KONICA S II

見直しました、コニカS

 古いカメラに興味を持ち、いろいろと囓ってくると、その手の専門書や雑誌にも目が行きますね。
 しかしそこに掲載されているものは大方がいわゆるこの道のメジャーといわれているカメラが殆どで、編集内容としてはあまり面白いものを見たことがありません。まあ、これも出版する側からすれば、1冊でも多く売りたいわけで、名前も聞いたことのないマイナーなカメラを取り揃えたところで、売れる見込みはないからしょうがないことなのですけれど・・・。
 またマスメディアが取り上げたもので、かつ詳細なインプレッションレポートなどがあるものを読んでしまうともうそれだけで、おなか一杯、満足満足という具合になってしまい、今更追体験をしてもなぁ・・・と、購入欲まで削がれてしまうこともよくあります。
 それともう一つ、紙面の体裁に拘るためかチープで簡素なやつも登場しませんね。
 著者や編集者のプライドが許さないのでしょうか、いわゆる庶民が愛したファミリーカメラ的なものも省かれがちです。しかしこちらとしては、このHPの主題でもある「庶民の味方カメラ」に強く傾倒しているので、今ひとつピタッとくる本がないのは残念ですね。
 そんな本達を幾つか読み拾った中で、これは使ってみたいなぁと思ったものがありました。それは皆さんもよくご存じの「コニカ3A型」というカメラで、これにはかなり強く惹かれましたね。しかし上記のような書籍に常連のごとく登場するもので、人気があるのか店頭では異常と思えるほどの高値になってしまって、小生の財布の中身では簡単には手が出せません。
 そこで、3A型の半額以下で容易に買える、同じ系列のレンズを搭載した「コニカS」だったら描写の雰囲気ぐらいは味わえるのではないかと思ったわけです。
 このコニカSは、3A型の後継機として1959年に出現したカメラで露出計を備えたスマートなデザインは前モデルの印象をどこにも感じさせない全く新しいカメラのように見えますが、レンズやファインダーは3A型のスペックと同様です。
 Sシリーズは、S, S2, S3と年代ごとに進化して行くのですが、私が入手したものは、1961年発売のS2型です。初代モデルとの差異は露出計のメーターが軍艦部のみでなくファインダー内上部にも表示されるようになったことくらいで、基本スペックは変化していません。
 しかし、このカメラ、ボディデザインに関しては、情けなるくらい良いところがないんですね。
 お店のウインドウに鎮座しているときは、第一印象で形の好き嫌いを判断しますが、あまり好印象を持っていなかったカメラでも手に取ってじっくり観察していると、思わぬ発見をして感動することってよくありますね。
 私はほんの小さな箇所でも、工夫の跡や設計の妙を見つけるのを楽しんでいるのですが、このカメラを手にかなり長い時間、撫でたりさすったりしていたのですが、そんな所が見つからないんですよ。
 やはり3型に比してあまりの個性のなさが不人気の最大の要因のようです。
 セレンやファインダーを取り巻くプラスチックの枠や、本当にお皿の形をしたシャッターボタンの指皿、はたまた素っ気ない造形の巻き上げレバー等見れば見るほど辛くなるデザインです。これには少し悲しくなりましたね、日本最古のカメラメーカー「小西六」ともあろうものが、いくら実質に拘ったとはいえ、それはないだろうという感じです。
 しか〜し、あったんです。このカメラの凄〜〜く凄〜〜く偉い所が・・・。
 小生の拙文をここまで我慢をして読み進んで頂いたみなさま、本論はここからでございます。もう少し辛抱願います。そんなこといいから早く言え、という声が聞こえてきそうなので、では先に進みます。


シャッター速度は1〜1/500秒まで、絞りはf.2〜22まで。
実用範囲としては充分です。

 

 カメラというものは撫でたりさすったりして、良さが判るものもありますが、やはり撮影を想定して操作してみないと判らないものもあります。
 いつものように手に持ってファインダーを覗きながら身の回りのもに焦点を合わせて、いろいろと距離の違うものにピントを合わせます。ファインダー自体は少しブルーがかっていますが隅々まで全く歪まず「おお、キレイ!」と思わず声が出てしまうほど素晴らしい像です。
 そして更にこの綺麗な像に輪をかけるかのように、凄〜いものを発見しました。それはピントを合わせる距離の違いによって生ずる画角の大きさをちゃんと補正して見せてくれる工夫です。単にパララックスだけでなく画角まで補正してくれるカメラは私の場合、これが初めてです。 まあ何て真面目な作り込み方、感動です! 
 3A型を触ったことがないので確認できませんが「生きているファインダー」とよく言われますが、こうゆうことだったのかもしれませんね。
 但しこのカメラの像は等倍ではなく、やや小さく見えますが、それにしても凄いファインダーです。思わず軍艦部をはずしてどんな仕組みか覗いてしまいました。この構造は文章では表現しにくいので、皆さん是非開けてみてください。きっと感動しますよ。
 というわけで、もうデザインのことなどはすっかり忘れて何処かにすっ飛んでしまい、どうでも良くなってしまいました。このファインダーだけで充分満足、何度見ても飽きません。スバラシイ・スバラシイ!!
 ヨッ、さすが小西六!いいぞ・いいぞ、やっぱりあなたはただ者ではなかったんですねェ。(さっきまでの話は何なんだ、このお調子もん!)

たかさきさんの報告

 

KONICA S II を使ってみました。

試写の作例なので、スキャン時にアンシャープマスク等の画像処理は加えていません。
トリミングはせずフルフレームの状態です。
モノクロはT-Maxを自家現像(D-76)、カラーはセンチュリア100です。


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このカメラは、精度の高いファインダーのおかげ正確なフレーミングが出来ます。
カラーで使うと、しっとりと湿気のある抑え気味の発色をしますが、
トーンは豊富で柔らかいのでポートレイトに良いかもしれませんね。

KONICA S IIIを使ってみました。

こちらはSIIの後継機S IIIでの試写です。カメラのスペックはレンズが47/1.9に変更された他は同じようなものです。
新しい分だけトップカバーのスタイルは良くなりましたね。


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