Mess IKONTA

あ〜だ・こ〜だが多すぎる

 こと、写真の撮り方については人それぞれいろんなスタイルがありますね。
 これぞと思ったら執拗に食い下がる人、インスピレーションの赴くままスゥッと撮って立ち去る人、被写体を前にあーだこーだと思い悩む人・・・。
 では自分の場合はどうかなぁ、これぞと思うことはあっても食い下がったりはしないなぁ、かといってインスピレーションなんて都合の良い物が湧いたことはないし、結局あーだこーだと思い悩むタイプなのかナァ〜。
 これですね、何十年やっても一向にろくな写真が撮れない原因は。

 私が使うほとんどのカメラは俗に言うところの古式カメラ、今日もまたまたそんな中の1台「メス・イコンタ」を持ってお散歩です。
 このカメラはタイトル写真からもお判りのように距離計が付いています。しかし、ただ付いているだけでレンズには連動しておらず、測った距離をレンズの距離環に移してあげなければなりません、いわゆる単独距離計と言うやつです。
 距離計連動式カメラに慣れているとこれが曲者でピントを合わせるともうそれで安心してしまい、レンズ環に計測した距離を移すのをつい忘れるんですね。
 ですから私は最初から割り切って目測カメラとして使っちゃいます。
 今回、使うことが出来た「メス・イコンタ」は前項のペルケオと同様、ジャカルタ在住のお友達・ザノニア様からのご厚意でお借りしたものです。

 プロンターシャッターにトリプレット・ノバーは安定した解像を約束してくれる素晴らしいカメラですね。
 メス・イコンタには最高価のテッサーレンズを付けたものもありますが、癖のなさではノバーレンズの方に分があるような気がします。 いや、テッサーが癖だらけの厄介レンズというわけでなく、それはそれは銘レンズと言うことに異存はないのですが、あまりに尖った尖鋭度にばかりつい目が行ってしまい全体像を見失うことがあるのです。(私だけのことだと思いますが)
 その点でノバーは全ての点で非常で及第点、バランスがいいということであります。
 1954年製ですからスプリングカメラとしては最後期、各機能を含めて完成の域に達したカメラで使用に際してはコツや慣れは一切必要ないので、スプリングカメラをいじってみようとお考えの方には、ぜひお薦めしたい一台です。

 さてさて、そうこうしている内に面白そうな被写体に出ッくわしましたよ。
 東大の赤門前の路地をズゥ〜ッと奥に入っていった古い家並みが続くなかに突然現れた木造三階建ての大層大きな建物です。
 うぅ〜ん、こんな大きな木造3階屋も珍しいナァ〜、どうやら大昔に建てられた学生寮じゃないかしら。詳しく調べれば相当な曰く因縁が有りそうですが今日は写真を撮ることに専念しましょう。
 ジャケットのポケットに手を突っ込んでカメラを取り出し、前蓋を開けます。そうそうツァイスカメラの前蓋はスプリングが効きすぎるくらい効いていますので手を添えて注意深く開けます。
 ロック解除ボタンを押して一気に開けるとおもいっきりビヨーンと飛び出してきて負圧でフィルムを引っ張っちゃいますからネ。
 ファインダーを覗きながら前に出たり後に下がったりを繰り返しながら足し算したり、引き算したりで画面を整理します。
 日の当たり方がかなり強いところと日陰がゴチャゴチャに混在しています。建物自体のディテール全体を損ねたくないので多少オーバー目にセットしましょうか。
 距離は正面玄関の瓦屋根にフォーカスするとして8メートルと読みました。距離計も付いているのですがここでもやっぱり無視しちゃいます。
 うぅ〜ん、どうも玄関前の立木と太い門柱の位置が気になるナァ〜、少し撮影位置を変えてみましょうか。
 あぁ〜、今度は絵面はよくなりましたが光の加減が気に入らないナァ〜・・・・。
 とまぁ、こんな具合であーだこーだと思い悩むんですね。こんな調子じゃ100年掛かってもいい写真は撮れそうもありません。
 センスという天性がつくづく欲しいと思う今日この頃であります。

2004.1.14


Mess IKONTAの作例です

以下の写真は、Agfa APX100をND-76で標準現像処理
キヤノン Canoscan D2400Uでネガフィルムを直接スキャニングした画像です。

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