいものがたくさんあるのです。



球はご覧の通り透かしなどはまったく無くて
稚拙とさえ思える塗色で済ましているのですが
そのことを差し引いても充分に有り余るほどの
オリジナリティがこの犬たちのフォルムにはあります。


うぅ〜ん、相当に長時間に渡って鑑賞していましたが
まったく飽きが来ません、すごい、石寅という石工さん!


2010.3.7

綾瀬・蓼川神社
生息地:神奈川県綾瀬市蓼川2−12

 典型的な村社という趣の町外れにあった、このお宮さんに居たのがこの子達。この場所は厚木軍用飛行場の滑走路わきにあるので、そのジェット騒音の凄まじさたるや想像を絶するデシベルが1日中絶えることがありません。
 民間の旅客機など専用の空港では、どの機材でもみんな「消音マフラー」付けて静かに飛び降りしていますが、軍用の戦闘攻撃機などはパワー重視でそんなものはハナから付けていませんので、フルパワーで飛び立つときのその轟音たるや、一切の物事を止めてしまうほどの重高低音量と振動に達します。
 そんな環境のせいでしょうか、このワンコ達はとうとうこんなお顔になっちゃった!

蓼川神社の狛犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 (可もなく不可もなく・・・)
●狛犬としての個性度   ★★(普通の蹲踞姿なので損をしてますね)
●癒され指数       (わたし、こういうの、堪らなくダイスキ!とくにドレッドぎみのロングヘアーとか)
●思わず笑っちゃう度   (このお顔を見て、もう20mくらい手前から大笑いしながらの初対面でしたもの)
●奉納日 不明
●作者名 不明
●撮影機材 Panasonic FZ30


グレーの部分は厚木基地の滑走路です。
軍用飛行場の場合は、施設や道路が
ほとんど無地で塗りつぶされちゃうんですね。




よ〜く見ると阿さんの前歯の後側が透かしてあったりで
じつにシッカリと彫られているのであります。



お顔の1個1個のパーツは別にヘンじゃないのですが、
これがこうやってまとまると、何ともユーモラスになってしまうのです。
この吽クンのタテガミの
捻り方、かなり凝った彫り方をしています。

2010.3.27

大磯・守公(しゅこう)神社
生息地:神奈川県中郡大磯町国府本郷1120ー11

 これは石の塊を削りだして作ったのもではなく、土を捏ねて火に掛けて焼成したもののようです。お宮さんの規模としてはいかにも「村社」風で、敷地の全体も20坪ほどの小さなものです。拝殿もこぢんまりで質素、すべてが手作り感に溢れています。
 このような神社ですので狛犬もご覧のような、いかにもハンドメイドで素朴な味わいのある可愛いワンコが置いてありました。
 作者が施したものなのか、狛犬にはカラダ全体にピンクっぽい塗色が掛けられているのですが、こんなことしなくてもいいのにぃ〜・・・・。

守公神社の狛犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 
●狛犬としての個性度   ★★
●癒され指数       
●思わず笑っちゃう度   
●誕生日 明治三十四年七月四日
●作者名 不明
●撮影機材 ミノルタα303(タムロン28-80mm)







107歳にしては、保存状態がいいですね。
粘土の素焼きというのは耐久性抜群なのでしょうか。
縄文時代の「ハニワ」なども綺麗に残ってますものね。

2010.4.18

保土ヶ谷区・橘樹(たちばな)神社
生息地:神奈川県横浜市保土ケ谷区天王町1丁目

 ここのは、けっこう大柄で堂々とした狛犬です。この作者の八五郎さんはよほどご近所にいる犬を観察したのでしょうか、蹲踞(そんきょ)した座り方が、実に写実の犬そのものですね。ただ耳の形にこの人独特の表現があって、これは現実の犬にはない形ですから八五郎さん独自の考案だと思います。工作的にもこれだけ泳がすのは至難でしょうから、職人さんの「見せ場」を感じます。
 台座の裏側に回って、彫り込まれた字を見ると、末尾のそこには
  下岩間町 石工八五郎
  京橋 由五郎

 という銘が・・・・・
 まるで落語の「三軒長屋」の世界みたい。

橘樹神社の狛犬について
●狛犬としての仕事ぶり度 ★★★★(実に自然な蹲踞で、どっしり落ち着いたバランスが見事!) ●狛犬としての個性度   ★★★
●癒され指数       ★★
●思わず笑っちゃう度   ーーー
●誕生日  明治三十四年七月四日嘉永五年一月
●作者名  下岩間町 八五郎
      京  橋 由五郎
●撮影機材 Panasonic FZ30


阿さんの表裏



こちらが吽くん

2010.5.19