Olympus Pen EE-S

災害は忘れた頃にやって来ます

 地震国・日本ではいつどこで、大地震や災害が発生するか分かりません。皆さんのお家では非常持ち出し袋などの用意はちゃんと出来ていますか。
 わたくしも阪神淡路大震災以来、毎年「防災の日」に持ち出し用荷物のチェックを欠かさずにしています。
 食料品と水、電池、ガスボンベ等は入れ替え、衣類は洗濯をし直しています。また、万一に備えて、「普通救命士」の資格も取得したりしています。まぁ、これらのことが役立つようなことが無いことを願ってはいるのですがね。
 我々はいざというときでも、カメラは手放したくありませんね。無論、私も非常時の際の持ち出し用カメラバッグというのが備え付けてあります。しかし、これには家族がいい顔をしないんですよ、そんなものを持ち出すなら、缶詰の10個も背負えってね。冗談じゃない、そんな時こそ今までの蓄積が役に立つときではありませんか、この意見は断固として却下!(したいナァ〜)

 さて、そのバッグの中身には、2台の小型カメラが入っています。
 1台は、フジのHD-R。これはどんな天候や状況下でも頼りになるヘビーデューティカメラですから、災害の際にはもって来いの仕様を備えていますね。
 コイツはしかし、このバッグに入れっぱなしと言うことはなく、天候が気になる日や海山に出掛けるときには、必ず持っていきますので、私の常用カメラの中では3番目くらいに出動回数の多いカメラになっています。形は至ってゴツいのですが、そのレンズが創り出す絵は繊細にして豊饒。おおよそ、その容姿とは似ても似つかないデリケートな写真が撮れるということで、もっぱらの愛用品となっているわけです。
 そして、もう1台がオリンパス・ペン。これは、災害の状況がさらに悪化したときのための保険のような役割をして貰うために、備えてあるカメラです。
 メインのHD-Rは、いわゆる電気カメラです。これとて、もう製造後20年近くを経たオンボロですから、いつ壊れてもまったく不思議ではありません。まして、街の機能が崩壊して電池の供給もままならなければ、タダのゴミ同然、そこで考えたのが、電池いらずの自家発電カメラです。
 そして要求は更に厳しく、荷物を少しでも小さくしたいので、極限まで小型であること。複雑な機構を有さず壊れにくいこと。フィルムの供給も絶たれる畏れがあるので、ハーフ判で有効に使いたいこと。そして出来る限り、広角レンズを備えていること等々・・・。

 ということで、ピックアップしたペンが「EE-S」ということになったのです。ペンEEというお馴染みのカメラに「S」というイニシャルがファインダー窓右側に赤い文字で彫り込まれています。この「S」が「Special」なのか「Super」なのかはよく分かりませんが、普通のペンEEと比べると多少の違いがあります。
 まず、レンズが同じD・ズイコーながら28mm/f3.5から30mm/f2.8と若干味付けを変えてあります。これは、ペンEEがピント調節を嫌って、固定焦点機としたものを、EE-Sでは前玉回転式による3点可変焦点式に改めたことによるものでしょうね。

 それにしても、シリーズ全体で1,700万台という空前絶後の生産数を記録した超量産カメラですが、カメラの仕組みや作りが実にしっかり、一部の手抜き無く造ってありますね。裏蓋を開けると目に飛び込んでくるキラキラ光ったスプロケットなんかアルミ棒の一体削り出し加工ですよ。カメラ自体が生きていようが、死んでいようが、このパーツ一個だけで3,000円の価値はありますね。更に手の平に納まってしまうほどの大きさですが、ボディシェルなども神経質なくらい肉薄の一体成形のダイキャスト製ですからね、このシェルだけでも5,000円の価値があるのではないでしょうか。スプロケットとシェル、これだけでもう8,000円ですネ。

 あっ、済みませんネェ、お金のことに拘ったりして・・・、まぁ、それほど手抜きのないカメラですよ、ということが言いたかった訳なのであります。

 このカメラについては、皆さんも1台や2台はお持ちでしょうし、web上でも多くの優れた作品が公開されていますので、今更あえて、見るに耐えない物を追加する意味はないのですが、ここでは慣例と言うことでお許しください。

 どういうわけだか、小さいカメラを持つと、やたらと寄りたくなる変な癖があります。このペンでもしかり、寄った写真ばかりになってしまいました。すみません、でも、遠景だってしっかり写りますよ。

2004.6.29


Pen EE-Sでの作例です

以下の写真は、モノクロはKonipan 100をエヌエヌシー社のND-76で標準現像処理
Nikon Coolscan IVでネガフィルムを直接スキャニングした画像です。

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気が付いてみると、「無限遠」で撮った写真があまりに少ないのです。
これが、唯一の無限遠写真でした。

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