Canonet QL17

Canonet QL17の手入れを試みる

中古銀塩カメラの価格下落は留まることを知りませんが、
昭和の一番良い時代にデビューした不朽の名機・キヤノネットQL17もとうとうこんな価格にまで・・・・!
私のところにはキレイに整備された実用品の同カメラがありますが、
いくらなんでもこんなプライスタグが付けられていては「手を出すなっ!」と言う方が無理です。

で、ザッと見たところバッテリーホルダの電池を入れ替えてみても
ファインダーの中のEE指針はピクリともせず、したがってシャッターボタンも押せません。
しかし、オートを外せばシャッター速度はスローからハイまでほぼ正確に、
また絞り羽も指定の数値通りに開閉します。これならとりあえずは撮影できますね。
今度は、バックプレートを外してレンズを透かして見てみましょう。
うわっ、こりゃヒドイ!
何枚目のレンズかはよく分かりませんが、カビの菌糸がキレイに
展開してほぼ全域を覆っています、おまけにうっすら白く曇っているし。
これくらい逝っているとどれほどのヒドイ絵になってしまうのか・・・・

試してみたのがコレ↑です。
これがあのキヤノネットの写真とは信じられないほどの酷さ!
コントラストもピントも何もかもがメチャメチャであります。
これじゃいくらなんでも「実用」にはなりません。
ということで、私に出来る範囲の手入れを試みることにしてみましょう。

1
 まずはレンズ中玉にこびり付いたカビを除去しなければ何も始まりませんので、通常通りに正面側からカニ目の付いたリングを廻し外し、前玉・中玉の順で取り外します。
 受光センサーの付いているプレートはこのように外しておいた方が作業が楽になります。

 昭和44年10月の製造印が押してありますね。もう、この写真機も40歳になったんだ。

2
 前玉までは何も面倒はなくサラッと外せますが、中玉は一見すると外す手掛かりが見えません。しかし、よーく観察するとリング本体の奥の方(暗いと見えませんので、明るい場所で)にカニ目(赤矢印)が微かに見えますので、それを手掛かりにして外せます。
 私の場合は、こんな狭い場所に届く極細のレンチなど持っていませんので、この写真にある先細のピンセットを突っ込んで作業をしました。

3
 さて、レンズがキレイになって、これでマトモな絵が出来るはずなので、もう組み上げて試写に飛び出してもいいのですが、ついでなので「A(オート)」ポジションが使えるようになれば、さらに使い勝手も良くなります。
 メータが動かない原因の多くは電源部がほとんどなので、このときも電池ボックスから開けて見てみましたがご覧の通り、端子に緑青が盛大に湧いていて、この分ではリード線まで腐っていることは明白。EEでしか使えないカメラでしたらガンバってリード線の交換まで気力が保ちますが、キヤノンのこの手はライバル達と違って唯一、フルマニュアルで使えますのでこの手入れはカンタンに断念しちゃいました。もう一つの理由はたとえリード線を張り替えても肝心の受光センサーが劣化して使い物にならないというケースもあって、そのときのショックは相当なものですから・・・。

4
 で、ファインダーもギリギリ実用範囲だったのですが、折角ならキレイに磨いてスッキリさせたほうが「写欲」も増すというものです。写真機においてはファインダーって相当に写欲と関係しますよね、見え辛かったりピントが合わせ難かったりする写真機って、どうも撮る気が減退してきます。
 このファインダーはややの曇りは仕方がないとしても、二重像がかなり薄らんで来ていましたのでハーフミラーを張り替えてあげましょう。
 いつもの通り、自動車ガラス用のハーフミラーを小さく切って貼り付けます。

5
 この矢印が貼り付けたミラーですが、オリジナルミラーとはこれほどの差があります。しかし、面積を間違えました!これほど大きくする必要はありません。ファインダー中心の10%もあれば充分ですから、このミラーの1/3ほどもあれば充分です、このように不必要に大きく貼ってしまうとファインダー全体が暗くなってしまいますので、みなさまが作業されるときはお気をつけ下さいね。

さぁ、これが手入れ後に試写したものです。 最初の試写とは見違える絵になりました。
ファインダーの二重像もしっかり見易くなりピント楽チンです。
少しの面倒は掛かりましたが、しかし、それにしてもこれほど良い写真機が315円とは悲しいなぁ〜・・・。

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