mamiya 500DTL

Pマウントレンズ沼にはまりそう
 
このカメラは、手にするまでその存在すら知りませんでした。
 私の一眼レフ歴は、二十歳の頃、間口三間ほどのカウンターのみで営業していた新宿ヨドバシカメラで購入した「キヤノンFT」から始まるのですが、この「500DTL」も殆ど同時代(1968年発売)のカメラで、当時の若造としては相当高額な買い物をするわけだから事前に雑誌やカタログ等を見比べ、2、3週間悩んでいたのを憶えています。
 最終的には、ミノルタSRT101とキヤノンの2機種に絞ったのですが、色々見比べた中にオリンパスPEN FT、コニカFTA、ペンタックスSP、トプコンREスーパー等があったのだすが、このカメラは選択肢の中にあった記憶がない、というよりマミヤが一眼レフを出していることを知らなかったのです。
 アサヒカメラ誌上でもマミヤは「C33」や「MAMIYA PRESS」を広告していたのではないでしょうか、もう30年以上前なので記憶が定かではありませんが・・・。

 さて、ある日、いつものように行きつけの「カメラのKT
ムラ」のジャンクコーナーを物色していると、コイツがゴロンと転がっていたのです。初めて目にしたカメラなので、興味はあったのですが一眼レフの修理はまったく経験がなく、少し躊躇しましたが、これもいい経験になるかもと思い購入することにしました。もっとも値段はジャンク品だったので、¥1,980と安く、これで一眼レフの分解練習が出来れば安いもんですよね。
 持ち帰って電池をセットし故障個所を調べてみるが、一応全てが作動しているのでキツネつままれたような気分。あえて言えば、フォーカスリングが少し渋いのとシャッター速度の1秒が少し粘るくらいで、通常の撮影だけなら、このままで使えそうです。
 それでもかなり古い機体であることには違いないので、レンズぐらいは外して、点検しようとしたところ、レンズを外すためのロック解除ボタンがどこにもない・・・あれれれっ???
 皆さんはもうとっくにお気づきのことと思いますが、先にも書いたように私はCanon FTから始めてしまったので、今日まで全てバヨネットマウントの一眼レフしか経験なく、ねじ込みマウントの扱い方を知らなかったのです。
 ペンタックスSPで入門していれば、こんな戸惑いを30数年後にしなくても良かったものを・・・先輩諸氏はどうぞお笑いくださいませ。

 あーだこーだと2,3日いじくり回しているうちに、絞り込み測光やスポット測光の仕方も理解できるようになり、平行するようにレンズ周りのグリスアップ等の整備も終わり、とりあえずネガカラーを詰めて自宅の近所を一回りして1本撮ってみました。
 結果 はビックリするくらいのvery goodで、露出は平均測光もスポット測光もドンピシャで当たっていて言うことなし。
 AUTO MAMIYA/SECOR 50mm・f2.0レンズの描写も明度の高低に関わらず非常に繊細な階調を表現してくれクリアーでヌケもよく、色の再現は被写体に忠実でしっとりと落ち着きがあり私の好みのレンズ。
 あえて不満を言わせてもらえば、測光用のCdSの応答速度がもったりして遅く、指針がかなり遅れて追随してくる。
 このM42というねじ込み式マウントは日本は勿論のこと世界中のメーカーから多数のレンズが出されていたそうで、またこのカメラ用のレンズを探す楽しみが増えましたよ。しかしその半面、このM42沼にも填っていきそうで、プラクチカのレンズなどを中古カメラ店の店頭などで見かけると、ついつい熱い視線を・・・。


mamiya/sekor 500DTLの主な仕様
発売年度・価格 1968年 25,500円(ボディのみ)
レンズマウント プラクチカスクリューマウント
シャッター 布幕横走りフォーカルプレーン B・1ー1/500秒
測光モード 前面平均測光及び6%の部分測光
ファインダー ピントガラスにコンデンサーレンズとフレンネルレンズを使用、下部に平均測光と部分測光をAとSで表示  倍率0.86倍
電源 LR44またはSR44を1個使用
大きさ・重さ 幅148・高さ95・奥行き100mm 940g (レンズ共)
主な特徴 部分測光は、受光部の適切な配置により、レンズの射出瞳位置の影響を受けないので、レンズを交換しても正確な測光が出来る。DTLはDual TTLの略で2元測光を意味している。


 実にシンプルな軍幹部、シャッター速度はB、1秒から1/500秒までしかないが通 常の撮影は、これで充分。それにしても理由は不明だがレンズ中心軸が左に偏心している。
 メーターのスイッチは巻き上げレバーを余裕角まで引き出し、格納方向に押すと入り、同時に自動絞りが解除されてファインダー右側のメーターで露出決定ができる。
 後に調べて解ったことだが、このカメラには本来セルフタイマーが装備されていて、そのレバーがマウントの左側に付いているのだが、どういう訳かこの機体にはそれがない。バリエーションの一つなのだろうか。

マウントの左側にはフラッシュ用の接点(FPとX)がある。その下のスイッチは平均測光とスポット測光の切替用。一番手前は、裏蓋開閉用のプレート。裏蓋の遮光には、モルトではなくしっかり植毛されたフェルトで加工されていて、30年以上経った今でもちゃんと機能している。こうゆう所に中古カメラファンとしては、感動しちゃうんだネ。
ミラーの中央上部に黒く見えるのがスポット測光用のCdS受光部。平均測光用のCdSは、接眼部に置かれている。どちらのCdSも応答速度が極めて遅い。マウントを固定している4本のマイナスネジがこのカメラの時代を感じさせてくれる。

 

MAMIYA/SECOR 500DTLを使ってみました

冬の低い日差しが、長いいい影を作ってくれた。透明感のあるヌケのよい描写 のお陰で、当日の気温が伝わるような絵が撮れた。

発色も被写 体に忠実でごく自然、四隅まできちんと解像されていて、いかにもマミヤらしいマジメな描写 。
こうゆうレンズをずーっと探していたのですごく嬉しい。

逆光は苦手だった。ゴーストは出るは、フレアーも出るはで。しかし、人間の目も逆光でものを見ると、このようにフレアーやゴーストを見ているはずで(ヒトの眼球は、このレンズのように6角形の絞りではなく、ほぼ真円形をしているから丸い形になるが)、「写 真はドキュメンタリー」という観点で見ればこれはこれで正しい描写と言うことも言える。私のようになるべく肉眼で見たものと同じ様な写 真を撮りたがっている人間には、なおさらだ。もし逆光でもちゃんとクリアーに物事が見えるという人がいたら、それも正しいと言える。なぜならそれは、脳というフィルターを介して補正しているからで、この脳のフィルターに相当するのが、現代のレンズでは「マルチコーティング」に相当する。それにしても、このボケの美しさは何と表現したらよいだろう。ミノルタSR系レンズのボケ味も好きだが、これはそれ以上ではないだろうか。

一覧へ戻る