HI-MATIC S

雨の日はSで
 このカメラは欲しくて手に入れたわけではなく、行きつけの KTムラカメラのジャンク箱に埋もれていたのを、いわゆる”救出”したものです。
 箱の中には20台くらい入っていましたが、どこに放置されていたのか、このカメラだけがあまりにホコリだらけだったのでついつい可哀想になり連れて帰ってきました。
 一通り点検しましたが、不具合は電池室の電極に多少緑青が出ている程度で露出計をはじめ、機能は全て生きていました。
 汚れやホコリは外装だけに留まらずファインダー、フィルム室、レンズと全てに亘っていたので、分解して清掃。こうして新品同様ピカピカに甦ったのが、上の写真です。
 どんなカメラでも、手元の来た限りは、設計者の拘りや美点を見いだしたいものですが、このカメラの設計者は過去の一連のHI-MATICシリーズと同様に金属ボディで作りたかったのではないでしょうか。
 このデザインはどう見ても金属プレスを想定していたような気がするんですね。しかし時代がそれを許さなっかた。フラッシュを内蔵したための感電対策でプラボディにせざるを得なかったのでしょう。
 唯一裏蓋を金属板プレス製にしているところに、設計者の拘りを感じます。

 それにしてもミノルタはなぜ、このロゴデザインを近年変えたのだろうか。 このロゴはカメラボディに似合ういいデザインだと思うのですが・・・。
 今のロゴデザインは事務機や家電製品にはともかく、カメラのボディには全く不似合いでセンスのかけらも感じられないですよね。
 カメラ店のショーウインドの中でNikon、Canonに挟まれて陳列されているMinoltaのカメラを見比べてみると、今のロゴデザインがいかに不格好かがよくわかるでしょ。
 例えば、昔の一眼レフのSRシリーズ、その次のXシリーズとデザインや意匠に関しては、他社を一歩も二歩もリードしていたメーカーなのに残念で仕方がないです。現在のα9やα7にしても、操作性を犠牲にしないで綺麗にまとめたよいカメラだと思うが、額に付いている「MIN●LTA」のロゴで全てがブチ壊しになってしまい、何ともかわいそうです。

 さて、試写の結果ですが、コンパクトでもさすがロッコール、実にナチュラルで柔らかく、まじめにキレイに写ります。コントラストもそれほど強くなくしっとりしたいい描写をするので、雨の日に何かに使うと絶対いい雰囲気が出せると思いますね。
 距離計はないがファインダー内でゾーンマークを針が示してくれる親切設計で、ピントを外すことも殆どありません。
 同じような仕様のKONIKA C35EFは、少しクセのあるHEXANONで、思いもよらない描写をしてくれる楽しいカメラですが、このHI-MATIC Sはあるがままに「何も足さず、何も引かない」実にリアルな絵を写し撮ってくれます。
 私の好みは後者なのですが、あなたならどちらを選びますか?

 プラボディの軽さに起因するのか、どうも粗雑に扱ってしまうことがある可哀想なカメラ。次からはバッグに入れるにも、そぉーと入れて上げよう。
 このカメラのライバル達は、おしなべて開放値がf2.8なのに、これだけがf2.7なのは、どんな理由によるものなのか。この0.1の明るさの差をセールスポイントにしたかったのだろうか。使った感じでは、その差は全く解らないです。
 ボディ正面の機種名を表示している黄色い「S」のシルク印刷、これは最悪。全体のデザインはキリッとしまっていて好感が持てるのに、この一文字でおもちゃカメラになってしまいました。

ゾーンマークは、最短80cmから無限遠まで5分割


HI-MATIC Sの主な仕様
発売年度 1978年
レンズ ROKKOR 38mm f2.7 3群4枚構成(テッサータイプ)
シャッター セイコー製絞り兼用2枚羽 オート時1/4から1/450
最短撮影距離 80cm
大きさ・重さ 幅130・高さ84・奥行き55mm  330g
発売時の価格 31,000円(ケース付き)
主な特徴 フラッシュ撮影時、距離のセットに連動して絞りを自動で最適値にしてくれるフラッシュマチック機構をそなえる。

 

Minolta Hi-matic Sを使ってみました。

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