FUJICA COMPACT D

大原麗子さんの額

 「美人は三日で飽きる」なんてよく訳知りの練達さまがおっしゃいますが、果たしてそんなものなのでしょうか。
 わたくし、60年ほど生きてきましたが、今だこの言葉にすっきりと納得がいかないのであります。いえ、納得がいかないどころか「おいおい、ホントかよォ〜、そんなこたぁねぇだろぉ〜・・・」なのでありますね。
 少なくとも過去に置いて、それも遠〜〜い遠〜〜い過去なのでありますが、わたくしとお付き合いいただいた美人?のご婦人方とは、どんな問題があろうとも三日でオシマイと言うことはなかった。
 それにもっと正確に言えば、好意を持ってお付き合いいただいた誰ひとりとして、こちらから「飽きた」などというもったいない経験がございません。5年、10年とお付き合いしたのなら、もしかして飽きると言うこともあったかも知れませんが、残念なことにすべての場合でこちらが飽きる前にあちらから飽きられるということの繰り返しだったわけで・・・。

 なもので、美人三日説はどうもピンとこない、もっとも「惚れてしまえば痘痕もえくぼ」と申しますから、当方が勝手に美人と思いこんでいるだけで、世間的大多数に問うたならば「ありゃぁ、美人とはいわねぇだろ」と反論されるかもしれませんがね。
 それとも、どこかのヒューマニストさまが美形でないご婦人方のために、明日への希望を持っていただくために発したことなのか、まぁ、どちらにしてもこの言葉には同意するわけには行かないのであります。

 ところで、私達が毎々お世話になっている写真機にも、美人とそうでないのとがいますよねぇ。しかし、まぁ、これとて個々人の好みが大きく反映しますから、いくらわたしが「どうよ、見てよ、この○○○のボディライン、セクシーだねぇ〜・・・」と相手に向かって褒め上げたところで、その相手がまったく趣味としていなければ、こちらのセンスさえ問われてしまうわけで、甚だややこしい問題ではあるのですがね。
 しかし、今回まな板の上にあげた写真機は、よほどエキセントリックな美意識の持ち主以外は美人カメラということに同意していただけるでしょう。
 タイトル写真を再びよ〜くご覧ください。「フジカ・コンパクトD」というカメラです。どうですか、これを美しいと言わずして何を美しいと言えばよいのでありましょうや。

 まずですね、正面を向いたときのファインダー窓をはめ込んだメッキ枠のプレート、横一直線でキリッと締まっているでしょ。このラインはシビれますよ、例えて言うなら大映映画「女賭博師壺くらべ」の江波杏子さんの目元のように実にクール!
 そして、レンズに眼をやると、これまた大口径の玉がドォ〜ンと・・・このやや小さなボディにはバランスを崩さんばかりの迫力でコッチを見返してくるわけです。「そんな大きなオメメで、あんまり見つめないでよ、テレるなぁ〜・・・」と、ついやにさがってしまいますよ。まるで、黒沢映画「赤ひげ」に登場された団玲子さんのクリッとしたオメメのようでしょ。
 今度はコッチ、コッチ、上から見て見て・・・、これ以前の35SEや35EEでは距離計機構を納めるために一段盛り上げていたんだけど、これはスッキリ洗練されちゃってツライチ!で、なんでツライチに出来たかというと巻き上げレバーを伝統の下面に付けているからなのです。どうです、綺麗でしょ、例えて言うなら若き日の大原麗子さんの額くらいに美しい。
 そして、その巻き上げレバーさえボディとツライチの仕上げちゃいました。もう見事としか言いようのない工夫と意匠でしょ。

 

 さっ、アナタ、このカメラをお持ちでしたらぜひ、目の前に置いてとくと眺めてくださいな。江波杏子さんや団玲子さん、おまけに大原麗子さんまでがダブって現れますよ。
 というわけで、チト懐かしい美女の方たちを引っぱり出してきましたが、このカメラが昭和43年に誕生したもので、そのころにご活躍されていたみなさまとシンクロさせたかったわけです。 この度、このような美人カメラと触れ合うチャンスを持てたのも、いつもお世話になっている「レンジファインダー」のビュッカーさんから拝領いただいたお陰でありました。改めてお礼を申し上げます、ありがとうございました。

ビュッカーさんの報告はこちら

2005.2.3


Fujica COMPACT Dでの作例です

写真、モノクロはNeopan SS、カラーはAgfa CTprecisaを使用
Nikon Coolscan IVでネガフィルムを直接スキャニングした画像です。

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