IKONTA 510/2 Bob

サガのこと

 わたしは「daddy」と名乗っていることでもお判りのように、オトコなのであります。
 どうもオトコという生き物はややっこしいですね。自分で言うのもおかしな話ですが、いろんなものを同時に愛せちゃう。世の中で生ずる様々なトラブルの原因は、このオトコの性癖から起因する物が半分以上占めているのではないでしょうか。
 こういう話をすると、まず最初に思い浮かぶというか、心当たりがあるのは女性問題でしょ。ステディーな彼女ないしは妻がいるにも拘わらずアッチに手を出し、コッチを口説く、なんともまぁ節操がないことでありますが、これとてオトコとして生まれてしまったサガですからどうしようもないのであります。

「サガだなんて、ふざけた言い訳しないでよ!」と、修羅場の最中にくだんの彼女から怒鳴られるのは決まり場面なのでありますが、ウソじゃありません、ホントウなんです。「キミも真剣に愛しているし、コッチの彼女だってキミ以上に、いや、もとい、キミと同じくらい愛しているんだ」なんて言い張ったところでこんな言い訳は絶対彼女たちには通じないのであります。
 あぁ〜、なんという不条理、神様を恨みまする・・・。

 しかし、ちょっとアタマを冷やして広い世界を見て見ようではありませんか。草原のライオンや山里のお猿さんだって、み〜んな一頭のオスが多くのメスを占領しているでしょ。
 人間だって、まったく同じように生きている動物には違いないのですから、同様な行動をしてしまうわけです。
 もっと詳しく言えば、力のあるオスはたくさんのメスを相手に出来る、これは自然界の条理なんですね。
 我々の世界での「力」とはライオンやお猿さん達の相手を組み伏す身体的能力とは違って、性格や容姿、甲斐性などが「力」になるわけですね。なので、ハンサムで立ち振る舞いがスマートで包容力があり年収ウン千万円です、などというオトコは本人がどう考えるかは別として女性が寄り集まっちゃうのは致し方のないことなのであります。
 オトコの本能がそのようであれば、オンナの方にだって自分を幸福にしてくれるだろうオトコを見定める動物的本能があるわけで、ここが問題なのであります。
 なので、どうしても偏りが生じてしまうことになるわけです。そう、力のある者に吸い寄せられる者・・・・世の中、こうして出来上がっているんですね。

 あぁ〜、何という不公平、「力」となる条件を何一つ持つことが出来なかった、わたくしdaddyは女性のことはきれいサッパリと忘れて別の愛せる相手を探しに行くこととしましょう。

 さて、ここで取り上げている写真機達ですが、これもまた、悩ましい存在ですね。
 一眼レフにぞっこん惚れて、レンズを集めたとと思ったら、こんどはコンパクトカメラの軽快さに心惹かれ、そうこうしていると今度は二眼レフに目が移り、あれがいい、これがいいと・・・そして、今は蛇腹カメラを触っている。
 では、それまでの一眼レフやコンパクトカメラと別れたのかというと、そうじゃない。だって、み〜んな愛しているンだもん。


 ということで今回のカメラは「イコンタBob510/2」。いわゆるワンタッチ式スプリングカメラの基本形を確立した記念碑的カメラです。
 初代のイコンタ510/2は、1929年(昭和4年)に誕生し、以来ツァイス・イコンはもとより、独逸・米国・日本の同形式カメラのお手本となってゆくことになります。
 ことに小西六が昭和8年に造った「パール8年型」にいたってはレンズ、機関部を除くボディや骨格部のほとんが、デッドコピーとしているほどです。

 最初のイコンタ510/2はノバー105ミリ・f6.3、にデルバルというシャッターをセットした廉価版普及機の体裁で市場に出ましたが、その後、上級レンズや高級シャッターを装備した機種も出てきます。
 今回使用した個体は、JFC会友のユキノフさんからお借りできたもので、形式からすると二代目、1935年前後のものではないでしょうか。
 最初のオーナーが殆ど使わなかったか、そしてまた最良の環境で保存されていたのか、素晴らしいコンディションで、レンズやシャッターは勿論のこと、塗装や張り革、ベローズにいたるまでほぼ新品の状態を保っています。
 戦前のスプリングカメラを数多く使ってきましたが、これほど状態のいい個体は見たことがありません。ただ、わたしの力量では原因がまったく掴めないのですが、コマによっては同じ形の光線漏れが生じてしまい、いまのところ、修復のしようがありません。多分、シャッター羽の辺りだとは思うのですが、お借りした物ですので、分解して元通りにする自信がありません。

 ツィアスのスプリングカメラは、普及・中級・上等と大体三つのグレードに区分けされていて、同じ形のカメラでもバリエーションがたくさんあるので、イコンタの写りはこうだと決めつけられない複雑さがあります。
 最上等の場合はテッサーレンズにコンパーシャッターの組合せですが、このカメラを使ったから最上等の写真が撮れると言うことはもちろんなく、ただピント面の解像とコントラストは安定した絵になるということくらいのものです。(これが一番大事なことでしたっけ?)
 このイコンタ510/2は、ネッターの105ミリ・f7.7に1/25と1/75の2速エバーセットシャッターを装備したもので、機構的に見ると松竹梅で言えば「梅」に該当するタイプのものですネ。
 一番辛い状況でも、開放(f7.7)にして1/25秒で切ることになりますから、できればISO400のフィルムを入れておくと幾らか安心です。

 1930年代以前のカメラの常として、反射式ファインダーというものが付いていますね。大概は中にある45度に傾けて固定してある反射鏡が経年で腐っているものが多いのですが、このカメラに限っては完璧に機能しています。
 このファインダーは機能さえしていれば、撮影レンズのギリギリ近くに置かれているので、パララックスもほとんど感じないスグレものなのです。
 また、小生のように老眼が進行してきた眼球にもかなりの距離をおいて見ることが出来るので、非常に都合がいいのです。
 普通に使う分には腹にぴったり固定させ、息を止めたところでレリーズすれば、1/25秒を選んでもブレなど生ぜずに撮影することが出来ますよ。さらにしゃがんで、もっと低く構えることだって出来るわけです。これは、現在のアイレベルカメラ達には絶対に出来ない芸当・・・。
 ちなみに、ボディ上部に付いている素通しファインダーでの撮影もしてみましたが、3メートル程度の被写体だと相当、上にズレて写ります。

 今回は、上記にも述べました光線漏れ対策が完璧に出来ず、申し訳有りません。ピンホールは見あたらないし、シャッター羽も気持ちよく動いているんですけどね。うぅ〜ん、どこから漏れるんだろ???     

2004.12.1


イコンタ520/2での作例です

以下の写真は、Konipan 100をミクロファインで標準現像処理。
キヤノン Canoscan D2400Uでネガフィルムを直接スキャニングした画像です。

1. 中央の下に大きくカブリが出ちゃいます。

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4. 調子が良いときもあるんですよね、ど〜なってんのかしら?

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