BEAUTY Lightomatic II

Lightomatic IIの手入れを試みる

甦生はちょっと無理かも・・・・
 よほど劣悪なる環境で相当長い間放置されたのではないかと思われるカメラがやって来ました。その名を「ビューティー・ライトオマチック2」という、あの神田神保町・太陽堂光機が昭和35年頃に製造を始めた、かれこれ50年ものの写真機です。
 太陽堂の35ミリRF写真機を触るのは「Beauty 35 Super」以来、およそ8年ぶりのことになります。このライトオマチック2はセレン式のEEメータも付いていますし、レンズも35 Superのf2.8からf1.9へと進化(?)していて、高級感すら漂う本格的な写真機です。
 しかし、やってきたのはご覧の通りの緑青サビがアチコチ噴きまくった超ジャンクで、可動部でなんとか動いているのは巻き上げレバーと巻き戻しリングくらいのもの・・・・、その他はほとんどがガツンと固着してカッチンカチンになっています。
 さて、これほどに固まってしまっている写真機、どこまで緩く戻せられるのか、やれるところまではやってみようと思います。

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 まずは、距離調節リングをはじめ、鏡胴を構成している可動部分が固着していますので、外せる限りのものを外して洗浄します。メーター用の電気接点などもサンドペーパーで酸化したところを磨き落としてしまいましょう。

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 前方からアタックしますが、レンズの前群を外した程度では、速度リングが微かに緩む気配があるものの、最深部にあるであろうヘリコイドは微動だにいたしません。

 こうなってしまうと、やっぱり横着は許してくれませんね、気持ちとしてやりたくありませんが鏡胴部を外すまでいかないとラチが開かないのかも・・・・。
 裏側からの固定リングを外してユニット全体を洗浄することにします。

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 結局、いつものような最短手抜き近道は許して貰えず、この状態までにしてやっと可動部が動き出してくれました。

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 これでやっと生き返ったかなとレンズユニットを組み直してそれぞれのリングをチェックしていたら、今度はファインダーの中の距離計用二重像がまったく動きません、というか二重像自体が見えません。

 さて、これは距離計部分を開けてみないと原因が分かりませんので、今度はトップカバーを開けましょう。
 この作業も別にトリッキーな仕掛けもなく、普通に作業できますが、唯一、巻き上げレバーを外すのがご覧の通りで、何の手掛かりもありませんからリングレンチなどを工夫しながら使って外します。
 ここまでのネジ類はすべて順ネジですから、安心して作業できました。

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 あらまぁ〜、トップカバーを外したらご覧の通りの小さい「カガミ」がポロンと飛び出してきました。
 なるほど、二重像が消えた原因はコレですね、距離計用の測距ミラーが脱落していたんです。

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 距離計のお手入れをしたことのある人にはまるで赤子の手をひねるがごとくの簡単な修理ですね、この作業は・・・・。

 ここへミラーを接着しますが、片方が金属、もう片方が硝子という材質なので、ボクはゴム系のG17を使いましたが、2液性のエポキシ系接着剤でもいいかもしれません。ただシアン系の瞬間接着剤は避けた方がいいですね、あれを使うとカガミが真っ白になってしまうことがありますので・・・・。

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 こんな感じで取り付けられました。この後は、ほぼ100パーセント元通りの位置には付いていませんので二重像がずれてしまっていますので、無限遠の位置に固定して天地・左右のズレを修正して完成となります。

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 「ピカール」などの弱研磨剤を用いて、出来る限りのサビを落としてかなり若返ったのが、トップにあるタイトル写真の姿です。ファインダー回りのグリルはサビの浸食が材料自体までに達していましたので、仕方なく塗装をし直しましたが、そこは所詮シロウト仕事、あまりきれいにはいきませんでした。

 それでは、どんな絵になるのか、とりあえずの試し撮りです。

 この当時の大口径レンズお決まりのガウスタイプなのでピキピキした絵になりませんが、アウトフォーカスは大人しくていい感じ・・・・。

 一応、大口径といえる部類のレンズなので、どうしても暗いところがあるとシャッター押してみたくなってしまいます。これは1段だけ絞ったf2.8,最短は80センチまで行けますのでボクには不満のないレベルです。

 これは常用域のf.8まで絞っている絵です、けっこう重厚な写り方で「Beauty 35 Super」などとはまるで別物の写真機という感じがしました。最初、手にしたときにはここまで固まっているヤツじゃ「甦生はちょっと無理かも」と思ったほどでしたが、なんとか絵が出るまでにはすることが出来てホッと一息と言うところです。せっかくここまで動くようになったので、これからはリハビリをしながらゆっくり使ってゆくことにしましょう、こちらの気分が良いときには神保町の「太陽堂写真機店」にでもコレを持って出掛けてこようかしら・・・・。

 ※この作例3枚は、富士・プレストフィルムをPC-TEA現像液で処理したものですので、通常のD-76などとは暗部のニュアンスがやや違って出ています。

2009.2.22

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