Fujica HD-R

温泉で使う不心得者

 男というのは幾つになっても、この手には弱いですね。いわゆる、ヘビィデューティって奴。
 何処となくミリタリーの臭いのする機能丸出しっていうのに・・・。
 ジッポのライターとかアーミーナイフ、車なんかもジープがカッコイイと思うのと同じ心理です。
 別に軍事や戦争ごっこが好きという訳ではないんですね、この機能一点張りという虚飾を廃したものに惹かれちゃうんですよ。
 でも実際は、例えばジープにしてもハンドルは重いは、サスは空荷のトラックのごとく硬いは、すきま風は幌からぴゅーぴゅー吹き込むは、シートの座りごこちは最悪だはと、このダレ切った軟弱な体では全く受け入れてくれません。
 もっとも、絹のような乗り心地にして仕舞ったら、戦地での緊張が弛緩してしまいますからこれはこれで妥当なわけです。まぁ、私などは30分のドライブが我慢の限度ですね。
 しかし、カメラの場合はどうでしょう。
 防水性、防塵製、防砂性、耐衝撃性をうたい文句に1979年に登場した「Fujica HD-S及びHD-1」、これがこのカテゴリーで世界初のカメラ。 メーカーはどんなユーザーを想定して開発したモノなのなのでしょう。当時はちょうどバブル景気の入口、日本中でアウトドアブームが起き始めていました。海へ山へみんなでキャンプ、楽しいなぁ〜でありました。
 このブームにのっていろんなものがアウトドア仕様の装いを纏って市場に出てきましたね。
 パジェロにラジカセ、Gショック、カモフラパターンと・・・、このカメラもその一連だったのではないでしょうか。
 しかし、発売から日が経つに連れ、手荒に扱ってもしっかり耐えるこの特殊性が買われ、日本中のありとあらゆる建設工事現場で活躍していく事になります。
 公共事業などでは、工事の進行状況を報告する写真は絶対不可欠。丈夫で良く写るとなれば、日本中の建設工事関係者が放っておくわけはありません。この総数たるや相当のもんでしょう、この需要をメーカーは予想していたのでしょうか。
 いつの間にか隠れたヒット商品No.1になってしまいます。その証拠が今回のテーマ「Fujica HD-R」です。HD-Sから7年後、さらにタフネス度を増して1986年に発売された2代目です。もし初代が一時的なブームの企画倒れに終わったとしたら2代目の誕生は望めません。
 更に2年後の1988年にはこの好調を横目で指をくわえて見ていたコニカがとうとう我慢の限度に達してオートフォーカスを搭載したその名もズバリ「現場監督」で市場に乗り込み参戦、ネーミングが功を奏したのか、これが大成功。現在ではデジタル化までされて一つにカテゴリーとして確立されてしまいました。


上面センターの大きなダイヤルがフォーカス用、四角い赤のシャッターボタンも
かなり大きめ、厚手の手袋をしていても操作は快適。


 我々アマチュア写真愛好家としては、このようなカメラが必要かとなると首を傾げてしまいますが、雨中では心置きなく使えるのは確かです。
 あとは温泉の大浴場くらいかなぁ・・・。しかしこんなカメラを首から提げて大浴場をうろついていたら不審者と間違えられて摘み出されるのが落ちですかね。

 ということで、平穏な日常生活ではあまり出番の無いカメラですが、プロフィールは以下のようなカメラです。
●レンズはFUJINON38mm/f:2.8、3群4枚のテッサータイプ。
●シャッターは1/8から1/500で切れるプログラム電子式。
●距離に連動するフラッシュマチック式ストロボ内蔵、ISO100で最長5mまで有効。ということはガイドナンバー14、これは強力ですね。
●最短1mから7段刻みの精細なゾーンフォーカス式焦点調節。
●電源は単4電池2本。
 と、まあ「Flash FUJICA」に限りなく近いスペックではありますが・・・。

2003.2.5

 

HD-Rの作例です

今回の作例:モノクロは、Lucky SHD100をミクロファインで標準処理。
カラーは、Konica センチュリアスーパー400をLPL PRO現像キットで処理
共にNikon coolscan IVで取り込んだ画像です。

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7(ISO400のフィルムだと5mくらいまでフラッシュ光が届きますね)

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