Ricoh Hi-color 35

リコー・ハイカラー35の手入れを試みる

この「写真機の話をしよう」というコンテンツを立ち上げた初期の頃に、手持ちだったリコー・ハイカラー35のことをテーマにした稿を作ったのですが、あの機体は各機能が割としっかり生きていて、出来上がった写真もまったく不満のないものでしたので、たまにボディを磨いて空シャッターを切る程度の手入れ方で今に至っていますが、この度、縁あってやってきたハイカラー35は相当期間放置されていたようなカメラで、1,距離リングが∞の位置で固まって頑として動かない 2,電池室から青いモノが吹き出している 3,とうぜん「AE AUTO」は作動していない 4,ファインダーの中で霧が発生していて向こうがよく見えない 5,ウラブタの黒いスポンジのようなモノがホロホロとミイラ化している・・・と、こんな状態の機体ですのでとても「再生」させる自信はありませんでしたが、巻き上げゼンマイとシャッター・絞り羽だけは生きていたので一応やれるだけのことはやってみようと開けてみることにしました。

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まず、前玉回転の固着ですが、これは距離リングを外して、前玉のスクリュー部に直接、浸透潤滑液と揮発油を混合したものを浸潤させること3日間で、ミキッ・ミキッ・ミキッと徐々に緩みだし外すことができました。レンズユニットがそっくり外せるような場合は、アセトンのお風呂に入れれば比較的容易に解決できるのですが、これはユニットまで外すとあとが面倒なので、このジワジワ・ジクジクの緩慢な方法で解決させました。

(重要)このカメラにはシャッターに「B」がありませんので、再組立後に必ず必要になってくるピント調整をすることが出来ませんので、必ず「∞」位置をしっかりマークしてから外すようにします。


前玉が緩んだら、外してしまいます。
そして今度はメーター関係にアクセスしなければならないので、絞りリングを3本のネジを外して取り払います。これで、最中構造の前側を外す準備が出来ます。

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今度はフィルム室側へ回って@ABのネジを外します。
これで前面部の最中の殻が外せますよ、焦らずに慎重に引き抜きます、この時、シャッターボタンも一緒に外れてきますが、中にリモート用の小さな心棒が入っていますので、紛失しないように気を付けます。


さて、今度はメーター不動の原因を探ります。まずは、青い粉が噴き出していた電池室回りの結線具合を見てみましょう。(メータ不動原因の半数は電池室の結線外れですからね)
それには、上面の黒いパネルを外す必要があります。見えているネジをすべて外したら感度設定リングの丸いパネルにナイフをゆっくり差し入れて接着を剥がしていきます。この作業をラフにやると感度パネルがデコボコになって後の仕上がりが見苦しくなるので、時間を掛けて慎重に進めていきます。パネルが外れたら中心部の2本のネジを外します。


各ワイヤーの結線状態は比較的によく、半田の腐食などはありませんでした。こなってしまうとメータコイルの断線か、Cdsの機能不全か、いずれにしてもこのカメラは1/30〜1/300秒までの4速シャッターとf2.8〜22という豪華な7段マニュアル操作が出きるメカを備えていますので、フルマニュアル機として割り切ればなんら問題なく使えますので、その線で行くことにしましょう。


さて、最後はモンワリと霧中の中に居るように見えてしまうファインダーを何とかしませんとね。
このファインダーは何という構造形式なのでしょう、実にちんこいレンズの集積で作られています。そしてうっかりして今、気付いたのですが、このファインダー光路は途中からクランクして光を90度に2回曲げてあるんですね、なんでこんなことしたんだろっ?!お持ちの方は真上から見てみて下さい。採光レンズと接眼レンズの位置がズレていますから・・・。
とりあえず、外せるところはすべて外してクリーニングしましたところ、とてもスッキリと見えるようになりました。アナタのハイカラーもファインダーが曇っていませんか、他のカメラと比べるとやや面倒な行程が必要ですが、この清掃はヤル価値が十分にありますよ。

こうして、オートでの撮影はあきらめることになりましたが、撮影レンズやファインダーが前にも増してクリアーになりましたので、早速、試写をして距離リングと実距離に狂いがないかを確かめてみることにいたしましょう。

試写があがり次第、またここに掲載したいと思います。
今回も、ご覧下さりありがとうございました。

2007.9.30 daddy

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